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【進研ゼミ中学】「自分で学ぶ」練習ができるサービス。もっと評価されるべき

望岡 慶(もちお)
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「進研ゼミは小学生のもの」というイメージはないだろうか?

僕にはある。中学生になったら、普通は塾。通信教育を使うにしても、進研ゼミは子供っぽすぎる気がする。

実際、中学生だった時の僕は地元の塾に通った。「進研ゼミ=中学生」というイメージがなかった。公立中の教員をしていた時も、生徒で進研ゼミを使っているって聞いたのは数人くらいだった。

では、進研ゼミは中学生が使うに値しないものなのだろうか?

この記事では、進研ゼミ中学講座に入会の価値があるのか?そしてどんな親・どんな子供に向いているのか?について、忖度なく僕の考えを書く。

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進研ゼミ中学講座の本質

進研ゼミ中学講座は「勉強だけ頑張るわけではない普通の中学生が、自分に合う教材・やり方を見つけられるサービス」、というのが僕の考え。

「普通の中学生」がメインターゲット

進研ゼミの最大の特徴は、あえて間口を広くとっているということ。進研ゼミは対象としてる学力層・利用者層が幅広い。

公式ページを見ると「テスト」「部活と両立」という言葉がよく出てくる。「難関校を目指す受験ガチ勢」ではなく、多数派である「勉強に苦手意識がある中学生」「普通の生活を大事にする中学生」に寄り添おうという強い意思が感じられる。

誰のことも見捨てない、だってみんなに「良く生きて」ほしいから(←ベネッセの理念)、みたいな。

アパレル業界で言ったら、プラダとかグッチとかのハイブランドじゃなくて、ユニクロや無印みたいな存在。価格も良心的。「これを選べばまあ大ハズシすることはない」「誰のことも見捨てはしない」という安心感を提供してくれているのが進研ゼミだと思う。

で、そのド真ん中・王道を突き進もうとしている進研ゼミのサービス内容には、「中学生にこういう力をつけてほしい!」っていう強い・熱い思いが込められている印象。

勉強の「めんどくささ」を取り除く

そもそも学習スタイルには2つの極がある。

  • 自習:完全に一人で、すべて自分で考えて、自発的に勉強する
  • :勉強を大人に管理してもらい、受け身的に勉強する

理想は自習。自分一人で勉強できるならお金がかからなくて最高だし、自習できれば、大人になってから新しいことを学ぶときも困らない。

でも、そんなことはわかってても難しい。それが現実。

いい教材を自分で探すのも、計画を自分で立てるのも、その計画通りに強い意思で勉強するのも、うまくいかなかったときに修正するのも、自分一人でやるのは難しい。中学生は特に。

「やる気がない」のではなく、「何をやったらいいかわからない」という迷いや、「どの参考書を選べばいいのか」という意思決定のダルさが、勉強開始の大きな障壁になっている。勉強そのものは必要だと思っていても、その「面倒くささ」があるだけで、スタートすら切れなくなってしまう。

だから塾とか通信教育、参考書にお金を払って、勉強のサポートをしてもらう。

通信教育は、この「面倒くささ」を取り除くことで、子供が勉強そのものに集中できる環境を作るサービスなんだよね。「何をやるか」という意思決定を代わりに引き受けることで、子供はそのエネルギーを実際の学習に注ぎ込める。適切な教材を用意してくれるから、子供は「選ぶ」という手間を省いて、「やる」ことに専念できる。

サポートしすぎない【ここ重要!】

ただし、この「サポート」は上手くバランスを取る必要がある。

完全に子供の判断を奪ってしまうと、自習する力が育たない。子供に選択肢を残しつつも、「このような選択肢がありますよ」と迷いを取り除く。それが通信教育の腕の見せ所。

「自由」と「管理」の適度なバランスを狙うのが通信教育を使った勉強。

で、進研ゼミは他の通信教育よりもバランスの取り方が上手い感じがする。

進研ゼミスマイルゼミZ会
難易度選択自分で選べる機械で自動調整機械で自動調整
学習スタイル紙とタブレット両対応タブレットのみタブレットのみ
サービスの選択肢多い少なめ中程度
添削指導ありなしあり
対象層幅広い幅広い難関校志望

自分に合う教材・やり方を見つけられるサービス

進研ゼミが提供している教材・学び方は幅広く、選択肢が多い。だから、自分に合う教材・やり方を見つけるのに役立つ。試行錯誤の余地がある。ここが進研ゼミの最大の価値だと思う。

