「学校の授業で社会保険について習ったんだけど、意味不明だった」
「社会保険についてよく分からないまま大人になってしまった…」
「自分って社会保険に加入してるのかな…?」
「CMでやってる がん保険って社会保険?」
このブログ記事は、そんな大人や中高生の方々に対して書いています。
こんにちは。元教師のもちお(@softenisuke)です。
世の中について、なるべく分かりやすく解説してみなさんの役に立てるよう、ブログなどをがんばっております!
社会保険は中高生の公民(経済)の授業で勉強する内容ですが、そんなに時間をかけられない部分なので、しっかりと解説できないまま(生徒にとってはしっかりと理解できないまま)終わってしまいがちです。
そこで本記事では、僕みたいに社会保険についてよく分かっていなくて、
でも「社会保険についてしっかりと理解したい!」という方々に向けて、
社会保険とは何なのか?
について説明します。
目次
社会保険とは国の社会保障制度の4つの柱のうちの1つ!
社会保障制度
= 国民の生活が「健康で文化的な最低限度の生活」以下の状態にならないようにするための仕組み(セーフティネット)
社会保障制度の4つの柱
- 社会保険(しゃかい ほけん)
- 公的扶助(こうてき ふじょ)
- 公衆衛生(こうしゅう えいせい)
- 社会福祉(しゃかい ふくし)
社会保障制度については、別記事でくわしく説明しているので、もしよければご覧ください。
社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】
社会保険とはリスクに対してみんなで備える、国が義務づける仕組みのこと!

社会保険とは、世の中に存在するリスクに対してみんなで備える、国が義務づける仕組みのことです。
大きく5つの種類に分かれます。
社会保険
- 医療保険
- 年金保険
- 介護保険
- 雇用保険
- 労災保険
5つの保険について読む前に、まず「保険とは何か?」を理解しておくとその後の理解度も変わってきますので、「保険とは何か?」について説明をします。
先にネタバレをすると、
社会保険は「国が義務づける『保険』」です。
そもそも保険とは何か?
保険とは、世の中に存在するリスクに対してみんなで備える仕組みのことです。
世の中には、いろいろなリスクがあります。
例えば、明日いきなり病気になるかもしれませんし、交通事故にあって大ケガをしてしまうかもしれません。
このようなリスクは「起こる確率の低いリスク」ではありますが、もし起こってしまったとしたら、入院費や医療費がものすごくかかってしまいます。
病気や交通事故はひとつの例ですが、他にも世の中には
- 失業
- 親の死
などの様々なリスクが存在します。
では、このような全ての「起こる確率の低いリスク」に対して、備えておくことはできるのか?
…というと、むずかしいのが現実です。
「起こる確率の低いリスク」に対して備えておくことのむずかしさは、例を考えてみるとイメージしやすいかと思います。例えば、
交通事故に遭う確率は低いけど、いつ交通事故に遭うか分からない。
→だから、事故にそなえて多額のお金を「常に」準備しておく
ということができるのか?…です。むずかしいですよね。
そこで、「保険」の登場です。
保険の仕組み
- 世の中のリスクに対して、みんなが少しずつ負担する(保険料というお金を支払う)ようにします。
- そして、「起こる確率の低いリスク」に実際にあたってしまった人に対して、みんなで貯めたお金をあげて、その人の負担を軽くします。
これが保険の仕組みです。
こうすることで、
少ない労力(費用)でリスクに対して備えることができて、安心して生活することができるようになります。
よく「社会保険と公的扶助のちがいは何?」という疑問を抱く人がいるの、あわせて説明をします。
社会保険と公的扶助のちがいは何?
