地理

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】

 

雨温図の問題の解き方(見分け方)【日本地理版】について説明します!

 

望岡 慶
望岡 慶
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雨温図の問題を解くための前提知識【日本地理版】

まず、世界の雨温図の問題を解くための前提知識についてです。

 

雨温図の読み取り方

雨温図の問題(世界地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】これは基本。

  • 折れ線グラフが気温(目盛りは左軸の数字)
  • 棒グラフが降水量(目盛りは右軸の数字)

を表しています。

ちなみに、

最も気温が高い月(最暖月)と最も気温が低い月(最寒月)の気温の差のことを、気温の年較差(ねんかくさ、ねんこうさ)と言います。

 

 

緯度・標高・海との近さが気候に影響を与える

気候に影響を与える要因について理解しておくと、雨温図の問題の正答率がグッと上がります。

緯度が高くなると、気温は低くなる

地球儀の画像

緯度が高くなると、気温は低くなります。

つまり、

  • 赤道に近いと(低緯度だと)、年中高温
  • 北極や南極に近いと(高緯度だと)、年中低温

ということです。

 

 

標高が高くなると、気温は低くなる

マチュピチュの画像

標高が高くなるにつれて、気温は低くなります。

 

例えば、赤道直下のエクアドルにあるキトという都市は、

標高が約3,000mなので、赤道直下でも年間平均気温が約13℃

です。

 

 

海から離れると、気温の年較差は大きくなり、降水量は少なくなる

グランドキャニオンの画像

海から離れると(内陸にいくと)、気温の年較差は大きくなります。

気温の年較差 = 最も気温が高い月(最暖月)と最も気温が低い月(最寒月)の気温の差

海から離れると(内陸にいくと)気温の年較差が大きくなるのは、地面と水とで、温まりやすさと冷めやすさが違うからです。

 

太陽の熱で地球は温まりますが、

  • 陸地の方が温まりやすく
  • 海の方が温まりにくい

のです。
(物質の違いが理由。例えば鉄は熱しやすく冷めやすい)

逆に、

  • 陸地の方が冷めやすく
  • 海の方が冷めにくい

です。

雨温図の問題(世界地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】そのため、海からはなれると(内陸にいくと)、海の(温まりにくく冷めにくい)効果が少ないため、夏は暑く・冬は寒くなって、気温の年較差が大きくなります。

 

また、

海から離れると(内陸にいくと)、降水量は少なくなります。

これは、海からの水蒸気が届きにくくなるためです。

 

 

日本は季節風の影響を受ける

風の画像日本は季節風の影響を受けます。

季節風(モンスーン)

夏と冬で風向きが反対になる風

  • 夏:海から大陸に向かって吹く
  • 冬:大陸から海に向かって吹く

日本の場合は、

  • 大陸 → ユーラシア大陸
  • 海 → 太平洋

となり、

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 夏は南東からの季節風
  • 冬は北西からの季節風

が吹くことになります。

 

 

代表的な山脈(山地)の位置

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】本州と四国にある山脈(山地)の位置を覚えておくと良いです。

本州

  • 奥羽山脈
  • 越後山脈
  • 飛騨山脈
  • 木曽山脈
  • 赤石山脈
  • 中国山地

四国

  • 四国山地

これらの山脈(山地)に、季節風がぶつかることになります。

このことが、夏と冬の降水量に影響を与えます。

 

日本は海に囲まれているので

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 夏の南東からの季節風
  • 冬の北西からの季節風

はどちらも、水蒸気を含んだ湿った空気になります。

 

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】その空気(風)が山脈(山地)にぶつかって斜面にそって上昇する時に、雲ができて雨や雪が降ります。

なので、山脈の手前の地域は降水量が多くなります

 

雨や雪が降った後、空気に含まれていた水蒸気がなくなり、空気は乾燥します。

乾燥した空気(風)は山脈を越えて吹き降りてくることになり、晴天をもたらします。

なので、山脈を越えた先の地域は降水量が少なくなります

 

 

北海道は梅雨や台風の影響をほとんど受けない

小樽の画像北海道は、梅雨や台風の影響をほとんど受けません。

なので、北海道の降水量は年間を通して少なくなります

 

 

日本の気候区分と雨温図

北海道

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 緯度が高いので、気温が低い。
  • 梅雨や台風の影響をほとんど受けないので、降水量が少ない

 

 

南西諸島

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 緯度が低いので、気温が高い。
  • 台風の影響をよく受けるので、降水量が多い。

 

 

日本海側

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 冬の北西からの季節風が山脈にぶつかるので、冬の降水量(雨・雪)が多い。

 

 

太平洋側

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 夏の南東からの季節風が山脈にぶつかるので、夏の降水量(雨)が多い。

 

 

中央高地

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 標高が高いので、気温が低い。
  • 海から離れているので(内陸なので)、気温の年較差が大きい。
  • 海から離れているので(内陸なので)、降水量が少ない。

 

 

瀬戸内

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】
  • 夏の南東からの季節風が四国山地にぶつかって乾燥した空気が届くので、夏の降水量が少ない。
  • 冬の北西からの季節風が中国山地にぶつかって乾燥した空気が届くので、冬の降水量が少ない。

 

 

雨温図の問題の解き方【日本地理版】

以上、雨温図の問題を解くための前提知識【日本地理版】を解説しました。

僕が実際に定期テストに出題した問題をのせておきますので、時間があれば解いてみてください。

問題

(1)下のA~Dの雨温図は、南西諸島、太平洋側、日本海側、瀬戸内の雨温図である。それぞれ、どの地域のものか。

(2)Dについて、そのように判断した理由を、地形に着目して書きなさい。

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】

(下にスクロールすると答えがあります)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨温図の問題(日本地理版)の解き方について元教師が解説【教師向け&中高生のテスト対策】

答え

(1)
A 太平洋側
B 日本海側
C 南西諸島
D 瀬戸内

(2)
瀬戸内は中国山地と四国山地にはさまれていて、夏、冬ともに乾いた季節風しか吹き込まないため、降水量が少なくなるから。

 

 

望岡 慶
望岡 慶
最後までお読みいただきありがとうございました!

 

世界地理版の雨温図の問題の解き方

雨温図の問題(世界地理版)の解き方について

 

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