先日、本屋で『日本史探偵コナン』っていう歴史漫画を見かけました。

第一印象は「コナンかあ…この手のやつって歴史漫画としては大したことないやつだよね」だったんですけど(読んでもないくせに)、よくよく調べてみたら実はかなり売れてる漫画とのこと。
「これは元社会科教員としてチェックしなきゃいかんやつ!」と勝手に使命感に燃えたので、速攻でAmazonでポチって実際に読んでみました。
ってことで、元社会科教員という立場から誠実にレビューをします。『日本史探偵コナン』を買おうか迷っている人の役に立てば幸い。
『日本史探偵コナン 全12巻セット』とは

値段 | 約13,000円(12巻セット) 約11,500円(Kindle版12巻まとめ買い) |
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著者 | 青山剛昌 |
出版社 | 小学館 |
出版年 | 2018年 |

縄文時代〜現代までの内容が12冊にまとまっています。(※が、満遍なくまとまっているわけじゃないので要注意。後述。)

オールカラーで、漢字にはふりがな(ルビ)が振ってあります。小学生でも読めます。

ソフトカバー。

12巻セットのサイズ感はこれくらい。そんなに大きくないので部屋を圧迫することはなさそうです。

BOXの側面。「うおおおおおお!テンション上がる!!」って感じですよね。(僕はそこまでコナンは好きじゃないのでテンション上がらんけど)
『日本史探偵コナン』の感想

過去にタイムスリップした主人公が謎解きをして、ところどころで(現代にいる)コナンに助けを求める…という内容。
この漫画を読んだ率直な感想は、
漫画としては…
- 「さすがコナン」って感じで面白い
- 良くも悪くもすらすら読めちゃう
歴史の勉強用としては…
- 漫画部分の内容は小学生レベル
- 高校受験の勉強用としては不十分すぎ
- 小学生〜中学2年生が歴史の勉強の取っ掛かりとして読むならアリ
って感じです。
漫画としては…
「さすがコナン」って感じで面白い

コナンくんがたくさん登場するか?というと、そういうわけではないので要注意ではあるんですけど、名探偵コナンおなじみのシーンが再現されたり、推理の場面ではコナンがものすごく活躍したりします。
「あー名探偵コナンを読んでるなあ」って感じはちゃんとあります。
良くも悪くもすらすら読めちゃう

漫画部分に歴史の学習内容がギュッと凝縮されているわけではないので、良くも悪くも”漫画は”すらすら読めます。
「読むの疲れた!もう読みたくない!」とはなりにくいはず。
あと、太平洋戦争のところでグロくて残酷なシーンが出てきたりもしないので、小さな子供に読ませても安心です。
歴史の勉強用としては…
漫画部分の内容は小学生レベル

『日本史探偵コナン』は本編の漫画部分と、1話1話の間に挿入されている解説部分とに分かれています。
んで。
本編の漫画部分はぶっちゃけ歴史の勉強にはほとんどならないです。

1巻の縄文時代の漫画部分は、こんな感じで貝塚のエピソードが出てきたりして、社会科教員として「おー、よくできた漫画だなあ!」って思ったんです。
んが!
中学校の歴史の教科書に出てくるようないわゆる政治史については、漫画部分にはほとんど出てきません。
例えば、藤原氏が行った摂関政治とは何なのか?とか、自由民権運動って何なのか?とかは本編には出てこないんです。
なので、漫画部分だけを読むと、
その時代のなんとなくの雰囲気はわかるけど、歴史の流れはまったくわからない
って感じになります。そういう意味で、漫画部分の内容は小学生レベルってのが僕の感想。
なので、
高校受験の勉強用としては不十分すぎ
です。まあそもそも『日本史探偵コナン』は高校受験を想定して作られていないと思うけど。
もちろん、学習漫画として発売されている以上、まったく歴史の勉強にならないってわけではないです。

1話1話の間に挿入されている解説部分はかなり良くできているんです。

漫画部分と解説部分の内容の難易度にギャップがありすぎだろ!って気がしなくもないんですが、、、そう思っちゃうくらい解説部分は良くできています。
つまり、この『日本史探偵コナン』は、
- 漫画部分を読むだけだと歴史の勉強にはほとんどならないけど、
- 解説部分もしっかり読むとそれなりに勉強になる
って感じの学習漫画。
とはいえ!
いくら解説部分が充実しているとはいえ、高校受験の勉強用としては不十分すぎ。内容が網羅されていないので。

特に受験でよく出題される近代(明治・大正・昭和)の内容が薄いのはかなりのデメリット。太平洋戦争のあたりはほぼほぼ省略されてしまっているくらいです。
誤解したまま買ってほしくないので強調しますが、「この学習漫画を使って高校受験の対策をしよう!」ってのはわりと無謀だと思うので気をつけてください。
小学生〜中学2年生が歴史の勉強の取っ掛かりとして読むならアリ

ただ、「歴史が超苦手!」「これから歴史の勉強を始めようと思う!」っていう人が取っ掛かりとして読むのはアリだと思いました。
というのも、漫画部分をざっと読むことで時代の空気感がわかるから。その状態で教科書を読むと、より理解が深まりそうではあります。
…だいたいどんな学習漫画かわかっていただけたでしょうか?
ガッツリ勉強できる学習漫画はこちら

もし「単なるとっかかりとしての漫画じゃなくて、ちゃんとした学習漫画がほしい!」って思っているなら、僕のおすすめは『集英社 学習まんが 日本の歴史』です。
値段 | 約19,800円(20巻セット) 約19,800円(Kindle版20巻まとめ買い) 約1,100円(1冊バラ売り) 約990円(Kindle版1冊バラ売り) |
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著者 | あおき てつお他 |
出版社 | 集英社 |
出版年 | 2016年 |
もちおのおすすめ度 | ★★★★★ |
僕自身、なんと3回も買いましたw(①学校の教室に置く用、②自分用、③Kindle版)
おすすめな理由は3つ。

- 最新の研究が反映されていて、内容面で安心感がある
- 近現代史の内容が濃くて、受験にも使える
- 実際に生徒(中学生)が夢中で読んでいた
値段は約19,800円と、『日本史探偵コナン』よりもお高くなってしまうのですが、小学生〜高校生(〜大人)まで長く使える学習漫画なのでコスパは結構良いはず。
くわしくはこちらの記事で紹介しているので、「『日本史探偵コナン』はいまいちかもなー」って思った人はぜひチェックしてみてください。


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