社会保険も公的扶助も、どちらも社会保障制度の柱のうちの一つで、貧困をなくすことを目的としています。
が、
- 社会保険は、貧困にならないように備える予防的な制度(防貧制度)
- 公的扶助は、現に貧困になっている人を救済する事後的な制度(救貧制度)
- 国が義務づける社会保険(公的保険)
- 民間企業が運営する民間保険
の2種類に分けることができます。
この記事で解説している社会保険とは、世の中に存在するリスクに対してみんなで備える、国が義務づける仕組みのことです。
では、この後は社会保険の中の5つの保険について説明します。
社会保険は5つの種類に分けられる
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、社会保険のしっかりとした定義も書いておきます。
生活上の困窮や不安をもたらす疾病・老齢・障害・失業などに対して、一定の給付を行なう強制加入方式の公的保険制度のこと。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
そんな社会保険は5つの種類に分けられます。
- 医療保険 病気・ケガ・出産・死亡の際にお金を受け取れる
- 年金保険 老後の生活・死亡・障害の際にお金を受け取れる
- 介護保険 介護を必要とする人がお金を受け取れる
- 雇用保険 失業した際にお金を受け取れる
- 労災保険 就業中や通勤中の事故によるケガ・障害・死亡の際にお金を受け取れる
医療保険(健康保険)
医療保険は、病気・ケガ・出産・死亡などの際にお金を受け取れる仕組みです。
医療保険は国民皆保険制度のもとで日本国民全員が加入していて、大きく3つに分類されます。
- 健康保険:一般的な民間会社の従業員が加入
- 国民健康保険:自営業の人、農家の人、フリーターの人が加入
- 共済組合:公務員や私立学校教職員が加入
病院で保険証を見せると、医療費の自己負担割合が3割になります。
(あとの7割は、みんなから集めたお金や税金でまかなわれます)
修学旅行の最中にケガしてしまった場合に、保険証のコピーを見せると医療費の自己負担割合が3割になるということです。
子供は「扶養家族」として、保険料を支払うことなく、保護者(親)が加入している保険に加入することができます。
ちなみに、医療保険は、65歳からは「高齢者医療制度」と呼ばれるものに変わります。
- 65歳~74歳 前期高齢者医療制度
- 75歳~ 後期高齢者医療制度
くわしく説明すると、長くなるのでこの記事では省略します。
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、医療保険のしっかりとした定義も書いておきます。
被保険者またはその扶養者に疾病やけがなどが起こった場合、医療サービスやその他の給付を行なう社会保険のこと。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
言葉の確認
- 被保険者
= リスクが現実になった時にお金をもらったりできる人のこと(お金を出す組織を保険者と言います)。 - 扶養者
= 収入があって一家の生活を支えている人のこと。ほとんどの家族では、お父さんが扶養者ですね。 - 給付
= リスクが現実になった時にお金などを与えること。
年金保険
年金保険は、老後の生活・死亡・障害の際にお金を受け取れる仕組みです。
年金保険は国民皆年金のもとで20歳以上60歳未満の日本国民全員が加入していて、2階建て構造になっています。
- 1階部分(20歳以上60歳未満の日本国民全員が加入する)
= 国民年金 - 2階部分(会社員・公務員・私立学校教職員が加入する)
= 厚生年金
自営業の人、農家の人、フリーターの人など、国民年金のみに加入している人は、毎月、保険料を自分で納めます。
(なので、未納率が高いです!)
会社員・公務員・私立学校教職員など、厚生年金に加入している人は、毎月、保険料を会社などと折半で負担し、保険料は毎月の給料から天引きされます。
※平成27年(2015年)10月1日から、
公務員・私立学校教職員が加入していた「共済年金」は、一般的な民間会社の従業員が加入していた「厚生年金」に一本化されました。
(共済年金と厚生年金で不公平があったため)
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、年金保険のしっかりとした定義も書いておきます。
働けるうちに保険料を支払って、老後や障害または死亡した時に、給付金が支払われる社会保険のこと。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
言葉の確認
- 保険料(社会保険料)
= 社会保険給付の費用のために、加入者から集めるお金のこと。
介護保険
介護保険は、介護を必要とする人がお金を受け取れる仕組みです。
2000年から始まった制度です。
40歳以上になると加入義務が発生します。
保険料を払うと、介護が必要になった時に在宅サービス・施設サービスを1割負担で受けられます。
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、介護保険のしっかりとした定義も書いておきます。
40歳以上の全国民に加入を義務付けて保険料を徴収し、介護が必要になった時、保険から9割負担して在宅または施設サービスを受けられるなどを規定している。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
雇用保険
雇用保険は、失業した際にお金を受け取れる仕組みです。
会社員を対象とした保険です。
従業員を1人でも雇っている場合、その会社は雇用保険に加入しなければいけません。
ちなみに、法律で公務員は雇用保険の対象外となっていますので、公務員は雇用保険料を支払っていません。
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、雇用保険のしっかりとした定義も書いておきます。
失業者への失業給付、新たな失業を未然に防ぐための高年齢雇用継続給付、育児休業給付などがある。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
労災保険
労災保険は、就業中や通勤中の事故によるケガ・障害・死亡の際にお金を受け取れる仕組みです。
会社員を対象とした保険です。
従業員を1人でも雇っている場合、その会社は労災保険に加入しなければいけません。
ちなみに、法律で公務員は労災保険の対象外となっています。
一応、テスト勉強や受験勉強のためにこの記事を読んでくれている人向けに、労災保険のしっかりとした定義も書いておきます。
労働災害の補償のための保険制度のこと。
引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社
言葉の確認
- 労働災害
= 仕事が原因で起きる、病気やケガ・死亡のことです。通勤途中の事故も労働災害にふくまれます。 - 補償
= 損失をおぎなうこと。この場合は、労働災害によって生じる財産や健康上の損失をお金でおぎなうことを意味します。
社会保険とは何なのか?のまとめ
社会保険とは何なのか?
について説明しました。
「学校の授業で社会保険について習ったんだけど、意味不明だった」
「社会保険についてよく分からないまま大人になってしまった…」
「自分って社会保険に加入してるのかな…?」
「CMでやってる がん保険って社会保険?」
という疑問・悩みが解決しているとうれしいです。
以上、もちお(@softenisuke)でした。

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