勉強法の本

【勉強法の科学 レビュー】骨太な内容だけど読みやすい。1冊目におすすめ

望岡 慶(もちお)
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勉強法に関する本をいろいろ読み漁っている。この前、だいぶ前に買ったまま放置していた『勉強法の科学 心理学から学習を探る』という本を改めて読んでみた。

この本の著者は東大教授の市川紳一氏。教育心理学の専門家で、界隈では超有名な人。実は市川教授の授業を受けたことがあるんだけど、この人は「なんちゃって科学者」じゃなくて本物。彼のゼミは大人気だった。

今回は、そんな正統派な学者が書いた『勉強法の科学 心理学から学習を探る』という本をレビューしたい。

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「学ぶ」とはどういうことか?が書かれている

ざっくり4つのテーマに分けて、「学ぶ」とはどういうことなのか?を解説してくれる。

  • 多くのことを覚える(=記憶する)ためにはどうしたらいいか?
  • 理解するとはどういうことか?
  • 問題解決ができるようになるには?
  • 勉強のモチベーションを高めるには?

例えば「記憶」について言うと、覚えるためには繰り返し取り組むことが大事だよってことだけじゃなくて、以下のようなプロセスが必要だと説明されている。

  • チャンク化:バラバラの情報をひとまとまりにする。
  • 有意味化:意味を理解して、自分の中の知識と結びつける。
  • 構造化:知識のつながりを整理して体系立てる。

他にも、なんで文章を読んで理解できる人と理解できない人がいるんだろう?っていう疑問への回答や、勉強が苦手な人はなぜ苦手なのか?っていう疑問への回答を得ることができる。正統派ですごくいい本。

心理学の研究に基づいた勉強法がわかる

この本に書かれているのは、なんちゃって科学者による「なんちゃって勉強法」でも、それサンプル1でしかないただの経験談ですよね?っていう「東大ママが教える最強の子育て」みたいな話ではない。

実力のある正統派な学者が書いた本ということもあって、内容がちゃんとしている。書かれているのは、心理学の研究(実験)に基づいた(=科学的な根拠に基づいた)勉強法だけ。単なる市川教授の個人的な体験談が書かれているわけではなく、科学的に「こうやって勉強すると効果が高いよね」っていうやり方が紹介されている。

勉強が得意な人が無意識にやっていることがわかる

「勉強が得意な人が無意識にやっていること」がまとまっている感じ。

たぶん読んだ人の中には「こんなん言われなくてもやってるよ、当たり前でしょ」って思う人も多いと思う。勉強が得意な人からしたら、本書に書かれている内容は真新しいものではないかもしれない。

でも、「初めて知った!そんないいやり方があるなら早く教えてよ!」って思う人の方が多いと思う。

ちょっと余談だけど、このあたりの「学習のコツ格差」が、普通に学校で勉強しているだけだと埋まらないのが問題だなあーって思う。学校ではこういう「いい勉強のやり方」を基本的に教えないんだよね。教員が「自分に合ったやり方でやろうね」みたいな言い方をしたり、そもそも教員自身が認知心理学について理解していなかったりするから。

・・・ということで、この本は「勉強が得意になるために、どんなことをすればいいの?」って悩んでいる人におすすめ。まじでいい本だと思う。

薄くて読みやすい

たぶん正確性を期すためだと思うけど、文章はちょっと教科書っぽくて淡々としている。「東大ママが教える最強の子育て」的な本よりは読みにくいとは思う。

でも、ダラダラと無駄に長く書かれているわけではなく、研究者らしく、必要十分な内容がテンポよく簡潔に書かれているからこそ。結果として、この本はかなり薄い本になっているので、とにかく読み終えやすい。

「人間は、すでにもっている知識をもとに知識を広げていく」(p.46)っていう表現とか、ズバッと本質をとらえる表現で、簡潔でほんとに秀逸。

ざっとエッセンスをつかむだけなら、心理学実験のやり方までくわしく読み込む必要はないので、2時間もあれば読み終えられる。流し読みして、気になったところはじっくり読むってのでOK。

研究者による内容的には骨太の本だけど、一般の人にも読みやすい形にパッケージされていることが、この本の一番すごいところだと思う。著者の市川教授はやっぱり実力者だと思うし、岩波書店の編集者も優秀なんだと思う。さすが岩波科学ライブラリー。いい本が多いよね。

勉強法の本の1冊目としておすすめ

ということで非常におすすめ。

勉強法について科学的な見地から書いてある本をいろいろ読んでみたけど、この市川氏の『勉強法の科学 心理学から学習を探る』は、どの本にも書いてあるようなベーシックで重要な話が書いてある。クラシックというか。

薄い本で、とにかく読み終えやすいのが最大の長所。だから「いい勉強法を知りたいなー」っていう時の1冊目として非常におすすめ。少なくとも、「東大ママが教える最強の子育て」とか、「私はこれで合格した」みたいな、個人の経験談に基づいた勉強法の本を読む暇があったらこれを読んでくれって感じ。

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望岡 慶(モチオカ)
望岡 慶(モチオカ)
学習ブロガー
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる
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