【日本の歴史漫画】おすすめは3社。集英社と角川が特におすすめ【比較】

「日本の歴史」の学習漫画は、セットで買うと約20,000円。決して安い買い物ではない。
しかも、集英社、角川、小学館、学研と、大手各社が競うように出していて「結局どれがいいの・・・?」って感じ。書店では中身を確認できないし。
そこでこの記事では、日本の歴史の学習漫画の選び方と、各社の特徴を整理して解説したい。参考になれば幸い。
日本の歴史の学習マンガの選び方
大手各社が競うように出版しているマンガから、どうやって自分に合うものを選べばいいのか?
中身に大きな違いはない

まず大前提として、「日本の歴史」っていう同じストーリーを扱っている以上、中身に決定的な差はない。
もちろん、ストーリーの伝え方とか、セリフとか、絵とかに違いはあるけれど、基本的に中身はそんなに変わらないと思ってOK。大手の出版社のものは専門家が監修していて、勉強になる教材としてちゃんと作られている。
とりあえず大手のもの(集英社・角川・小学館)を選んでおけば大丈夫。失敗したーやらかしたー…ってことにはならない。
フォーマットも似ている

中身だけでなく、フォーマット(型式・構成)も似ている。特に大手のもの(集英社・角川・小学館)はどれも似たり寄ったり。
各社が売れる学習漫画を追い求めた結果、どれも似たり寄ったりになったのか、各社トガったものを作るのを恐れて、なんとなくお互いに寄せていったのか・・・真相はわからないけど、どれも似ていて選ぶのが難しい。
- くわしく
-
巻数 「20巻くらい」が主流。 サイズ 「コミックより少し大きい」が主流(四六判〜A5判)。昔よりも小さくなって軽くなっている。 カバー 「ソフトカバー」が主流。昔はハードだったが、ソフトカバーになって軽くなっている。 カラーの割合 「一部カラー、大部分がモノクロ」が主流。 出版年 「2020年前後」が主流。 近現代史の分量 「全巻のうち約半分が近現代史」が主流。歴史を学ぶのは現代を理解するためなので、近現代史が手厚いものを選ぶべき。 電子書籍 「電子書籍としても購入できる」が主流。実物と電子書籍どちらも欲しい場合は2回課金が必要。 値段 「20,000円くらい」が主流。インフレで紙の値段や輸送費が上がっているので、今後じわじわと上がっていくはず。
「集英社・角川・小学館の3つからフィーリングで選ぶ」のがおすすめ
ってことで、あまり細部にこだわらず、なんとなく「これがいいな」って思ったものを使えばいいと思う。
一応この記事では「僕のおすすめはこれだ!」って紹介するけれど、各自フィーリングでビビッッッ…!と来たものを選べば大丈夫。集英社・角川・小学館のものはどれもよくできている。この3つから選んでおけば間違いない。
とは言いつつ、この記事を書くためにじっくり比較していたら各社の違いがなんとなく見えてきたので、ここからは大手各社のマンガの特徴について僕の率直な印象を書く。
各社、微妙にサイズが違ったり絵柄の雰囲気が違ったりして、「うちはこういう方向性で作ろう」っていうポリシーというか、社内の空気感の違いみたいなものが滲み出ている・・・ような気がする。
集英社・角川・小学館の違い
集英社

20+別巻2冊の全22巻構成。サイズは四六判(横128mm × 縦188mm)。角川と同じで、小学館より小さい。
集英社版は、東大日本史対策に定評のある予備校講師の野島博之氏が総合アドバイザーを務めている。「教えるプロ」が漫画作りに大きくコミットしたことで、膨大な歴史的事実の中から「特に重要なポイント」を抽出し、凝縮する作業が徹底されている印象。

情報の取捨選択が上手いため、文章量は適切に抑えられている(それでも少なくはないけど)。集英社の漫画は歴史の全体像を構造的に理解するのに非常に向いている。
→【集英社版 学習まんが日本の歴史レビュー】セリフが練られていて深い。質が高い
角川

16+別巻5冊の全21巻構成。サイズは四六判(横128mm × 縦188mm)。集英社と同じで、小学館より小さい。
角川版は、東京大学の教授陣による監修のもと、最新の研究成果を丁寧に、具体的に盛り込んでいるという印象。

