学校教育

教員採用試験不合格者が担任?「講師で担任」の理由と問題点を元教師が解説

教員採用試験不合格者が担任?「講師で担任」の理由と問題点を元教師が解説学校の現場では、

「教員採用試験で合格になった人が担任をもたないで、

 教員採用試験で不合格になった人が、担任をもつ」

ということが、割とあります。

 

このことを聞いて、少しでも

「え?」

と思った方々は、ぜひこの記事を読んでいただけるとうれしいです。

 

こんにちは。元教師のもちお(@softenisuke)です。
教師の世界の理不尽さや教員の仕事の限界を感じて、精神を病み、退職しました。

学校の現場では、

教員採用試験で不合格になって、講師として採用された人(臨時的任用職員)が、
クラス担任をする

という事例がそれなりにあります。

「講師で担任」という現象

です。

 

そこで本記事では、

「講師で担任」の理由や問題点

について説明します。

そもそも「講師」とは?

教室の画像
っていうか「講師」って何?先生は全員「先生」じゃないの?

って思うかもしれませんので、「講師」について説明します。

学校の教員は、正規採用かそうでないかによって、ざっくりと2つに分けることができます。

  • 教諭 正規採用
  • 講師 非正規採用(臨時的任用職員)

みなさんが過ごした学校も、教諭の先生と講師の先生が入り乱れていたはずです(ぱっと見では分からないけど)

 

講師は、さらに大きく2つに分けられます。

  • 常勤講師 フルタイムで働く講師
  • 非常勤講師 フルタイムではなく、授業の「コマ」ごとの時間契約で授業をする講師
もちお
もちお
今回の記事では、「常勤講師」の話をします。

 

(常勤)講師をやる人の中には

家事があって正規採用されるとキツイから、教員採用試験は受けないで講師を続けるんだ

と言う人もいました。

が、そういう人は割とレアです。

実際には、

教員採用試験で不合格になった人が、教員採用試験の勉強をしながら講師として働く

というのが、ほとんど。

つまり、

講師 = 正規職員として採用されなかった人

であることが多いです。

「講師で担任」の矛盾

そんな講師が、担任をもつことがあります。

 

3月末、4月から赴任することになる学校に行って(もしくは、継続して赴任することになる学校で)、校長や教頭から

担任をやってもらいたい

と言われるのです。

 

「やった!担任になれる!」

って思うのか

「まじかー!大変そうだ…」

って思うのかは、その講師次第だとは思いますが、この提案に対して講師の先生が承諾をすると、晴れて「講師で担任」が誕生することになります。

が、実際に現場を見てみると、

正規採用の教諭で副担任

という先生の方も割といます。

 

こうして、

  • 教員採用試験で合格になった人が、担任をもたないで、
  • 教員採用試験で不合格になった人が、担任をもつ

という矛盾が生まれるのです。

「講師で担任」の原因

子供に教える女性の画像
なんでこうなるの?正規採用の「教諭」が担任をやればいいんじゃないの?

って思うのもムリはありません。

が、「講師で担任」が誕生するのには、学校現場の厳しい状況が理由としてあります

 

ここからは、僕の推測も入りますので、100%鵜呑みにしないでください。

もちお
もちお
割と合ってると思うけど、ウノミニスルナ。

 

「講師で担任」の原因は、

「担任をできる人」が足りないから

だと思われます。

なんで?教員採用試験に受かったんだから、担任できるでしょ

って思うかもしれませんが、それはたぶん間違っています。

というのも、教員採用試験はペーパーテストと面接、模擬授業で行われることが多いと思いますが、

それらの試験内容で、受験生について完璧に判断できるわけではない

からです。

たぶん、正規採用してから

「あ、この人に担任をやらせるのは厳しいな…」

って判明することもあると思います。

 

授業の画像でも、教員は地方公務員で原則クビにはできないわけです。

つまり、「担任をやるのが厳しい人」を採用したら、定年退職するまでは教員として働いてもらうことになります。

なので、

教員採用試験で合格になった人だけど、担任をやるのが厳しい人

っていうのが一定数いて、学校によっては

「担任をできる人」が足りない

ということになってしまうのだと考えられます。

 

1つの学校に配置される教員の数は決まっていますから、学校によっては、

担任の穴を埋めるために「講師で担任」という切り札を使うことになるのです。

じゃあ、教員採用試験でもっと採用数を増やせばいいんじゃないの?最近、教員不足って言ってるくらいだし。

って思うかもしれませんが、これも微妙です。

というのも、少子化の進行で「必要になる教員の数」は減っていくため、採用数をしぼらざるを得ないからです。

もちお
もちお
このあたりについては、別記事で説明します。

 

指導の画像
じゃあ、「教員採用試験で合格になった人だけど、担任をやるのが厳しい人」を育てればいいんじゃないの?

