教師はやめとけ?元教員が教員のデメリットを考えた
「教師はやめとけ」って言われたことがある人も多いんじゃないでしょうか。
本記事では、元教員の僕が教員のデメリットについて話をしたいと思います!
※公立教員(公務員)の話
僕的に一番キツかった点は記事の最後に書きました
ぜひぜひ最後までお読みいただけるとうれしいです!
教員のデメリット①:忙しすぎる
まずよく言われる「忙しすぎる」っていう話について。
毎日、残業(時間外労働)はあたりまえ
教員は時間外労働がものすごく多いです。
1ヶ月あたりの時間外労働が80時間~100時間が「過労死ライン」らしいんですけど、
僕は教員時代つねに過労死ラインを超えていました
っていうかそもそも
7:00 | 生徒登校 |
---|---|
8:05 | 勤務時間開始 |
16:35 | 勤務時間終了 |
18:00 | 生徒下校 |
って感じのスケジュールなので、残業(時間外労働)が前提になっているんですよね。
あと4月の職員会議で「教員の休憩時間はここです」っていう紙を配られるんですけど、た「労働基準法にしたがっています」アピールっていうだけの無意味な紙です。
その紙通りに休憩している教員を1人も見たことがありません。
「いやいや残業が多いのなんて教員だけじゃないし。一般企業だって同じだし。」って思うかもしれませんが(そして確かにそうだとは思うんですが)、
教員の場合は残業代がほぼ出ないので、残業しても明確なメリットがないっていう点が違いますよね。
一般企業だと「喜んで残業をして残業代を稼ぐ」っていうこともあると思いますが、
教員の場合は残業代が出ないので完全にサービス残業って感じです
このあたりが、教員が「忙しすぎる!」ってSNSで叫びまくっている背景です。
いつ帰れるかわからない
さらに、教員はいつ帰れるかが分かりません。というのも、生徒指導などが突発的に起こるから。
生徒が何かトラブルを起こした場合、
- 生徒との面談
- 関係生徒との面談
- 保護者への連絡(面談・家庭訪問)
などが必要になることがあるんですよね。
何かが起きてその対応をしなければいけなくなったら退勤できなくなるので、夜に予定を入れにくい
プライベートの予定を組めない…!
学校によっては、あるクラスでトラブルが起きた場合、少なくともその学年の担任は全員、トラブルが終結するまで残ることもあります。
そのような場合、クラスの数だけ「いつ帰れるか分からない」というリスクが増えることに。
もちろん「いつ帰れるかわからない」ってのは一般企業でも同じだとは思いますが、
学校の場合、相手が子供なので予測不可能すぎるんですよね。
マジでクッッッソしょうもない謎なケンカが起きたりする
とはいえ、学校は子供が大人数で生活をしている場所だからトラブルが起きるのは当然。
教員だってそんなことわかっています。
なので、生徒がトラブルを起こしても別にムカついたりはしませんが、夜に予定がある時は「頼むから今日なにも起こらないでくれ」って祈る感じですw
僕は、学校の飲み会がある日に限って生徒指導(保護者対応)が起きました
「飲み会の費用は払うけど、飲み会には間に合わない」っていうのを何度も経験・・・
土日の休みがない
部活動があるので、土日の休みがないことがあります。
これ、僕は別に平気だったんですけど、
興味のない部活動の顧問につくことになって土日まるまる練習ってなっていたら、さすがに「きついわ」って思ったはず
ちなみに、部活動がなかったとしても土日の休みはないって思った方が良いかもしれません。
土日も、授業で話す内容を考えたりプリントを作ったり…っていう授業準備で忙しいんですよねー
授業準備の時間を勤務時間内には取れないし、平日は夜遅くに退勤するので退勤後にやるのもキツイので。
結局、土日に授業のストックをしないと追いつかないんです。
若い同僚も「土日に1週間の授業を準備しておく」って言っていましたし、
ベテランの先生も土日に授業プリントを作ったりしていました
だからたぶん僕だけじゃないはず。
こんな感じなので、「学校のことを一切考えない純粋な休み」はほぼないって思った方が良い感じです。
大変な保護者に絡まれると詰む
そして大変な保護者に絡まれるリスクがあります。
ただでさえ忙しくていっぱいいっぱいなのに、”大変な”保護者に絡まれるとなかなかこたえます。
保護者の気持ちは理解できます。
保護者だって忙しいしストレスを抱えているし不安だし心配だし子供のことを愛している。
だから保護者を適当にあしらったりは絶対しないし、誠意をもって接します。
でも、さすがにあまりにも暴走されると教員としてもシンドくなります。
で、世の中にはいろんな人がいます。
教員をやっていると必ず「自分が思ったことと自分の子供が言ったことが絶対で、聞く耳を持たず、全責任を学校に押し付けてくる」っていう保護者と出会うはずです。
そんな保護者に絡まれるようになると、いくら説明をしてもムダです。
心身を消耗することになって、かなりツライですー・・・
教員のデメリット②:成果がわからない
僕的にはこっちの方がキツかったです(特に一番最後)。
がんばっても給料は上がらない
教員の場合、がんばっても給料は上がりません。
まあ一般企業も同じようなものかもしれませんが、公務員の場合はもっと厳格です(昇給プランが明確に決まっているイメージ)。
ただ、逆に言うと「がんばらなくても給料が上がる」っていうことになるのでw、ここは一長一短かもしれません。
スキルが身につかない
学校の教員をやっていても、役に立つスキルは身につきません。
これは結構大きなデメリットかなと思います。
教員を辞めた後に僕が実感したのは
- 「自分って、稼ぐスキルが全然ないんだなあ」
- 「とりあえず働くだけでお金がもらえる公務員って楽だったなあ」
ってこと。
教員で身に付いたスキルって何なんだろう…って結構落ち込みました。
コスパ感覚を失う
コスパ感覚を失いやすいってのもあります。
例えば、資料の読み上げでほぼ終わる職員会議が普通に行われていることがあります。
コストがすごくかかっているんですよね。教員が40人参加する会議が2時間。仮に1時間分の時給を2,000円としたら、
2,000円 ×2 × 40 = 160,000円
ですよ。
しかも寝ている教員が結構います。。。「資料読んどいて」で良くない?っていう。
まあもしかするとこのあたりは一般企業の会議も同じかもしれないけど
こういうことが当たり前に行われているので、気をつけないと染まっちゃうというか感覚が鈍ります。
あと、「これ、やる意味あるの?」という活動が「去年もやっていたから」というような理由で継続されたりすることも。
ただ、そうなっちゃう理由もわからなくはないんですよね。(くわしくは次の見出しで)
モチベーション維持がむずかしい
教育の成果が見えにくいのでモチベーションの維持がむずかしいです!
学校教育って成果が見えにくいんですよ。
コスパでいう「パ」(パフォーマンス)=教育活動の結果生まれたのかどうか?っていうのが見えづらい。
例えば生徒の学力が上がったとしても、
- その子供が自宅学習をがんばったから
- 塾で教えてもらったから
かもしれませんよね。
教員自身の授業(教育活動)によって、学力が上がったかどうかは絶対にわからないんですよ。
道徳性の発達みたいに数値で測ることのできない成果も多いです。
こんな感じで学校教育の成果はとても見えにくい。
だから、コスパ感覚が失われるのもわからなくはないです。
ただ、いずれにせよ自分がやった仕事の成果が明確にわからないのは、想像以上につらくてモチベーションの低下につながりました。