教員の仕事
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僕が教員を辞めた理由と一般的な教員の退職理由について

望岡 慶(モチオカ)
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最近、若者の教員志望者が減少して教員採用試験の倍率が低下していることが話題になっています。

教員の厳しい労働環境のことが知れ渡るようになってきていて、「教員離れ」が注目されているということだと思います。

その「教員離れ」ですが、単に教員志望者が減少するだけでなく現役教員が途中退職するというケースもあります。

教員は公務員で待遇も悪くはないので、退職するのには大きな理由があるはず。その退職理由について気になる人も多いのではないでしょうか。

そこで、本記事では

  • 教員が退職する一般的な理由
  • 僕が退職を考えた理由

について書きます!

モチオカ ケイ
モチオカ ケイ
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元社会科教員・元ソフトテニス部顧問のモチオカ ケイ(望岡 慶)です!

公立中→公立高→浪人→東大→東大院→外部コーチ中に高校生の成長に感動して教員を志望→中学教員→退職→ブロガー

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教師が退職する一般的な理由

長時間労働

給料に反映されない長時間労働が、一つ目の理由です。これは昨今、非常に話題になっている件です。

1人あたりの仕事量が多く、勤務時間内に終わる量とは言えない・・・ってのが現状。

1日あたり3~5コマほど授業があって、その授業の内容や進め方について考えなければいけません。

が、一方で、保護者や地域の方々からの要望や、文部科学省・教育委員会などからの命令によって、「そこまで教員がやるの?」という業務も増え、教師の業務は肥大化しています。学校の「コンビニ化」と言われる現象です。

その結果、仕事量が勤務時間内に終わる範囲の量とは言えなくなってきています。

なのに、残業代は出ない…。

このような状況に嫌気がさして退職する、というのが理由の一つ目です。

関連:【改正】給特法とは?元教員がわかりやすく解説【残業代は月給の4%】

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保護者のクレーム

保護者のクレームに耐えられなくなる、というのが二つ目の理由です。

保護者の中には、はっきり言って理不尽な要求・クレームをしてくる方もいます。いわゆるモンスターペアレンツ。

自分の子供のことを大切に思う気持ちは分かりますが、それでも納得できないクレームがあるのが現実です。

モチオカ
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たいていのクレームの背景には、何かしら教員側の非(や配慮不足)もあることが多いので、申し訳ない気持ちやもっと頑張ろうという気持ちが生まれるのですが…

保護者からのクレームで心身を消耗してしまって、辞めたくなる、というのが理由の二つ目です。

職員室の人間関係

職員室の人間関係が悪くてストレスがたまって辞める、というのが三つ目の理由です。

職員室の先生方には派閥があって、「冷戦」とも言えるような対立が生じている学校もあるようです。また、管理職や上司からのねちねちとした「いじめ」のようなことがある職場も・・・。

モチオカ
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「いじめをするな」って子供達に教えている先生方がいじめをしてしまうこともあるって、笑っちゃいますよね。

このような人間関係に耐えられない、というのが三つ目の理由です。

ストレスによる精神疾患

上記の様々なストレスにより精神疾患にかかってしまって退職する、というのが四つ目の理由です。

この場合は、休職してから退職するケースが多いようです。精神疾患にはうつ病や適応障害などがあります。

セクハラや体罰、飲酒運転などによる懲戒処分

なかには、自分の意思ではなく退職せざるをえないケースもあります。

本記事では説明は省略します。

僕が退職を考えた理由

ここからは「一般的な理由」以外の、僕自身の理由を書きます。

結論を一言で言うと、「教員が嫌になったから」です。

こうやって書くと「もともと教育への熱がなかったんじゃない?」と思われそうなのですが…教育への熱はあったと自分では思っています。土日も部活に捧げて、空いている時間は授業について考えたりして、ほぼ「遊びの時間」がない状態で頑張って仕事をしていました。

教員が嫌になった理由は4つ

目の前の子供だけでなく、たくさんの子供に届けたい

今、自分の目の前にいる子供の成長だけでなく、たくさんの子供の成長に携われないのかな…と考えました。

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とはいえ、目の前の子供の成長に貢献できている実感がわかない

いまいち自分の中で子供の成長に貢献できている実感がわかなかったです。

「目の前の子供を成長させることに醍醐味があるんだ。一人一人の先生ができることは小さいかもしれないけど、そうやって全国の先生が頑張ることで、未来の日本の社会が作り出されるんだ。だから、目の前の子供に対して精一杯頑張ろう」って思ったりもしましたが、いまいち実感がわかなかった。

これは僕の力不足もあると思いますが…とはいえ、学校の教員ができることにも限界がありますよね。

家庭での保護者の影響力が、良くも悪くも大きいというか。

子供と向き合おうと思っても、途中で保護者が出てきて「子供の成長」以外の部分を優先させようとしてきたり。

保護者自身が「子供からのポイント」を獲得するために暴走する例が結構ある。気持ちはわかるし思春期で難しい時期だからそうしたくなるのも理解できるけど

あと、相手にする子供の数も多いので、どうしても面倒見きれない生徒が出てしまいます(いわゆる「手のかからない生徒」は、どうしても放置してしまいがち)。

子供を成長させられていないなって思ってしまうことが多かったです。

「何年後かに花開くはず。今はその種を植えているんだ。」って思っても、いろんなことがあって、何度も心が折れそうになりました。

かといって、子供の成長のためにいろいろと考えて策を練る時間もない

「じゃあ一人一人の子供の成長のためにいろいろ改善しよう!」って思っても、そのための時間がなかなか作れないんですよね。

空き時間は会議やら事務処理作業やら廊下の見回りやらで。放課後も急な生徒指導が入ったりして、時間がとれないことも多いです。

モチオカ
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よくPDCAサイクルを回すって話を聞くんですが、本気で回そうと思ったら寝る時間も削らなきゃいけないな、って感じ。

「じゃあ無理やり時間を作るしかない!」と思って、朝4時に起きて5時に学校に行って仕事をしたりもしましたが、何年も続けていくのはやっぱりきつかったです。

で、ただ淡々と目の前の業務を「こなす」うちに、「教員をやる意味あるのかな」って疑問に思い始めました

まとめ

こんな感じで、教員が嫌になってしまいました。

「将来を担う子供たちを育てる、社会貢献性の高い職業」っていうけど、限界があるなと思って嫌になってしまいました。教育について真剣に考えれば考えるほど、現場で働くのがつらくなりました。

子供と話をするのは楽しかったし、子供がちょっと成長した姿を見た時はうれしかったですが、それ以外の部分が大きすぎて退職を考えました。

このあとに考えたことについては、別記事に書きます。

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