

こういった疑問に答えます。
今回は、
合唱コンクールで良い合唱をするコツ【練習のコツ編】
について説明します。
僕は元教師で、本記事で紹介する考え方で合唱コンクールに取り組んだ結果、全ての年で優秀賞(学年でトップ、3年の担任の時は学校トップ=最優秀賞)という賞をいただくことができました。
本記事で紹介する考え方(コツ)は、結構、再現性が高いと思いますので、何か一つでもみなさんの役に立てばうれしいです。
合唱コンクールに関する別記事もありますので、もしよければ合わせて読んでください。(記事の最後にもリンクを貼っておきます)
▶️合唱コンクールで良い合唱をする(優勝する)コツ【考え方編】
▶️合唱コンクールで良い指揮をするコツを元教員が解説【指揮者賞とりたい人へ】
▶️合唱コンクールで良い伴奏をするコツを元教員が解説【伴奏者賞とりたい人へ】
▶️合唱コンクールの並び方のコツを元教員が解説【最高の合唱を目指す】
目次
【合唱コンクール】曲の完成イメージをもつ
まず、教師が曲の完成イメージを持つことが重要です。
吉田松陰の言葉に、このような言葉があります。
『夢なき者に成功なし。』
夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。故に、
夢なき者に成功なし。
この言葉の通りです。
「こういうふうに曲を作れば、聴いている人が感動する(鳥肌が立つ)はずだ」という、曲の完成イメージを持ちましょう。
- ①楽譜の読み込み
- ②上手な合唱をひたすら聴く
をやっていました。
夏休み前に歌う曲が分かっている場合は、夏休み中に100回以上聴きました(笑)
①楽譜の読み込み
これは、読み込み後の実際の楽譜です。
どの曲にも、勝負となるポイントがあります。
言い換えると、「ここを決めるとインパクトがでかい」っていう部分があります。それを見つけます。
②上手な合唱をひたすら聴く
YouTubeに上手な合唱の音源がたくさんあるので、自分のクラスが演奏する曲をひたすら聴きました。
「上手な合唱」がなぜ上手に聞こえるか、分析します。
何度も聴いていると
「ここがそろっているから上手く聴こえるのか!」
のように、いろいろと気づきます。
ここだけは決めるぞ(ここだけは外せないぞ)というポイント
をはっきりさせます。
合唱部じゃないし、時間的に全部はできないので。
ひらすらこの演奏を聴きます。
1番のサビ(3:24〜)の
「僕らの出会いを 誰かが 別れと呼んだ」
の
- 「僕ら」の「ぼ」
- 「別れ」の「わ」
で、全パートがバシッと合わせること
を「ここだけは決めるぞ(ここだけは外せないぞ)というポイント」に決めます。
(他にもありますが、説明のための例なので、これだけにします)
ここを決めれば、1番のサビで観客の心をぐっとつかめると思います。
【合唱コンクール】練習のコツ

実行委員・指揮者・伴奏者・パートリーダーに自覚を持たせる
教師が曲の完成イメージを持った状態で練習に入りますが、実際に合唱をするのは生徒達です。
なので、教師(担任)が引っ張りすぎるのもよくないです。
実際の練習では、なるべく実行委員・指揮者・伴奏者・パートリーダー主体になるようにしましょう。
リーダーシップをとる人は
リーダーシップをとる人
パート練習段階:実行委員・パートリーダー中心
↓
全体練習段階:実行委員・指揮者・伴奏者中心
のように、少しずつ変わるかなと思います。
リーダー会議では、実行委員、パートリーダー、指揮者、伴奏者が、
- どういう曲を作るか(ここで、曲の完成イメージを持った教師が少しずつアドバイスをして、曲の完成イメージを共有します)
- どうやって練習するか
- 今日良かったところと改善点
を話し合っていました。
教師の僕は、生徒全体に指示を出すよりも、合唱リーダーに「こうした方がいいんじゃない?」と声をかけるようにしていました。
あくまでも、合唱リーダーがクラスを引っ張っている、という形にするためです。
かといって、合唱リーダーだけではうまくいかない可能性もあります。
なので、時にはクラス全体を引っ張る言葉をかけることもありました。
教師は押し引きしつつ、生徒と関わる。
※教師(担任)が熱意を出しすぎると生徒は引くので、バランスが難しいが、教師の熱意がないところに良い合唱は生まれないです。
頑張り方を教える
実際の練習では、歌う時の頑張り方(意識の仕方)を具体的に教えることが大事です。
- 頑張り方が分かれば、頑張れる
- 頑張り方が分からなければ、頑張れない
からです。
サ行の子音を強調
広いホールでは、サ行(さ・し・す・せ・そ)が想像以上に観客には聴こえにくいです。
「肌の温もりと 汚れたスニーカー」の「スニーカー」の「ス」は、
意識をしないと
「ウニーカー」
って聴こえます。この動画の歌い方を聴いてもらえば分かるように、かなりサ行を強調しています。
「sssそらに」のように、サ行を強調することを伝えます。
- 頑張り方が分かれば、頑張れる
- 頑張り方が分からなければ、頑張れない
「ここ決めるぞ」というポイントを示す
例えば『虹』であれば、1番のサビの
「僕らの出会いを 誰かが 別れと呼んだ」
の
- 「僕ら」の「ぼ」
- 「別れ」の「わ」
で、全パートがバシッと合わせることが大事だと思います。
「ぅわ」って強調して言って、バシッと合わせるぞ!
