
通知表の所見って、書くの大変ですよね。
学期末の成績処理で忙しい時期にクラス全員の所見を一気に書き上げる…ってなって消耗しがち。
また、生徒一人一人に心を込めて書こうとした結果、すごく時間がかかって消耗しがち。
「この生徒、あんまり目立たないんだよな…やばい書くことが思い浮かばない…毎日一緒に生活していたのに全然生徒のこと見れてなかったー(自己嫌悪)」ってなりがち。
こうならないようにしたい。
そこで、お役に立つかはわかりませんが、
通知表所見のおすすめの書き方
について、元教員の僕なりの考えを書きます。
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通知表の所見を過信しない方が良い

まずそもそも論ですが、通知表の所見の教育効果を過信しすぎない方が良いって思っています。っていうか、教員を何年か経験してこう思うようになりました。
通知表の所見の教育効果を過信しすぎない方が良いと思った理由は4つ。
①120字程度の文章では伝えたいことは伝わらないから
あんな短い文章で担任の思いなんてなかなか伝わらないです。
Twitterの1投稿と同じくらいの字数ですよ。思いを伝えるのはかなり厳しいです。
あの少ない字数の中に教員の思いを込めようと努力するくらいなら、生徒に口頭で直接伝えた方が良いと思います。
②うまく書けた!と思っても、誤読されたりマイナスに解釈されたりするから
少ない字数で思いを伝えようとすると、どうしても文章に無理が生じがち。
結局、所見の文章の管理職チェックで何度も修正を要求されて、「こんな時間がかかることになるとは…」ってなりがち。(経験談)
※管理職に書き換えられて、「これじゃ伝えたいことが伝わらないんだけどー!」ってなりがち。
管理職チェックを通ったとしても、文章の意味を保護者や生徒に誤解されて「そういうことが言いたかったんじゃないんだけどなー…」ってなることもあります。
③生徒と保護者が気になっているのは評定だから
っていうかそもそも、通知表の中で一番気になっているのは評定のはず。
もちろん「あの文章、本当にうれしかったです」って言ってくれる生徒・保護者もいるとは思いますが、そういう方々は少数派。
ほとんどの人にとっては、所見なんてどうでもよくて、評定の方が気になるもんです。
教員が思っているほどの教育効果はない、って思った方が良いんじゃないでしょうか。
④僕自身も、通知表の所見の内容を覚えていないから
評定は覚えているけど、所見の内容はまっっっったく覚えていません。
僕だけじゃないはず。
通知表の所見に時間をかけるな

「良い所見」を書けば教育効果が上がる!って過信しすぎて、時間をかけすぎないようにするべし。
凝るなよ!絶対に凝るなよ!!「良い所見を書こう」ってのは、教員のただの自己満足だぞ!!
って厳しいことを言っちゃったりしましたが、これが実際に所見を書いてみて僕が思ったこと。
「これは最高の所見が書けた!」と思っても、それはただの自己満足なんです。管理職チェックが入って、遠回しに「もっと無難な所見にしてください」って言われちゃうんです。
管理職はリスクを最小化するのが仕事の一つですから、変に誤解される可能性のある所見よりも、所見文例集に載っているような無難な所見の方が良いわけです。
「僕は所見を通して生徒に思いを伝えたいんです!」って、管理職とバトルをする時間がもったいない。
その時間を授業準備とか学年の仕事とかにあてた方がよっぽどプラスです。
所見は無難に、さらっとでOK。
初任の先生にとってはキツい一言かもしれませんが、これが現実だと思います。
、、、かといって、適当に書きすぎてクレームが来るのは避けたいですよね。
ということでここからは、僕なりの通知表所見のおすすめの書き方についてまとめます。
通知表所見のおすすめの書き方

毎日少しずつ書く
これが、学期末の成績処理で忙しい時期にクラス全員の所見を一気に書き上げるっていう苦行を避ける一番の方法。
学期末に一気にやるべきじゃないんです。
でも、「毎日少しずつ書くってのができてたらわざわざ「通知表 所見」って検索なんてしないんだよー!」ってのが本音だと思うので、僕がやっていた具体的な方法を紹介します。
付箋にメモをする
それは、生徒の言動で「お!」って思うことがあったら、付箋にメモをするという方法。
ノートにピタッと貼り付けられる付箋を常に持っておいて、生徒の言動で「お!これはいいぞ!」って思うことがあったらすぐにメモをするんです。
で、それをノートに貼り付ける。(生徒一人一人のページを作って、そこにどんどん貼っていく)
こうすれば、いざ所見を書こうと思った時に、具体的なエピソードがたくさんストックされている状態になりますので、「何を書こう…」って悩むことが少なくなるはずです。
所見に具体的なエピソードが入っていると、「先生、ちゃんと見てくれている!」という保護者の安心にもつながりますしね。
ちなみに、付箋にメモをするんじゃなくて、パソコンを携帯してその場で打ち込むのもありだと思います。
んで。
この方法の何が良いか?というと、「何かあったら付箋にメモしよう!」っていう意識でいることで、生徒をよく観察しようっていう姿勢になることなんです。
単に所見が早く書けるようになる、というだけでなく、他の面でも良い影響がもたらされるはずです。
あと、教員ってどうしても目に入ってくる生徒に偏りが出てしまうんですけど(ヤンチャな生徒とかはつい目に入ってきて、真面目で大人しい生徒はノーマークになりがちですが)、ノートに付箋を貼ることで、「この生徒、全然付箋が集まっていないな。」ってのに気づけます。
「所見に書くネタを日々、付箋に書き留める」という方法はかなりおすすめです。
※ピタッと貼り付けられる付箋じゃないと、ノートに貼った時に折れ曲がってぐしゃぐしゃになりがち。粘着面が広い付箋がおすすめです。
過去に管理職チェックを通った文章でパズルする
2年目以降で使えるワザです。
過去に書いた所見の文章を流用(使い回し)しちゃいます。
「あ、昔書いたこの文章、この生徒にも当てはまるな」っていうのがあるんですよね。そんな時にまたゼロから文章を考えるのは時間がもったいないので、過去に書いた文章を使っちゃいましょう。
すでに管理職チェックを通った文章なので、修正が入る可能性が少なく、時短につながりますし。
エクセルなどの語句検索できるファイルで作成する
過去に書いた文章を流用しやすくするために、語句検索(キーワード検索)できるファイルで作成するのがおすすめ。
例えば、「合唱コンクール」で検索すれば、合唱コンクールに関する所見文例集を一挙に見つけられる、っていうことです。
自分が過去に書いた文章をストックとして活用しやすくするために、検索できるファイルで作成するべし。
通知表所見の文例を知りたい人へ
最後に、通知表所見の文例が載っている本の紹介です。
ゼロから自分の頭で文章を考えるよりも、活用できるものは活用してササっと書いちゃう方が良いです。
理由は記事の前半で言った通りです。
通知表所見はなるべく短い時間で済ませて、浮いた時間でもっと大事な仕事をするべき。
教員におすすめの記事
教員の仕事効率化についてまとめた記事はこちら
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「過去の僕のようになってほしくない」という思いを込めて、元教員の僕の具体的なノウハウをまとめた電子書籍を出版しました。
<目次>
- はじめに
- 第1章 長時間労働の理由
- 第2章 生産性を意識する
- 第3章 教員の仕事との向き合い方
- 第4章 スケジュール管理・タスク管理
- 第5章 作業環境を整える
- 第6章 教室環境を整える
- 第7章 メンタルを整える
- おわりに
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