歴史学の最前線で活躍している「研究のプロ」が、最新の研究成果に基づく歴史の解釈をちゃんと伝えようとしてくれたがゆえに、あれも書いた方がいい、これも書いた方がいい…って感じで、テキスト量が膨張していったんじゃないかと。歴史的事項の説明が非常にきめ細かく、情報量は集英社よりも多い。
そのため、読むのは疲れるけれど、その分「なぜそうなったのか」のプロセスを詳しく知ることができる。最新の学説に基づいた「今の歴史」を詳しく学びたい人にとっては、これ以上ない学習漫画と言える。
→【角川まんが 日本の歴史レビュー】大人の学び直しにも使える。東大教授が監修したのも納得の読み応え
小学館

全20巻構成。サイズはA5判(横148mm × 縦210mm)。集英社・角川より大きい。小学校の図書室に置いてもらうことを意識して、小さい子供でも扱いやすいサイズ感にしたんだと思う。さすが小学館。
小学館版は、歴史の教科書で有名なあの山川出版社が編集協力をしているところが特徴。とにかく「真面目なマンガだな〜」っていう印象で、時代に流されてポップ路線に行くのではなく自身を貫いている感じ、僕は嫌いじゃない。
マンガの絵柄はちょっと古いというかオカタイ感じで、やっぱり学校の図書室に置いてありそうな感じ。真面目。
→【小学館版 学習まんが日本の歴史レビュー】マジメ。図書室にありそうな安心感
イチオシは集英社

僕のイチオシは集英社。
出版年は2016年と、角川(←2025年に内容が最新研究に合わせてアップデート)や小学館(←2022年発売)と比べるとやや古くなってきたなあ、という感じなのは事実。
内容が本質的
でも、集英社の漫画は日本の歴史の中で超大事な部分、本質的な部分を伝えることを強く意識して作られているという印象。ただ歴史的事項を大量に羅列したり、大量のテキストで説明過多になったりしないように注意して、「マンガとして楽しめる適切なボリュームで、歴史の核心を突こう」みたいな感じ。

このあたり、
- 日本史の予備校講師として実力者の野島博之氏が総合アドバイザーを務めた
- マンガ作りが得意な集英社のスタッフが編集した
ことが大きいと思う。
このマンガの総合アドバイザー野島博之氏は、東大文学部史学科出身で、東大日本史対策の第一人者。
東大の入試問題は細かい知識よりも「歴史の本質的な理解」を問う問題なので、東大日本史を長年研究してきた野島氏には「超大事なのはここだよね」っていう勘所があるんだと思う。
その歴史の急所を見極めるセンスが、この集英社の漫画にもいい形で反映されている。そこにマンガ作りのプロである集英社のスタッフの編集力が合わさって、「短い文章で端的にサラッとだけど、深いこと書いてあるなー」っていう作品になった、って感じ。

細かすぎず、詳しすぎず
「教えるプロ」が漫画作りに大きくコミットしたことで、膨大な歴史的事実の中から「特に重要なポイント」を抽出し、凝縮する作業が徹底されている印象。
内容の取捨選択がうまく、文章量がそこまで多くならないように作られているから、小学生や中学生でも読みやすい。「小学生にはわからないよな」って子供扱いするんじゃなくて、小学生にもわかるように丁寧に説明しようとしているところが好印象。
そして高校生、大学生、大人へと、年齢を重ねて歴史の理解が深まるほど、「うわーいいこと書いてあんなー、深いなー」って楽しめる。一つ一つのセリフにムダがないというか、ものすごく練りに練って紡ぎ出されたセリフだなあって思う。かなりこだわって作ったはず。

僕自身、日本史を使って東大受験をしたんだけど、この漫画を読むと受験生時代を思い出す。東大対策の中で「ここが大事!」って学んだ内容が漫画の中にたくさん盛り込まれていて、受験生の時にこの漫画があればもっと勉強がはかどったのに、って思う。

