高校地理のおすすめ参考書・問題集を東大卒元社会科教員が紹介
文系のほとんどの高校生・大学受験生は世界史か日本史を選択するので、地歴の中でマイナー科目となってしまっている地理。
地理をまともに勉強する高校生・大学受験生は、地歴が2科目必要な東大受験生か、よっぽどの変わり者のはず。
そんなマイナー科目であるがゆえに、高校地理に関する情報は充実している…とは言い難いんですよね。
ということで、高校地理におすすめの参考書・問題集について説明します!
理系の人で地理を選択した人にとっても役立つ情報を目指します!
※中学地理の参考書・問題集についてはこちら
高校地理の参考書リスト
【良い】『村瀬のゼロからわかる地理B』
値段 | 約1,700円(系統地理編) 約1,700円(地誌編) |
---|---|
著者 | 村瀬哲史 |
出版社 | 学研プラス |
出版年 | 2018年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★★ |
迷ったら、とりあえずこれを選べばOKだと思います。
共通テスト対策・二次試験対策のベースとなる知識・考え方を解説してくれている良書。
「学校の定期テスト対策をしたい」「センター試験の地理対策をしたい」「私大・国公立の地理対策をしたい」という全ての思いに応えてくれます。
ってかこの参考書も正直微妙な部分は多々あるんですけど、これ以上にいいやつが存在しない
「なんでそうなるのか」の説明が丁寧で、良い意味で親切すぎる参考書です。
「階段をひとつずつのぼるように」説明してくれる感じ。
イラスト・図・表もわかりやすい。
僕が高校生だった頃は出版されていなかった本なので、受験生の時に使ったわけではないのですが、、、社会科教員になってから授業を作る時の参考にさせてもらいました!
関連:『村瀬のゼロからわかる地理B』を東大卒の元社会科教員がレビュー
【最高 ※絶版】『権田地理B講義の実況中継』
値段 | (上)約1,100円 (下)約1,100円 |
---|---|
著者 | 権田雅幸、佐藤裕治 |
出版社 | 語学春秋社 |
出版年 | 1997年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★☆ |
古い本なのですが、地理の考え方を学ぶことができる超おすすめの参考書です。
高校地理で必要な知識を網羅的に解説している参考書ではなく、高校地理で必要な考え方のエッセンスを解説している参考書って感じ。
僕はこの本に「地理は暗記じゃないぞ」ってことを教えてもらいました。
著者の権田さんが亡くなられたこともあって、もうほぼ絶版になりかけているっぽいので、在庫があるうちに早めに入手しておくことをおすすめします。
【良い】『地図と地名による地理攻略』
値段 | 約1,700円 |
---|---|
著者 | 権田雅幸 |
出版社 | 河合出版 |
出版年 | 2007年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★★ |
さきほど紹介した権田さんの地図帳です。
普通の地図帳だと、小さな都市や川の名前まで書いてあってごちゃごちゃしすぎていますが、
『地図と地名による地理攻略』は「必要な情報」だけ書かれているので、すっきりしていて勉強しやすいです。
あと、普通の地図帳とはちがって解説付きの地図帳です。
いろんなことと結びつけながら地形や都市について理解できるので、暗記しやすくなります。外国に関する教養も深まる。
僕も受験生時代に愛用していました!これは超おすすめ!
ただし、2007年出版ですでにかなり古くなっているのが難点・・・
関連:『地図と地名による地理攻略』レビュー:丸暗記から解放し教養を深める地図帳
【謎】『地理総合、地理探究の点数が面白いほどとれる本』
値段 | 約2,800円 |
---|---|
著者 | 瀬川聡 |
出版社 | KADOKAWA |
出版年 | 2024年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★☆☆ |
よく本屋で見るやつ。
すみません、正直に言ってこの参考書は使ったことが全くないのでなんとも言えません。
共通テスト対策だけをサクッとしたいなら、この参考書が無難だと思います。
【必須】『データブック オブ・ザ・ワールド』
値段 | 約800円 |
---|---|
著者 | 二宮書店編集部 |
出版社 | 二宮書店 |
出版年 | 毎年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★★ |
高校地理を勉強する人にとって必需品。
地理を勉強するうえでデータを参照するのは必須なので、持っておかなきゃダメです。
地理をマジメに勉強していると「○○のランキングってどんな感じなんだろ?」って思うことがわりとあるんですよね。
って言っても、ぶっちゃけそんなに頻繁に見るわけではないんですけど・・・。ただ、なかったらなかったでなんだかんだ不便です!持っておくべし!
