
「ソフトテニスをやっても将来性がない」「ソフトテニスを続けるより硬式テニスをやった方がよくない?」
とか言われたりするんだけど、僕としては
ソフトテニスは本人が「楽しい」って思っていればそれでいいと思うし、ソフトテニスから学べることってたくさんあるよね
って思っています。
。。。
。。。。
っていう前置きをした上で、それでも最近思うのは、
子供はソフトテニスだけやって満足しちゃダメだし、保護者は子供にソフトテニスだけやらせて満足しちゃダメじゃない?
ってこと。
というのも、将来お金が稼げるようになるのか?食っていけるようになるのか?っていう観点で考えると、ソフトテニスが直接良い影響をもたらす可能性は低いからなんです。
この記事では、そのことについて整理しておきたいと思います。
目次
ソフトテニスをやっても将来にはつながりにくい
ソフトテニス経験者の実力
まず、ソフトテニスの実力・実績について考えてみます。
すごーく単純化して考えると、ソフトテニス経験者の実力・実績はピラミッド型になっていると考えられます。

ピラミッドの頂点から底辺に向かって、
日本代表レベル
全国上位レベル
全国レベル
ブロックレベル
都道府県レベル
地区予選レベル
と、だんだんと人数が増えていくという形。ソフトテニスに限らず、どのスポーツもこんな感じの分布になっているはずです。
ソフトテニスに投下した時間
今度はこの図に、「ソフトテニスに投下した時間(どれだけソフトテニスの練習をしたか?)」を対応させてみます。
ざっくり考えてみると、ソフトテニスに投下した時間は逆ピラミッドの形になっていると思います。

ソフトテニスの実力が高いほどソフトテニスに投下した時間は多く、ソフトテニスの実力が低いほどソフトテニスに投下した時間は少ない、という関係っていうこと。
んが。実際には、、、
きれいな逆ピラミッドの形ではなく、ブロックレベルと県大会レベルの境目で形が変化している逆ピラミッドの形なのではないでしょうか。

つまり、
日本代表レベル
全国上位レベル
全国レベル
ブロックレベル
の人達は、県大会レベル・地区予選レベルの人達とは段違いの練習量を積んでいるけど、日本代表〜ブロックレベルの人達の間には練習量にそこまでの差はない(このレベルの人達はみんな”むちゃくちゃ”練習している)ということ。
実際に調査したわけじゃないので間違っているかもしれませんが、感覚的には合っている気がします。
ソフトテニス経験者が将来やるお仕事
そして、ソフトテニス経験者が将来やるお仕事について考えてみます。
プロ | ソフトテニスのプレーを通して生計を立てる |
---|---|
実業団がある企業の会社員 | 企業の仕事をして、それが終わってからソフトテニスの練習をする ※公務員の場合もある |
メーカーの会社員・モデル | 商品開発・営業・モデル活動をして収入を得る |
一般企業の会社員 | いわゆる普通の就職 |
教員 | ソフトテニス部の顧問になる |
公務員 | いわゆる普通の公務員就職 |
自営業 | 自分で何かの事業を起こす |
ソフトテニススクール | 経営者・指導者として生計を立てる |
ソフトテニスショップ | ソフトテニスなどの商品を売る |
雑な分類ですが、だいたいこんな感じだと思います。
実力・練習量・お仕事の関係
先ほどのピラミッドの図に、お仕事を対応させてみます。おそらく、傾向としてはこんな感じになっているのではないでしょうか。

- 日本代表レベル・全国上位レベル → プロ、実業団、メーカーなど
- 全国レベル・ブロックレベル → 一般企業の会社員、教員、公務員
- 県大会レベル・地区予選レベル → 一般企業の会社員、教員、公務員
※自営業(ソフトテニススクール、ソフトテニスショップを含む)はどのレベルでも可能
つまり、プロはもちろんですが、実業団がある企業やメーカーから声がかかって入社できるのも、本当に一握りの限られた人だけっていうこと。
“ソフトテニスで就職”できる(お仕事が得られる)人って、ほんとーーーーーに少ないんです。(たぶん)
ソフトテニスだけやってればOK!じゃない
こうやって整理して考えてみると、「”ソフトテニス一色の学生生活”なんて、青春だね!すばらしい!」とは言えません。口が裂けても言えません。
というのも。
①全国レベル・ブロックレベルの人達ですら、”ソフトテニスで就職”できるわけじゃないっぽいから。