細かく区切って練習する
やってしまいがちな失敗例は、
- 「1番やります」
- 「最初から最後まで通します」
のように、部分で区切らずに長いまとまりで練習してしまう
やり方です。で、歌い終わったら「もう一回やりまーす」…
これだと、
- 何を意識すればいいのか分からない
- 同じことの繰り返し
でほぼ間違いなくダレます。特に男子は歌わなくなります。
細かく区切って、反復練習
→ できたら次に行く
というように練習するのがコツです。
例えば、先ほどの
- 「僕ら」の「ぼ」
- 「別れ」の「わ」
で、全パートがバシッと合わせるために、
「僕らの出会いを 誰かが 別れと呼んだ」
の部分だけをひたすら練習します。
で、「ぼ」と「わ」が上手くできるようになったら、次に行きます。
※ただ、10回も20回も同じところを繰り返すとさすがにダレるので要注意。
ダレる時間を生まないようにテンポよく練習する
合唱あるあるは、
歌い終わる
→ 合唱リーダーが次どうするか悩む(CDの再生準備でモタモタする)
→ 待っている生徒が喋り始める(ふざけ始める)
→ 合唱リーダーがキレる
です(笑)
リーダーの進め方に課題があるって考えましょう。
こうならないようにするために、
- 練習するポイントをハッキリさせる
- CDの何分何秒から、どの部分が始まるかを調べておく
のが大事です。
例えば、先ほどの例なら
練習するポイントをハッキリさせる
- 「僕ら」の「ぼ」
- 「別れ」の「わ」
で、全パートがバシッと合わせる、のを練習しよう。
CDの何分何秒から、どの部分が始まるかを調べておく
- (YouTubeの動画で説明すると)3:24〜サビなので、3:20から流せば「僕らの出会いを 誰かが別れと呼んだ」の練習ができる、って調べておく。
ということです。
できる限り、「なにもすることがない時間」を作らないように、テンポよく練習する工夫をしましょう。
休憩をとる
集中して練習すると疲れます。
疲れるとダレるので、5分くらい休憩をとる勇気も必要です。
【合唱コンクール】パート練習のコツ
パート練習で大事なのは、
- 音程を正確にとる
- とにかく声量を出させる
- 教師はガンガン歌う(できれば全パート)
です。
音程を正確にとるのは、当然です!
パート練習の段階で、「ここはmp(メゾピアノ)だから、もうちょっと弱く歌おう」などと強弱を考える必要はないと思います。
そのような段階の時に「弱く歌おう」って指示してしまうと、声がますます出なくなってしまいます。
とにかく、声量を出させることを目指します。
合唱コンクールで一番重要なのは、教師の関わり方だと思います。
生徒の誰よりも歌いましょう!