集英社は参考書、角川は教科書っぽい
同じ「日本の歴史」の学習漫画でも、集英社と角川では「情報の届け方」のポリシーが異なる。
- 「教えるプロ(予備校講師)」が総合アドバイザーを務めた集英社
- 「研究のプロ(東大教授陣)」が監修者を務めた角川
という立場の違いが、そのまま内容の違いを生んでいるって感じ。
角川版は、東京大学の教授陣による監修のもと、最新の研究成果を丁寧に、具体的に盛り込んでいるという印象。
集英社が「抽象(本質)」を突くスタイルなら、角川は「具体(詳細)」を積み上げるスタイル。
そのため、読むのは疲れるけれど、その分「なぜそうなったのか」のプロセスを詳しく知ることができる。最新の学説に基づいた「今の歴史」を詳しく学びたい人にとっては、これ以上ない学習漫画と言える。


角川・小学館に比べて価格が安い
値段は角川・小学館よりも安い。これだけクオリティが高いのに。意味がわからない。
ってことで、角川と小学館の漫画もいい商品ではあるけれど、迷ったら集英社のやつを選んでおけば問題ないと思う。


日本の歴史の学習漫画ラインナップ・比較
『集英社 学習まんが 日本の歴史』(コンパクト版)

集英社の漫画は日本の歴史の中で超大事な部分、本質的な部分を伝えることを強く意識して作られているという印象。ただ歴史的事項を大量に羅列したり、大量のテキストで説明過多になったりしないように注意して、「マンガとして楽しめる適切なボリュームで、歴史の核心を突こう」みたいな感じ。
小学生から大人まで楽しめる内容で、受験対策にも役立つ。価格も手頃。
くわしくは記事前半に書いた。


『集英社 学習まんが 日本の歴史』(ハードカバー版)

カバーが硬くてサイズが大きいバージョン。

『角川まんが学習シリーズ 日本の歴史』

角川はライバルの集英社・小学館よりも値段は高いけれど、その分、情報量の多さで勝負しているという印象。大人の学び直しを強く意識していて、集英社・小学館とは違う戦略で勝負していると思う。
2025年秋に内容のアップデートが入った。最新の研究に合わせて、たくさんの箇所で記述が変更されたらしい。ちなみに岸田内閣の成立や安倍元首相銃撃事件まで収録した第16巻も追加された。
角川の学習漫画は良くも悪くも教科書っぽくて、情報量が多い。


『小学館 学習まんが 日本の歴史』

小学館の日本史マンガは、歴史の教科書で有名な山川出版社が編集協力をしているところが最大の特徴。山川の教科書は「高校日本史の教科書といえばこれ!」っていう超王道な教科書。
ライバルの集英社と角川に比べて、小学館のマンガの絵柄はちょっと古いというかオカタイ感じ。サイズは集英社・角川よりはほんの少しだけ大きい。小学校の図書室に置いてもらうことを意識して、小さい子供でも扱いやすいサイズにしたんだと思う。
「山川出版社が監修+古めかしい絵柄」のダブルパンチで、とにかく「真面目なマンガだな〜」っていう印象。


『講談社 学習まんが 日本の歴史』

2020年7月に講談社創業110周年記念企画として発売された学習漫画。漫画の下にマメ知識が書かれているのが特徴。


『集英社 まんが版 日本の歴史』(文庫版)

最初に紹介した『集英社 学習まんが 日本の歴史』 の古いバージョンを文庫化したもの。文庫なのでカラーページはないし(モノクロ)、2007年に描かれたものなので内容的に少し不安がある。
絶対に文庫サイズがいい!できるだけ安いものがいい!っていう人以外はこれを選ぶ必要はない。
『学研まんが NEW日本の歴史』

オールカラーで描かれているのが特徴。正直、強みはこれだけ。

『日本史探偵コナン』

日本の歴史をテーマにしたコナン漫画。本編の漫画部分はぶっちゃけ歴史の勉強にはほとんどならない。
1話1話の間に挿入されている解説部分はかなり良くできているけれど、高校受験の勉強用としては不十分すぎる。内容が網羅されていないので。小学生〜中学2年生が歴史の勉強の取っ掛かりとして読むならアリ!って感じの学習漫画。


