(公民)

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】
汗をかいている男の子のイラスト
社会の勉強をしている人 「社会保障って何ですか?」

 

こういった疑問に答えます。

 

こんにちは。もちおです。

2019年6月、「老後2000万円」不足問題が話題になっていますね。

これ、社会保障制度と関係した出来事です。

でも、社会保障制度って実はよく分かっていなかったりしませんか。

っていう僕も分かっていなかったうちの1人です。

社会保障制度は中高生の公民(経済)の授業で勉強するんですけど、教師として教えていて思ったのは、社会保障の内容は、理解しづらい「つまずきポイント」だということ。

社会保障とは?
社会保障と社会保険のちがいは?
公的扶助とか公衆衛生とか、いろいろ言葉が出てきてよく分かんない!
こんな感じ。

そこで、本記事では

社会保障制度とは何なのか?

について説明をします。

東大卒の元教員という立場から、なるべく簡単に、中学生でもわかるように説明します!

テスト勉強や受験勉強している中高生も、「今さら聞けない…」って困っている大人の人も、いま話題の社会保障制度について、しっかりと理解しましょう!

社会保障とは

社会保障とは、

社会保障

個人で備えるのは難しいリスクに対して、国が中心になってみんなで備えようとする仕組み。

です。(ちなみに、英語では「social security」と言います。)

くわしく説明します!

日本の社会保障制度は4つの柱からなる

社会保障制度の4つの柱の説明の画像図でまとめると、社会保障っていうのはこんな感じです。リスクに備えるためのセーフティネットです。

セーフティネットって?
もちお
もちお
安全網(あんぜんもう)のことです。「最悪の事態から保護する仕組み」という意味です。もともとは、サーカスの綱渡りで落下したときでも安全を確保するために張られた網を意味していました。
「最悪の事態」って何?
もちお
もちお
「健康で文化的な最低限度の生活」以下の状態のことです。社会保障制度は、日本国憲法第25条をもとにしています。

第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。

2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

具体的にどんな生活が「健康で文化的な最低限度の生活」なのか、ってのも難しい問題ですが…。

 

日本の社会保障制度は4つの柱からなります。

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】
  • 社会保険(しゃかい ほけん)
  • 公的扶助(こうてき ふじょ)
  • 公衆衛生(こうしゅう えいせい)
  • 社会福祉(しゃかい ふくし)

もちお
もちお
社会保障についてまとめて考えるよりも、4つに分けて考える方が理解しやすいので、4つの柱をひとつひとつ見ていきましょう!

社会保険とは?

生活上の困窮や不安をもたらす疾病・老齢・障害・失業などに対して、一定の給付を行なう強制加入方式の公的保険制度のこと。

引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社

どういうこと?
もちお
もちお
世の中って、いろんなリスクがありますよね。例えば、明日、いきなり病気になるかもしれないし、交通事故にあってケガしてしまうかもしれない。
起こる確率は低そうだけど…
もちお
もちお
そうなんです。起こる確率は低い。でも、起こってしまったら、入院費・医療費がものすごくかかりますよね。

じゃあ、「起こってしまった」時に備えて、多額のお金を準備しておくことってできますか?起こる確率は低いんですよ。

できなくはないかもしれないけど、大変かも
もちお
もちお
はい。

そこで、「生活の中で起こりうるリスクに対して、みんなで少しずつ負担する(保険料を支払う)んです。

で、少ない確率にあたってしまった場合に、みんなで貯めた分からお金をもらって、その人の負担を軽くしよう。」って考えたんです。

これが、社会保険です。

社会保険の仕組みがないと、いざという時にお金が足りなくなって、ものすごく苦しい生活をしなきゃいけなくなるってことかあー。社会保険って例えば、どんなものがあるの?
もちお
もちお
社会保険の細かな内容については、また別の機会に説明しますね。

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】

公的扶助とは?

社会保障制度の一つで、生活困窮者に対して最低限の生活を国が保障するしくみのこと。生活保護ともいう。

引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社

生活保護って聞いたことある。
もちお
もちお
はい。先ほど日本国憲法の説明のところで、国民が「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を持っていること確認しましたね。

でも、実際には自分の力だけでは「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことができない場合もあります。いろんな理由で、生活が苦しくならざるをえない人もいるわけです。

でも、それって自己責任だから仕方ないんじゃないの?
もちお
もちお
そう考えないのが、日本なんです。日本国憲法には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と書かれています。

それに、生まれた環境とか「自分自身ではどうにもできない理由」によって生活が苦しくなる場合もあるので、簡単に「自己責任だから仕方ない」って言ってしまうのは、どうかなって思ってしまいます。

たしかに。で、そういう人たちを救おうとするのが、公的扶助ってことね。
もちお
もちお
はい。生活保護の申請が通れば、健康で文化的な最低限度の生活をするために不足している分のお金を国が支給することになります。

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】

公衆衛生とは?

