合唱コンクールでは、並び方もとても大事です。
良い並び方をすれば合唱の質が上がりますし、グチャグチャな並び方をすると聴いている人も悪い印象を受けがちなので。
「とりあえず背の順で…」というのでは、絶対にマズイです。
ということで、合唱コンクールの並び方についての僕の考えを書きました!
合唱コンクールの並び方
ジグザグに
まず、並ぶの時の形についてです。
この図のように、ジグザグになるように並ぶのが一般的です。
言い換えると、前の2人の肩の間から顔を出すように並ぶ、ということです。
このように並ぶことで、指揮者や観客席の方がよく見えるようになるし、なにより上手そうに見えます!
例えば、この動画を見てください。
実際、この団体(僕が超大好きな山宮先生が指揮をする幕張総合高等学校)はとても上手なのですが、この並び方だけを見ても、上手そうに感じませんか?
あとこちらも(僕が超大好きな郡山高等学校)。
ちなみに、僕も教員時代に合唱コンクールでいろんな演奏を見てきましたが、並び方がグチャグチャなクラスの演奏は、あまり良い合唱には感じませんでした。
例えば、このような並び方などです。
クラスの人間関係(協力体制)が合唱コンクールの並び方にもわりと表れます。
担任や合唱コンクールの実行委員、指揮者、パートリーダー達が並び方について無関心だと、クラス合唱の場合、仲良い同士が妙にくっついていたり、男女の間に溝ができていたり…ということが起きがちです。
とてもカッコ悪いので、並び方にも気を配るべきです。
できるだけ前に
次に、一人一人の立ち位置についてです。
できるだけ前の方に立つようにすると良いと思います。
言い換えると、壇上の前ギリギリまで詰める、ということです。
このように立つことで、ホールのより奥の方まで声が届くようになるからです。
力量や、性格・人間関係もふまえて決める
最後に、一人一人をどのポジションに配置するか、です(これが一番むずかしい)。
一人一人の歌の力量に応じて配置するのが良いと思います。
中高生のクラス合唱の場合、パートの「エース的な人」は、最後列か2列目がオススメです。
- エース的な人には、最後列から思いっきり声を出してもらってみんなを後ろから支えてもらうか、
- パートの真ん中から思い切って声を出してもらってみんなを引き上げてもらう(その代わり、エースの声が聞こえにくい最後列には、そこそこ歌える人を配置する)
の、どちらかかなと思うので。
エース的な人が複数いる場合、2人を隣同士にした方が相乗効果を発揮する場合もあります。そのあたりは、その人達の性格などをふまえて決めます。
他のパートにつられずに歌うことのできる「歌がそこそこ得意な人」は、パートの境目や、エース的な人の声が届く範囲に分散させて配置するのがオススメです。
パートの境目に「自信がない人」を配置すると、その人は歌えなくなってしまうことが多いため、「歌がそこそこ得意な人」がそこに立つべきだからです。
そして、エース的な人だけでは全員を支えるのはむずかしいので、「歌がそこそこ得意な人」が、エース的な人の声に合わせて声を出し、「自信がない人」を支えるべきだからです。
ですが、これで終わりではありません。
ここに、生徒の性格や人間関係も絡んできます。
犬猿の仲な2人を隣同士にすると、(さすがに本番でケンカすることはないと思いますが)練習中にケンカをしてしまう可能性があります(笑)
なので、このような場合は少し離したところに配置する配慮も必要です。
また、特に男子に多いと思いますが、「いつもふざけあう人達」を近くに配置すると、練習がスムーズにいかなかったりします。
「男子ちゃんとやって」って女子が言うのも、たいていこういう場合です。
こうならないように、「ふざけてしまう人」の近くに「注意できる人」や「真面目に取り組める人」を配置する…というのも重要です。
このように、生徒の性格や人間関係も考慮して並び方を調整します。
(あくまで目標は「このクラスでできる最高の合唱をすること」です。それに向けた並び方の調整です。)
ただ、どの配置が一番しっくりくるかが分かるまでは、かなりの試行錯誤が必要です。
実際、合唱部の合唱コンクールを見ていても、「県予選の時と、ブロック予選の時と、全国の時、それぞれで配置がちがう」ということがよくあります。
あくまで、この記事で説明したことは並び方を決める時の参考程度にしてもらうのが良いと思います。
実際に試行錯誤しながら「自分たちにとってのベストの並び方」を見つける…という姿勢が重要です。
並び方を決めるのは誰?
最後に、このような並び方を決めるのは誰なのか?ということについてです。
僕が教員だった時は、
- 合唱コンクール実行委員
- 指揮者
- 伴奏者
- パートリーダー
で決めていました。
流れはこんな感じ。
合唱コンクール実行委員がパートごとの大枠(●列目は◇人、など)を決める
↓
パートリーダーが、自分のパートの並び方を決める(理由とともに)
↓
全パートで合わせて、実行委員・指揮者・伴奏者・パートリーダーで確認
↓
他の人の意見も聞きながら、微調整
こんな感じで、昼休みや放課後の時間を使って、並び方を考えていました。
で、実際に並んで歌ってみると、
- 「●●が隣にいないと歌いづらい」って言ってくる人が現れたり、
- 「あれ、この人達でふざけ始めた…おかしいな」っていうことになったりと、
いろんなことが起きます。そこで再度、調整です。
特に、実際に歌っている人の感覚は大事ですので、全部を叶えることはむずかしいにせよ、その人達の声をしっかりと拾い上げるようにするべきです。
(じゃないと、ヘソを曲げてしまうこともある)
まとめ
- ジグザグに
- できるだけ前に
- 力量や、性格・人間関係もふまえて決める
- 試行錯誤しながら「自分たちにとってのベストの並び方」を見つける
合唱コンクールでは、並び方もとても大事です。良い並び方をすれば合唱の質が上がりますし、聴いている人も良い印象を受けます。
自分のクラスでできる最高の合唱を目指して、がんばってください!
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