【不要】『自然のしくみがわかる地理学入門』
値段 | 約1,000円 |
---|---|
著者 | 水野一晴 |
出版社 | KADOKAWA |
出版年 | 2021年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★☆☆ |
高校地理の参考書っていうよりは一般向けの本なのですが、「地理って面白いなあ」って思うきっかけになる本だと思ったので紹介します。
僕が社会科教員になってから授業を作る時の参考にさせてもらっていました!
「地理ってつまんない」って思っている人におすすめ。受験勉強には不要です。
【不要】『人間の営みがわかる地理学入門』
値段 | 約1,000円 |
---|---|
著者 | 水野一晴 |
出版社 | KADOKAWA |
出版年 | 2022年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★☆☆ |
ひとつ前で紹介した本の「人間の営み」バージョン。結構面白い。
受験勉強には不要です。
【良い】『新詳 資料地理の研究』
値段 | 約1,000円 |
---|---|
著者 | 帝国書院編集部 |
出版社 | 帝国書院 |
出版年 | 2021年 |
もちおのおすすめ度 | ★★☆☆☆ |
「これ以上くわしい高校地理の参考書はない!」って感じの本。
ものすごく詳しく書かれていて良い参考書ではあるけれど、普通の受験生にはtoo muchな本。
地理受験生は「持っていて損をする」ことはないと思いますが、かといって「必須ではない」…という感じ。
東大受験生はよく持っています。ただ、ぶっちゃけ持ってなくても合格点には到達できます。
教員採用試験に向けて改めて「受験勉強」をした時に、いろんな地理の参考書を探したけど、これほどくわしい解説が載っている地理の参考書を他に見つけることができませんでした。
そういう意味で、最高水準の地理の参考書であることは間違いありません。
「問題演習をしながら、くわしく知りたい部分を調べるために辞書的に使う」のがおすすめ。
関連:地理参考書の最高峰『地理の研究』を社会科の元教員がレビューする
高校地理の問題集リスト
【良い】『共通テスト総合問題集 地理総合,地理探究』
値段 | 約1,500円 |
---|---|
著者 | 河合塾地理科 |
出版社 | 河合出版 |
出版年 | 2024年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★☆ |
1冊で地理の全範囲をカバーするように構成されているので、知識をまんべんなく身につけることができる問題集。
地理の問題集は、共通テスト用の問題集で十分だと思います。
解説をよく読めば、論述のネタも吸収できます。
大学受験生の時にいろんな予備校が出版している問題集をやったのですが、河合塾が出版しているセンター試験用の問題集(今は共通テストだけど)が質が高い印象でした。
おすすめ!
【良い】『実力をつける地理100題』
値段 | 約1,400円 |
---|---|
著者 | Z会出版編集部 |
出版社 | Z会 |
出版年 | 2010年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★☆ |
網羅的に地理の基礎知識を確認することができる問題集。
構成はこんな感じ。
- 系統地理が50題(各項目5題ずつ)
- 地誌が40題(各地域5題ずつ)
- 実際の入試問題が10題(うち5題が論述問題)
「高校地理でしっかりとした実力をつけたいならこの問題集かなあ」といった感じ。
「まあ確かに難しい問題もあるけど、細かすぎる知識が問われることはほぼない」って感じなので、地理対策をガッツリするなら必携の問題集と言えるかもです。
関連:『Z会 実力をつける地理100題』レビュー:最高の地理問題集?【東大もOK】
【微妙】『地理B一問一答【完全版】』
値段 | 約1,300円 |
---|---|
著者 | 山岡信幸 |
出版社 | ナガセ |
出版年 | 2024年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★☆☆ |
地理の一問一答問題集の定番。
地理の勉強に一問一答問題集は必要ないと思っているので、買わなくていいと思います。
ただ、どうしても一問一答の問題集がほしかったらこれを買っておけばOK。(結構売れているみたいなので)
【微妙】『東大地理問題演習』
値段 | 約2,200円 |
---|---|
著者 | 高橋和明 |
出版社 | ナガセ |
出版年 | 2010年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★☆☆ |
東大地理の論述対策をしたかった必需品!って感じの本。
※二次試験で地理を使うわけではない人にとっては必要のない本
解説は超充実していますけど、親切ではないので要注意です。
大学受験生の時にこの著者の授業を受けた経験があって、この問題集の元になっているだろうテキストをやり込んだ経験があるのですが、実際むちゃくちゃ力がつきました(入試本番で45点/60点満点を取った)。
2010年以降、新しいバージョンが発売されていないのがとても残念です・・・!