疾病の予防、寿命の延長、肉体的および精神的能率の向上を目的として組織化された社会的しくみのこと。

引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社

これがよく分かんない。
もちお
もちお
難しくないですよ。「健康で文化的な最低限度の生活」をするうえで、例えば感染症のリスクがありますよね。でも、感染症のリスクに備えるために、水道の整備をしたり、食品の安全性をチェックしたり…っていうのを個人で行うのって大変ですよね。
っていうか無理です!
もちお
もちお
そこで、「そういうリスクにみんなで備えよう」と考えました。これが公衆衛生です。

具体的には、各地の保健所が、各地に設置されている保健所が、衛生思想の普及、栄養改善、住環境・飲食物の衛生、母性及び乳幼児の衛生、結核などの感染症予防などを行なっている。

引用:藤井剛(2012)『詳説 政治・経済研究』山川出版社(p.415)

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】

社会福祉とは?

児童・高齢者・心身障害者・母子家庭・寡婦など、生活不安をかかえている社会的弱者が自立し、能力を発揮できるように、国や地方公共団体などが行なう援助・育成などの社会福祉政策のこと。

引用:政治・経済教育研究会(2014)『政治・経済用語集(改訂版)』山川出版社

寡婦って?
もちお
もちお
寡婦(かふ)っていうのは、

  • ①夫が亡くなって、再婚しないでいる女性
  • ②夫と離婚し、再婚しないでいる女性

のことです。

この社会福祉も「健康で文化的な最低限度の生活」のためだよね?
もちお
もちお
はい。そうです。先ほどの公的扶助に似ています。

世の中には、ハンディキャップをもっていて、自分の力だけでは「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことができない人がいます。

例えば高齢者は体を動かすことができなくて、自分一人では生活できないかもしれません。障害を抱えている人は、支援がないと自立した生活ができない場合があります。

母子家庭って、シングルマザーのことだよね。一人で生活費を稼ぎながら子育てもするって大変だもんね…。

「児童」が入ってるのは?なにがハンディキャップなの?

もちお
もちお
まず「児童」の意味を説明します。児童福祉法では、「満18歳に満たないもの」を児童としています

児童は、自分一人で生計を立てて生活をしてくことが難しいですよね。ハンディキャップと言えます。

そんな児童は、基本的には親(保護者)のもとで生活することになります。その時に、児童が健全に育成されないとマズイですので、社会福祉の中に、児童福祉というものがあります。

児童手当のこと?
もちお
もちお
そうです。他にも、児童虐待が起きないようにしたり、児童虐待から保護したりするための児童相談所などがあります。

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】

社会保障の財源は?

社会保障の財源は、この図の通りです。

  • 社会保険:社会保険料+税金
  • 公的扶助:税金
  • 公衆衛生:税金
  • 社会福祉:税金

社会保障はいつからあったの?【社会保障の歴史】

1601年 エリザベス救貧法

が最初だとされています。これは、貧困者を国王が救済するものです。

もちお
もちお
これは日本の社会保障の4つの柱のうち、何だと思いますか?
えーと…公的扶助ですか?
もちお
もちお
はい。そうです。

19世紀(資本主義の初期)には、貧困は「その人のなまけ」や「その人のムダ遣い」などの自己責任であると考えられていました

しかし、資本主義の発達とともに、

  • 経済的不平等(豊かになる人と、貧しくなる人の差が激しい)
  • 失業
  • 労働災害(仕事中のケガ。鉱山事故が多い)

が増えて、「自己責任じゃなくて、社会全体で解決しなくてはいけないことなんじゃないのか!?」と、多くの人が考えるようになっていきました

そんななか、

1883年 ドイツのビスマルクが世界最初の社会保険制度を始めた

えっと…社会保険ってなんだっけ…。
もちお
もちお
「生活の中で起こりうるリスクに対して、みんなで少しずつ負担する(保険料を支払う)。で、少ない確率にあたってしまった場合に、みんなで貯めた分からお金をもらって、その人の負担を軽くしよう。」っていうものです。

ビスマルクの社会保険制度は、労働者限定の社会保険でしたが、当時は画期的でした(=新しくてすごかった)。

その後、イギリスやアメリカなどにも社会保障の考え方が広がることになります。

1942年、第二次世界大戦中にイギリスで「ベバリッジ報告」が発表される。

全国民を対象として、最低限度の生活を保障する社会保障制度です。

スローガンは「ゆりかごから墓場まで」です。

聞いたことある!

この発表をもとに、戦後、社会保障制度が実施されました。

 

日本の社会保障制度の歴史

日本の社会保障制度の歴史で、本当に重要なことを4つだけ書きます。

  • 日本国憲法に生存権(第25条)について書かれた
  • 1946年 生活保護法
  • 1958年 国民健康保険法(この法律をもとに1961年に国民皆保険が実現)
  • 1959年 国民年金法(この法律をもとに1961年に国民皆年金が実現) 

まとめ

社会保障制度を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【中学生も分かる】以上、「社会保障制度とは何なのか?」について説明をしました。

社会保障とは?
社会保障と社会保険のちがいは?
公的扶助とか公衆衛生とか、いろいろ言葉が出てきてよく分かんない!
という疑問は解消したでしょうか。

少子高齢化がもっともっと進む日本において、社会保障制度への理解は必須。

本記事では、概要だけを書きましたが、今後の記事で、もっと詳しく解説します。

 

おしまい!

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