そういう人に、担任をできる力を身につけさせればいいじゃん。

って思うかもしれません。

僕もそう思います。

が、実際の学校現場の中には、

「この人は厳しいな」っていう人を育てようとしない雰囲気がある

ところも多いようです。

もちお
もちお
ネットなどの情報によると、

1回担任をもったけど、学級崩壊して、その後ずっと担任をもてなくなった

という先生も、実際にいるようです。

これが、本人の努力不足なのか、学校の育成不足なのかは分かりませんが…。

 

そんなわけで、結局

「担任をできる人」が足りない

という状況になって、「講師で担任」というカードが切られることになります

「教員採用試験で合格になった人だけど、担任をやるのが厳しい人」(教諭)に担任をやらせるよりは、

「教員採用試験で不合格になった人」(講師)に担任をやらせた方が良いだろう

と、学校が判断したっていうことです。

あ、あくまで推測です。ウノミニスルナ。

もちお
もちお
ちなみに、僕も「講師で担任」でした。

「新卒1年目で、講師で、担任」だったので、それはそれは苦しかったです。

「講師で担任」の問題点

「講師で担任」には問題点があります。

 

1つ目は、「研修がない」ということです。

正規採用されて、晴れて教諭になると、初任者研修(初任研)という研修を受けることになります。

そこで、「学級担任」などについても学びます。
(初任研などの研修に、どれほど意味があるのか…は置いておきます)

 

が、講師にはそういう研修がありません

なので、研修なしに担任をやることになります。

学校のサポートはありますが、「右も左も分からない」状態で担任をやるのは、問題だと思われます。

 

2つ目は、「教員採用試験に支障が出る」ということです。

講師の先生の多くは、教員採用試験の勉強をしながら講師として働いています。

ですが、担任をやると仕事量は半端なく増えますので、長時間の残業もあたりまえになります。

もちお
もちお
担任をやっている以上、「講師だから早く帰れる」ということにはなりません。

そうすると必然的に、教員採用試験に向けて勉強する時間が減ります。

そして、教員採用試験はたいてい7月から始まります。

実際に、

「講師で担任」の人が、業務に追われて勉強できず、教員採用試験で不合格

というのを僕も見たことがあります。

 

3つ目は、「1年で異動になることが多い」ということです。

講師は、1年契約です。

地方公務員法第22条で、そのように定められているからです。

地方公務員法

第二十二条

2 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は採用候補者名簿(第二十一条の四第四項において読み替えて準用する第二十一条第一項に規定する昇任候補者名簿を含む。)がない場合においては、人事委員会の承認を得て、六月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、その任用は、人事委員会の承認を得て、六月を超えない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。

5 人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合において、任命権者は、その任用を六月をこえない期間で更新することができるが、再度更新することはできない。

引用:地方公務員法

ですので、講師(常勤講師)の先生は、基本的には1年で異動することになります。

担任をやって、せっかく生徒との関係が深まっても、1年で終わりです。

「講師で担任」のまとめ

以上、

「講師で担任」

について説明しました。

この記事を読んで、みなさんはどう思われますか?

 

僕としては、

「講師で担任」の理不尽さに何も疑問を感じないのであれば、その人の好きにすれば良いとは思いますが、

ちょっとでも「おかしいな」と思うのであれば、学校現場から離れる準備をしておいた方がいいんじゃないのかな?

と、正直思います。

 

「教員採用試験で合格になった人が担任をもたないで、教員採用試験で不合格になった人が、担任をもつ」

というのは、かなりの矛盾です。

とはいえ、学校現場によっては、教員を育てる雰囲気がないところもあります

そうなると、結局「講師で担任」という手段がとられることになって、講師をやっている先生が犠牲になります。

 

学校現場のこのような現場について、みなさんはどう思いますか?

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