このブログ記事は、そんなあなたに向けた記事です。
こんにちは。もちお(@softenisuke)です。
学校の現場では、
「教員採用試験で合格になった人が担任をもたないで、教員採用試験で不合格になった人が担任をもつ」
っていうことが、わりとあるんですよね。
そこで本記事では、
「講師で担任」の理由や問題点
について説明をします。
この記事を読むと
- 「講師で担任」の理由と問題点がわかる
- 「講師で担任」が教員採用試験に与える影響がわかる
この記事の信頼性
- 僕(もちお)は元中学校教員
タップできる目次
「講師で担任」はおかしな話
(常勤)講師が担任になるのって、おかしな話なんですよね。
そもそも講師とは?

学校の教員は、正規採用かそうでないかによって、ざっくりと2つに分けることができます。
教諭 | 正規採用 ※教員採用試験に合格 |
---|---|
講師 | 非正規採用(臨時的任用職員) ※教員採用試験に合格はしていない |
講師は、さらに大きく2つに分けられます。
常勤講師 | フルタイムで働く講師 |
---|---|
非常勤講師 | フルタイムではなく、授業の「コマ」ごとの時間契約で授業をする講師 |
非常勤講師が担任になることはほぼほぼないと思うので、この記事では常勤講師の話をします。
講師になる理由

講師になる理由は大きく2つあると思います。
①望んで講師になる | (例) ・家事があって正規採用されるとキツイから、教員採用試験は受けないで講師を続ける |
---|---|
②しかたなく講師になる | 教員採用試験で不合格になった人が、教員採用試験の勉強をしながら講師として働く |
こんな感じで2つの理由があるんですけど、①の「望んで講師になる」っていうパターンはわりとレアです。
実際には②のパターンがほとんどです。
「講師で担任」のおかしさ

つまり、こういうことです。
「講師で担任」=教員採用試験で不合格になった人が担任になっている
これだけだったら、「正規採用の教諭だけでは担任が足りないからなのかな」って思うかもしれません(実際、小学校の場合はそういうこともあるようです)。
が、学校現場を見てみると「教諭が副担任」っていうことも結構あるんですよね。
たしかに「家庭の事情で(拘束時間の長い)担任はできない」っていう理由で副担任になっている人もいますが、必ずしもそういうわけではなさそうで。
教員1年目の僕は(何も知らなくて純粋だったのでw)、「教員採用試験に合格して教諭になった人が副担任をやっている中で、なんで不合格だった僕が担任なの?その人が担任やればいいんじゃないの?」って思っていました。
なんで講師が担任になるのか?

どうやら、学校現場の厳しい状況が理由としてあるみたいなんです。
「講師で担任、教諭で副担任」の疑問の答えは「教諭だけだと『担任をできる人』が足りないから」だと思います。
っていうか、そうじゃないとつじつまが合わないですよね。
そうじゃなきゃ、教諭そっちのけで不合格だった講師に担任をやらせるわけがありません。
そもそも教員採用試験で受験生(未来の教諭)について完璧に判断できるわけではないんです。
だって、ペーパーテストと面接、模擬授業で試験をしているだけなので。
だから、正規採用してから「あ、この人に担任をやらせるのは厳しいな…」ってわかることがあって、かといって公務員だから首を切るわけにもいかないし…っていうことになっているとしか思えません。
つまり、こういうことです。
1つの学校に配置される教員の数は決まっている
↓
学校によっては、担任をできる教諭が足りないってことに
↓
担任の穴を埋めるために「講師で担任」という切り札を使う
だったらこうすればいいじゃん

じゃあ、もっと試験で合格者数を増やして教諭を増やせばいいじゃん!って思うかもしれません。
つまり、「教諭の増加」という対処法。
ですが、これは微妙です。
というのも、少子化の進行で「必要になる教員の数」は減っていくため、採用数をしぼらざるを得ないからです。
じゃあ、「教員採用試験で合格になった人だけど、担任をやるのが厳しい人」を育てて担任をできる力を身につけさせればいいじゃん!って思うかもしれません。
つまり、「教諭の教育」という対処法。
が、実際に「講師で担任」という切り札を使っていることを考えると、「教諭の教育」という対処法は機能していないっぽいです。
「教諭の教育」が機能していない理由として考えられるもの
①教諭自体に限界がある | ・どうやったって担任をできる力を身につけられない人が教諭になっちゃったパターン ・担任をそもそもやるつもりのない人が教諭になっちゃったパターン |
---|---|
②教諭を育てる気がない | ・初任研などの研修で「担任をできる力」を伸ばせていない ・学校現場で上司が教諭を育てようとしていない |
いずれにせよ、「講師で担任」という切り札を使わざるをえない事情が、学校現場にはあるっていうことです。
「講師で担任」の問題点
そんな「講師で担任」には問題点があります。
①研修がない

講師には研修がないんですよね。
正規採用されて教諭になると、初任者研修(初任研)というものを受けることになります(1年かけて)。
そこで一応「学級担任」についても学びます。
ところが、講師にはそういう研修がないんですよね。
学校現場の上司からのサポートがあるとはいえ、「右も左も分からない」状態で担任をやることになります。
(まあ、やりながら学んでいくしかないと思うので、「わからないことがあったら聞いてね」以上でも以下でもないとは思いますが)
②教員採用試験に支障が出る

担任をやると教員採用試験に向けて勉強する時間が減ります。
担任をやると仕事量は半端なく増えて長時間の残業もあたりまえになりますが、担任をやっている以上、「講師だから早く帰れる」ということにはなりません。
そうすると、試験勉強できなくなるんですよね。
(まあその人の勉強不足なのかもしれませんが、本当につらそうにしていたので、しかたない部分もあったと思っています)
僕自身は「来年の試験は面接だけでOKですよ」っていうパターンの講師で、「合格率はほぼ100%」って噂されているパターンの講師の分類だったので、負担はほぼありませんでした。
が、もし普通に試験勉強をしなきゃいけない立場だったとしたら、マジできつかったと思います。
③1年で異動になることが多い

講師は1年契約なので、来年度も担任を続投することが原則できません。
担任をやって、せっかく生徒との関係が深まっても、1年で終わりです。
まとめ
以上、
「講師で担任」の理由や問題点
について説明をしました。
学校現場は大変なことになっていますよね。
非正規の職員に負担をかけつつ、非正規の職員でやりくりするしかない…っていう感じです。
これでいいのかな?って思います。
もちお(@softenisuke)でした。
本を出版しました

「過去の僕のようになってほしくない」という思いを込めて、元教員の僕の具体的なノウハウをまとめた電子書籍を出版しました。
<目次>
- はじめに
- 第1章 長時間労働の理由
- 第2章 生産性を意識する
- 第3章 教員の仕事との向き合い方
- 第4章 スケジュール管理・タスク管理
- 第5章 作業環境を整える
- 第6章 教室環境を整える
- 第7章 メンタルを整える
- おわりに
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