合唱コンクールで良い合唱をする(優勝する)コツ【考え方編】
合唱コンクールについての僕の考えを書きました!
元教員のモチオカです。
本記事や他の記事で紹介した考え方で合唱コンクールに取り組んだ結果、全ての年で優秀賞(学年でトップ、3年の担任の時は学校トップ=最優秀賞)をいただくことができました。
本記事で紹介する考え方(コツ)はわりと再現性が高いと思いますので、何か一つでもみなさんの役に立てばうれしいです!
合唱コンクールあるある
男子「合唱コンクールとかマジめんどい」
女子「男子ちゃんと歌って!」
男子「…www。」(歌わない)
これ、合唱コンクールあるあるですよね。
クラスメイトが全員、この動画の出だしの男子みたいに歌ってくれればいいですけど、、、そんなことはないですよね。
他にも、こんなこともあると思います↓
- 歌い始めても、ものすごい小さな声でしか歌わない
- 「ここから歌うよ」って指示されても、「周りの人ちゃんと出すかな?」ってうかがって出だしの声を出さない
- 声を伸ばす部分で伸ばしきらない
合唱コンクールは4月から始まっている
合唱コンクールは、そのクラスの生徒たちの関係性がモロに出るんですよね。
お互いに牽制しあった状態だとなかなか歌わないし、お互いのことを尊重できていると結構歌う。
っていう意味で、クラスが「自分のことを表現しやすい安心感のある集団」になっていれば、合唱コンクールはうまくいく可能性が高いと思っています。
つまり、合唱コンクールは4月から始まっているということ(←大袈裟な言い方だけど)。
さっき書いた「あるある」は、クラスの人間関係が十分に構築されていないから起こります。
歌うこと、頑張ることが恥ずかしい
→ 歌わない
大きい声で歌うと目立ちそうで嫌
→ 小さい声でしか歌わない
出だしの声を出すのが自分だけだったら恥ずかしい
→ 出だしの声を出さない
声を伸ばすところで伸ばすのが自分だけだったら恥ずかしい
→ 声を伸ばしきらない
自分のことを表現しやすい安心感のあるクラスになっていれば、こうなりやすいはずです↓
歌うこと、頑張ることは恥ずかしいことではない
→ 歌う
大きい声で歌っても、受け入れてくれる安心感
→ 思いっきり歌う
みんな出だしの声を出すって信じている
→ 自分も出だしの声を出す
みんな伸ばすって信じている
→ 声を伸ばしきる
超大袈裟な言い方ですが、
合唱コンクールは4月から始まっています!
4月からのクラスの人間関係の成熟度で、そのクラスの合唱はわりと決まってきます。
伝えたいこと
歌いたくない人もいるのがクラス
「クラスが結構いい感じなのに、それでも声が小さい人っているじゃん!むかつく!」って思う人もいるかもしれません。
正直、中学生の時の僕も同じようなこと思ってました。「歌わない人むかつく!」って。
中3の時、僕は結構クラスの中で頑張っていた方だったと思うんですが、あまりにも女子のアルトの声が出ていなかったので、「こうやって歌うといいんじゃない?」って言ったら、ある女子に「きもっ…」って言われました(涙)
放課後、先生に「なかなかうまくいかないんです」って合唱コンクールの悩みを打ち明けた時に、その傷が深く印象に残っていたのか、涙がボロボロと出てきましたw
でも、教員になってから思ったのは
「そりゃ、歌いたい人もいれば歌いたくない人もいるよな」
ってことです。
クラスが「自分のことを表現しやすい安心感のある集団」になっていたとしても、歌いたくない人は歌いたくないんです。
で、全員に「思いっきり歌うこと」を求めるのって、なんか不自然というか窮屈だなって気づきました。
クラスっていろんな人がいますよね。一人一人、みんな違います。
いろんな人がいるっていうことを理解して、いろんな人を受け入れることが大事なんです。
歌いたくない人もいるのがクラスなんです。
で、合唱コンクールはそういうことを学ぶのに良い機会だと思います。
- 本気で頑張りたい!っていう人
- そんなに頑張りたいとは思わない…っていう人
どっちかに針が振れすぎるのもダメ。
お互い歩み寄る!
歩み寄らないで「本気で歌ってよ!歌わない人、マジ意味わかんない!むかつくっ!」ってなったり、
「合唱コンクールとか別にどうでもいいし。頑張りたい人だけで頑張ればいいじゃん」ってなったりすると、うまくいきません。
合唱コンクールを通して人間社会に必要な「歩み寄り」を学ぶんだ!
という信念が教員には必要だと思います。
優勝を目標にすると、うまくいかない
僕が担任をしたクラスは全て、合唱コンクールで優勝することができました(学年でトップ、3年の担任の時は学校トップ)。
が、一度も優勝を目標にはしませんでした。
本(長谷川博之(2012)『クラス皆が一体化! 中学担任がつくる合唱指導』明治図書)の受け売りです。
この本のまえがきに、このようなことが書かれています。
合唱で最優秀賞を取るというのは、目的じゃなくて手段です。
最優秀賞がゴールだとしたら、最優秀賞を取った後何が残るんですかということですね、私が言いたいのは。
たとえば学校づくりを使命とする三年生で、合唱コンクールで優勝したのに、始業式や終業式の歌を本気で歌わないというのでは、私に言わせればナンセンスなのです。無意味。点数を付けられないとやらない、賞状が出ないと頑張らない、という打算まみれの学級では駄目なのです。そういう状況では、最優秀賞の賞状などただの紙切れなのです。
これを読んで、「むっちゃかっこええええええええ」って思いました。
ぜひこの本は読んでほしい!もう絶版っぽくて入手困難なのが残念(中古品しか出回っていないっぽい)。
この本を読んで「合唱コンクールでは優勝は目標にしてはいけない」と感じ、生徒にはこう伝えました。
賞は目指すものではなく、素晴らしい取り組みをしたクラスが『結果的にとっちゃうもの』だ!!!
もちろん、担任として賞を狙っていなかったかというと、、、やっぱり生徒と一緒に賞をとらりたいっていう思いはありました。
でも、一言も「賞をとるぞ」とは口にはしませんでした。口が裂けても言いませんでした。
それよりも、「このクラスでできる最高の合唱を作り上げる!」これを目標にしていました。
その結果、毎回、賞をいただくことができました!
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