『中公文庫 新装版 マンガ日本の歴史』

『仮面ライダー』の原作者である石ノ森章太郎が1989年から5年かけて描き下ろした中公文庫『マンガ日本の歴史』(全55巻)を、全27巻に再構成して2020年に出版された学習漫画。
2020年に新装版として再構成されるにあたって、新たな注釈や解説が追加されたみたいだけど、元の漫画自体が書かれたのはかなり昔。しかも書いたのは漫画家。
なので、高校受験・大学受験に向けてしっかりとした学習をしたい人にはおすすめできない。

どうしても迷う人へ
こんな感じで選べばいいんじゃないかなと思います↓
長く使える & 受験勉強にも使えるものが欲しいなら
オールカラーがいいなら
歴史に興味を持ってくれればそれでいいなら
→コナン
そもそも日本の歴史マンガは必要?
そもそも、日本の歴史マンガを買うべきなの?・・・20,000円ってお高くない?って話について。
日本の歴史マンガには、果たしてこの金額を支払うだけの価値があるのか。
教科書より頭に入りやすい
日本史の教科書や書籍は、基本的にはテキスト(文字)が中心。たまに写真や図が載っているとはいえ、読者はたくさんの文字を追いながら当時の情景や複雑な人間関係を自分の頭の中でイメージしなければならない。これが結構難しいし、疲れる。
そこをサポートしてくれるのが学習漫画の役割。テキストで書かれた情報をイラストで視覚化してくれるため、歴史の流れが直感的に頭に入ってくる。これこそが歴史マンガの最大の価値。

また、親としては「子供が歴史に興味を持って、勉強が得意になってほしい」という下心・願いがあるはず。その役に立つ可能性は十分にある。
もし子供がすぐに食いつかなくても、歴史の内容は数年で大きく変わるものではない。子供の成長をじっくり待てばいいし、その間は大人も楽しめる。大人でも読み応えがあるように作られているので、大人が教養をつけるために活用すれば「無駄な出費」にはならない。本当にいらないって思ったらメルカリで売ればいいし。
エンタメ性を求める人には不要

ただ、正直言って『HUNTER×HUNTER』や『DEATH NOTE』のような超人気な名作と比べると、漫画としての純粋な面白さは微妙ではある。題材が「日本の歴史」で、あくまで学習を目的とした本であって、読者を楽しませるためだけのエンタメ作品ではないから、仕方ないけども。
もし「純粋な物語」としてのエンタメ性を求めるなら、歴史小説の方がいい。小説には読者を惹きつけるための大胆な脚色や、著者の独自の思想が盛り込まれているから。歴史小説の方が面白い、良くも悪くも。エンタメ性を求めるなら、20,000円で歴史小説を20冊買った方が幸せになれると思う。
教科書を読み通せる人にも不要
あと、テキストだけで十分に内容を理解できる人や、文字から自分なりに情景をイメージするのが好きな人も、あえて漫画を買う必要はない。そういう人は日本史の教科書を買った方がいい。安いし。
日本史の教科書は、実は一般の人でも教科書取扱店で購入できる。「教科書販売」で検索すれば近場の教科書取扱い書店を見つけられる。
あったら便利。コスパは悪くないと思う
ってことで、エンタメ性だけを求める人や教科書で十分な人には不要だけど、それ以外の人にとって学習漫画は決して悪くない買い物だと思う。
確かに20,000円前後の値段は高い。でも教科書や参考書だけを使うより、日本の歴史の全体像(イメージ)をつかみやすくなる。この効果はでかい。

あと、手に入れて手元に置いておくと、いざという時にも役に立つ。歴史が絡むニュースが流れた時や、旅行の前にさらっと復習したい時に、本棚から引っ張り出して該当する箇所をかいつまんで読む。この使い方が便利。僕も今はこの使い方をしている。
各社の学習漫画は、受験生のことも想定し、教科書に準拠したオーソドックスな歴史を学べるよう計算して作られている。つまり「いつでも基礎に戻れる教材」としての強みがある。
学習漫画はいっときの娯楽ではなく、長いスパンで価値を享受するもの。そう考えれば、20,000円という価格はコスパ的に悪くないと思う。完全に不要になったらメルカリで売ればいいし。




















.001-5.jpeg)