彼らはほぼ毎日練習をして、それこそ日本代表レベル・全国上位レベルと同じくらいの時間をソフトテニスに注いでいるはずなのに、です。
もちろん、ソフトテニスの実績をもとにして推薦で高校入学を決めたり大学入学を決めたり…ってことはあると思いますし、就職の時にソフトテニスの実績がプラス評価につながることはあるとは思います。
実際、大学の体育会(部活)でソフトテニスをやっていると、それが就活の時にプラスになることが多いのは確かだと思います。
が、「全国レベル・ブロックレベルだから、うちの会社に来て」っていうことは(ほぼ)ないはずです。
同じ時間を投下するなら、勉強(→学歴が手に入る)など、もっとコスパが良いものがあります。
それに、
②ソフトテニスのスキルが直接お金につながるお仕事が、そもそもそんなに多くないから。
長い人は小学生から大学生までソフトテニス漬けの生活を送るわけですが、その約15年間で磨いたソフトテニスのスキルによって食べていけるわけではないんです。
食べていくためには(お金を稼ぐためには)、ソフトテニスとは関係のない業務をゼロから覚えて、働く必要がある。15年間頑張ってきたソフトテニスは、仕事と何の関係もない..っていうのが普通なんです。一般企業はもちろん実業団がある企業に入社した場合でも、これは同じです。(NTTとか東京ガスとかの業務ってソフトテニスとは無関係ですよね)
もちろん、ソフトテニスの知識・技術・経験が仕事に活かされることもあるとは思います。ソフトテニスメーカーに就職をしたり、スクールや学校で指導者をしたり、ソフトテニスショップの店員になったりする場合などです。
が、だとしても、おそらく超高度な知識・技術・経験は必要なくて、”そこそこの知識・技術・経験”があれば務まるはずです。
本当に高度な知識・技術・経験がダイレクトにお金に結びつくのは、たぶんプロだけ。超狭き門です。
しかも、悲しいことにソフトテニスのプロになってもたぶんそんなに稼げません。プロ野球選手みたいに何億とかは稼げないはずです。
ソフトテニスってそういうスポーツなんです。
こうやって考えてみると、
”ソフトテニス一色の学生生活”に対して、「すばらしい!」とは口が裂けても言えないし、
ソフトテニス一色になっている子供に対して、「それでいいんだよ!頑張ろう!」とは言えない。
もちろん、”ソフトテニスで就職する”(プロになったり実業団選手になったりメーカーに就職したりする)ために”ソフトテニス一色の学生生活”を送っている人もいるでしょう。
でもね。
だからと言って”ソフトテニス一色の学生生活”を送るのはいくらなんでもギャンブルすぎます。プロや実業団選手になれるのって、本当に一握りしかいないからです。もし”ソフトテニスで就職する”ことに失敗したらどうするんですか?
「そんなことわかってるよ!ソフトテニスで就職するつもりなんてないし。ソフトテニスが楽しいから、熱中しているだけだよ!学生の間しか熱中できないんだから別にいいでしょ!」って言う人もいるでしょう。
このことを否定するつもりはありません。やりたいことをやればいいと思います。むしろ僕自身、大学生活をソフトテニスに捧げたと言ってもいいくらい、ソフトテニスに熱中していた側の人間です。
でもね。
“ソフトテニス一色の学生生活”によって手に入るものは、残酷なまでに少ないです。
僕自身は”ソフトテニス一色の学生生活”によってたくさんのものを手に入れたと思っていますが、それは僕視点の捉え方にすぎなくて、現実問題、社会にとって必要とされる(価値がある)ものはほとんど手に入りません。「●●大会で入賞」という実績や「自分はソフトテニスを頑張った!」っていう自信・自負は、そのままじゃ社会にとって無価値なんです。残酷だけど。