先生が一生懸命歌えば、生徒達も頑張ろうって思います。
- 男性の先生は男子の練習だけ、
- 女性の先生は女子の練習だけ、
ってなりがちですけど、僕は全パートのところに歌いに行くべきだと思います。
【合唱コンクール】全体練習のコツ
全体練習で大事なのは、
- 強弱をつける(数字で)
- 最初は壁に向かって全体練習をやる
- パートごとの音量を調整する(男子が飛び出すぎないように)
です。
強弱をつける(数字で)
パート練習で声量を出して、全体練習で強弱をつけます。
パート練習の段階で声量が出ていないと、強弱の「強」がつけようがないので、パート練習は大事です。
で、強弱を意識するときに、「1〜10」の数字で表すと意識しやすくなります。
一番弱いのが「1」、一番強いのが「10」です。
この画像には、強弱を1〜10で書き込んでいます。
壁に向かって全体練習をやる
とは言っても、全体練習でも声量がまだ足りない場合もあります。
そんな時の秘策が、「壁に向かって全体練習をやる」です。
こんな感じで壁に近いところで並んで全体練習をします。
こうやってやると、声が反響して、声量が大きく感じます。
教室をぐるっと囲むように全体練習したこともあったのですが、こうすると「みんな声が出ていない」と感じて、ますます声量は落ちてしまいました。
全体練習は、壁に向かってやるのが良いです。
とはいえ、最後はホールなどの広い空間で合唱することになりますので、最終段階ではこのように教室の一番後ろで全体練習をするべきです。

そうすると、他のクラスにも「頑張っている様子」が届いて、他のクラスも燃えるんですよ。
学年全体が良い方向に向かいます。
【合唱コンクール】指揮者・伴奏者は休み時間に個別レッスン
曲を作るうえで、指揮者と伴奏者はものすごく重要なポジションです。
- 指揮者:曲のイメージを表現する
- 伴奏者:曲の盛り上がりを支える
でも、練習時間の中ではなかなか指揮者と伴奏者の指導はできないので、昼休みなどの休み時間に個別レッスンをしました。
そうやって、クラスのみんなの前で頑張っている姿を見せることも、クラスのみんなに良い影響を与えると思います。
そうやって、クラスが育っていきます。
指揮者と伴奏者は細かい部分までひたすら練習しますが、
特に「ここだけは決めるぞ(ここだけは外せないぞ)というポイント」で、指揮者と伴奏者が頑張れると、聴いている人が感動する(鳥肌が立つ)ようになると思います。
例えば、
「僕らの出会いを 誰かが 別れと呼んだ」
- 「僕ら」の「ぼ」
- 「別れ」の「わ」
で、
- 指揮者:体全体で強調して(大げさに)指揮する
- 伴奏者:ピアノを強くタッチする
ようにします。
うまくいけば、
指揮者の背中を見ながら合唱を聴いている観客は、「ぼ」と「わ」でインパクトを受けます。心に突き刺さります。
このように、
- 歌っている人がバシッと合わせる
- 指揮者が体を大きく使う
- 伴奏者が強く弾く
が合わさることで、印象づきます。
もう一度この動画の1番のサビ(3:24〜)を聴いてみると、決まってますよね!
そりゃ全国ナンバー1になりますわ!というわけです。
まとめ
以上、
合唱コンクールで良い合唱をするコツ【練習のコツ編】
について説明しました。
いろいろと偉そうに書きましたが、あくまで、一教員の考え方にすぎません。
ただ、この記事や他の記事で紹介した考え方で合唱コンクールに取り組んだ結果、全ての年で優秀賞(学年でトップ、3年の担任の時は学校トップ=最優秀賞)という賞をいただくことができたので、100%間違っているわけではないかな…とは思ってはいます。
とはいえ、僕は音楽科ではありませんので、音楽科の方からしたら「なんだこれ」と思うこともあるかと思いますが、その時はコメント欄などで教えてくださると助かります!
合唱コンクールに関する別記事もありますので、もしよければ合わせて読んでください。
▶️合唱コンクールで良い合唱をする(優勝する)コツ【考え方編】
▶️合唱コンクールで良い指揮をするコツを元教員が解説【指揮者賞とりたい人へ】
▶️合唱コンクールで良い伴奏をするコツを元教員が解説【伴奏者賞とりたい人へ】
▶️合唱コンクールの並び方のコツを元教員が解説【最高の合唱を目指す】
もちお(@softenisuke)でした!
↓合唱コンクールに関わる教師は必読の本だと思います。
他にも多数、書籍がありますのでチェックしてみてください。
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