子供はソフトテニスだけやって満足しちゃダメだし、保護者は子供にソフトテニスだけやらせて満足しちゃダメなんです。
「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」っていう言葉がありますが、「テニスコートから離れればただの人だ」になっちゃいかんと思うのです。
ソフトテニスがうまくてテニスコートではあんなに輝いていた選手が、社会人になったら……..っていうの、寂しすぎますよね。
んで。
このあたりで勘違いされそうなのでちゃんと言いますが、
「ソフトテニスはお金が稼げないからやめろ」ってことじゃない
です。
ソフトテニスは楽しいし、最初の前置きで言ったように、ソフトテニスから学べることはたくさんあると思っています。
「ソフトテニスはお金が稼げないからやめろ」「ほとんどの人はソフトテニスとは無関係な職につくんだから、そんなに頑張るべきじゃない」ってことが言いたいわけじゃありません。
僕が言いたいのは、
- やっている本人は「ソフトテニスは将来につながりにくい」ということを理解するべきだし、
- 大人は子供にソフトテニスを頑張らせようと思うんだったら、「ソフトテニスは将来につながりにくいスポーツだ」ということを教えなきゃいけない
ってこと。
特に大人。
大人がそれを教えず、「子供が勝ったらうれしいから」「一緒に一喜一憂したいから」「”私が”子供の追っかけをしたいから」っていう理由で自分の子供を無理やり頑張らせるのは無責任です。
もちろん、子育てなんて未成年のうちは親の好きにすればいいと思うし、その家庭の問題なので外野がとやかく言うものじゃないんですけどね。
でもね。
ソフトテニスだけ頑張ってればOK!じゃないんです。「ソフトテニスを頑張れば、将来に何かしら活きるはず!」っていう漠然とした考えで”ソフトテニス一色の学生生活”を送るのはギャンブルすぎるんです。そこそこ結果を出している選手(の保護者)・指導者ほど、このことを自覚しないといけません。
僕は、「ソフトテニスをやらなきゃよかった…」って後悔する人を減らしたい。
じゃあ結局どうすれば良いの?
たぶん3択。
- ソフトテニスを趣味だと割り切って”そこそこ”にとどめて、他のことに注力する
- やるからには真剣に取り組む。でも、量でゴリ押しして時間を浪費するのではなく、ポイントをしぼって効率的に練習する。そうすることで、他のことを学ぶ時間を生み出す。
- ソフトテニスをやりつつ、社会で役立つことを学ぶ(「どうやったらこれがお金に変わるのか?=どうやったら自分のソフトテニスの活動で価値を提供できるのか?価値を感じてもらえるのか?」を考える 等)
僕が大事だと思っているのは②と③。
くわしくは、またいずれ書きます。
じゃ、またね。
「もちおスクール 〜もちおのソフトテニスブログ〜」をご愛読いただき、ありがとうございます。
僕は「もちお」というペンネームでブログやツイッター、YouTubeなどを通してソフトテニスについて発信をしています。
僕(もちお)のソフトテニスの経歴
ショボいのですが、親近感を持っていただけるとうれしいですw
【中学】
テニスの王子様と母親に影響されて地元の公立中学校のソフトテニス部に入部(前衛に)
→顧問の先生(実績あり)が怖すぎてツラくなる
→でもがんばる
→市内大会で入賞
→県大会出場(→一瞬で負けるw)
【高校】
公立高校のソフトテニス部に入部
→実績のある顧問の先生のもとで、下手なりにがんばる
→高校2年春、県大会出場(→一瞬で負けるw)
→高校2年秋、県大会出場(→一瞬で負けるw)
→高校3年春、県大会出場(→一瞬で負けるw)
【大学】
体育会のソフトテニス部に入部
→全国優勝経験のあるコーチのもとで、下手なりにがんばる(幸せだった)
→大学2年時、前衛不足からレギュラーに(→関東リーグの3部でボコボコにされる)
→大学3年時、レギュラーと非レギュラーを行ったり来たりする
→自主練がんばる
→インカレに全てを注ぐ(→レギュラーになれなかったけど、充実)
→大学4年時、最後の大会で団体の5本目を任される(→緊張)
【指導者に】
母校で外部コーチをする
→実績のない教え子が優勝して感動
→教え子が成長して感動
→教え子が関東大会に出場して感動
→中学校教師になり、ソフトテニス部の顧問になる
→ジュニアなしのチームで1年生大会優勝
→その後、ジュニアなしのチームで各種の大会で入賞
→退職
→ブログ・YouTube活動本格化
こんな感じで、他のソフトテニスYouTuberの方々のような実績は全くありません。
でも、だからこそ【初心者〜県大会レベル】に役立つ情報を発信できる!と信じて、色々投稿していきます!
初心者指導についての本

2021年4月に初心者指導についての本を出版しました(画像をクリックするとAmazonの詳細ページに移動します)。
Kindle Unlimitedでお読みいただけます。書籍単体で買っていただけたらすごくうれしいですが、アマゾンの電子書籍サブスクサービスであるKindle Unlimitedを(1ヶ月でも)ご利用いただく方がお得だと思います。
↓
ソフトテニス競技者育成”裏”プログラム(裏Step)

2020年3月に立ち上げた「ソフトテニス競技者育成”裏”プログラム」というコミュニティは、
「全国大会に行ったことがない選手でも全国大会に行ける、そんな指導ができるようになりたい」と思っている僕が、ソフトテニスについて勉強・研究・試行錯誤した記録
をメルマガのような形で投稿している場所です。
ソフトテニス競技者(我が子・生徒・教え子)の成長を願っている大人の方々や、ソフトテニスを頑張ろうと思っている競技者の方々に、このコミュニティに参加していただけるとうれしいですし、支援していただけるととっても助かります。お願いします。
参加・支援していただいた方に対して、以下のリターンを設定しています。

特典 「僕の指導ノウハウを提供」
- ソフトテニスの技術や戦術に関する考察
- 他チームの指導者に教えていただいた練習メニュー、指導法、考え方
- 「こうやったらうまくいった」「これは失敗だった」という学び
- 現在指導している選手たちの指導記録(成長過程)
などをほぼ毎日投稿・配信します。
※実際に配信した記事の中から一般公開した記事を、こちらでまとめています。

特典 「指導法の勉強」
メンバー限定のグループチャットで、メンバーの皆様や僕に直接質問することができます(匿名OK)。全国各地のメンバーの皆様が持っているノウハウが得られます。
※イメージ動画
特典 「個別指導」
メンバー限定のグループチャットで、プレー動画や試合動画をアップロードして質問をすることもできます(匿名OK)。
自分・教え子・息子・娘のプレーを実際に見てもらった上で、アドバイスをもらったり自分に合った練習メニューを提案してもらったりすることができます。
※今後、人数・依頼が増えて個別指導の対応が難しくなった場合は、追加料金をいただくことになるかもしれません。

特典 「練習会・大会への参加」
全国各地で練習会を開催したいと思っています(開催は未定で、現段階では願望レベルですが)。メンバー(+メンバーの教え子)は、その練習会に参加することができます(参加自由)。
メンバー同士でやり取りをして、練習試合を設定したり合同で大会に参加したりすることも可能です。メンバー限定のグループチャットをご活用ください。
参加の方法(コース)は2つです。
【通常のコース】(月額800円)
リターン
- 僕の指導ノウハウを提供
- 指導法の勉強
- 個別指導
- 練習会・大会への参加
※「学生割引き」、「友達紹介・同時入会割引き」あり
【グループチャットに参加しないコース】(月額590円)
リターン
- 僕の指導ノウハウを提供
- 練習会・大会への参加
よろしくお願いします。