スマイルゼミは通信教育のわりに自由度が低く、「こうやって勉強してください」と指定するタイプの通信教育。スマイルゼミは「タブレットとタッチペンで勉強する」というスタイルに一本化されている。難易度はタブレットで自動調整されるので自分で選べない。さらに、添削指導がないなどサービスが最小限にしぼられていて、やり方の選択肢の幅が狭め。

Z会は進研ゼミと似ているけれど、ハイレベルな人向けの通信教育として作られている。また、2025年度から「タブレットとタッチペンで勉強する」というスタイルに一本化されてしまった。難易度はタブレットで自動調整されるので自分で選べない。やや自由度が下がった。ただ、添削指導が用意されている分、スマイルゼミよりは勉強のやり方の選択肢は多い。

一方、進研ゼミはサービスをたくさん用意してくれている。サービスを少なくした方が運営コスト的にも良いはずなのに、子供に選択の余地を残してくれている。しかも他社より安い値段で。

ベネッセは「いろんな教材・サービスの中から、自分に合う教材や学習スタイルを自分で見つけてほしい、自習の力を伸ばしてほしい」って思っているのかもしれない。コスト度外視で(←ベネッセはいろんな事業をやっていて、進研ゼミだけで大きく稼ぐ必要がないから、こんな大胆なことができる、というのが僕の仮説)。

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進研ゼミ中学講座のサービス内容

では具体的に、進研ゼミ中学講座はどのような内容となっているのか?

難易度を自分で選べる

進研ゼミ中学講座は、難易度を自分で選ぶことができる

タブレットを使う他の通信教育(例えばZ会やスマイルゼミ)では、機械によって自動で難易度が調整されてしまう。良くも悪くも。また、塾では入塾テストや実力テストの結果でクラスを強制的に決められてしまう。良くも悪くも。

一方、進研ゼミでは自分で難易度を選ぶことができる。難易度が合わなかったとしても、途中で変更することができる。

「自分の行動を自分で決める」はモチベーションアップの上でも重要(←研究からわかっている)。

Q
難易度選択についてくわしく

中1・中2は「スタンダード」「ハイレベル」の2つの難易度。

スタンダードハイレベル
定期テストでの好成績を目指し、入試に直結する内申点の積み上げを重視するコース定期テスト対策に加え、難関校の合格に向け、応用力・記述力を強化できるコース

中3は「受験総合」「難関挑戦」「最難関挑戦」の3つの難易度。

受験総合コース難関挑戦コース最難関挑戦コース
一般的な公立高校または私立高校合格に向けて、基本問題を確実に解ける力を身につける公立難関高校または同等の私立高校合格に向けて、難問まで解ける力を身につける最難関校合格に向けて難問も解ききる思考力・解答スピード・正確性を身につける

タブレットか紙か、自分で選べる

進研ゼミ中学講座では、2つの学習スタイルが用意されている。

ハイブリッドスタイルオリジナルスタイル
主に専用タブレットで学ぶスタイル主に紙のテキストで学ぶスタイル

学習スタイルが2つ用意されていて、かつ途中変更可能なので、「自分に合うやり方は何だろう?」と試行錯誤することができる

学習スタイルが複数用意されている通信教育は非常に珍しい。

スマイルゼミはタブレットのみ、Z会も2025年度からタブレットのみになった。紙テキストを各家庭に届けるのは輸送コストや人件費がかかるけど、進研ゼミは紙を残してくれている。「学び方に選択肢を残したい」というベネッセの姿勢が感じられる。

さらに、タブレットスタイルを選んでも「定期テスト 暗記BOOK」などの紙教材がいくつか届く。タブレットで目が疲れたら紙に切り替えたり、学校に持っていってテスト前の自習時間で使ったりできる。

「自分に合う教材や学習スタイルを自分で選ぶ余地」を残してくれている。

「自分で学ぶ」ためのサポートもある

かといって中学生に「自分で勉強しろ!」と丸投げするわけではなく、様々なサービスを通じて中学生の勉強をサポートしてくれる。

個別プラン教科書・理解度に応じてAIがおすすめ学習内容を提案(タブレット使用時)
テスト対策プランテストの日程・目標点に応じて学習計画を自動作成(タブレット使用時)
解き直し機能できるようになるまでやり直し(タブレット使用時)
質問サービス生成AIを使った「スピード疑問解消チャット」でいつでも質問可能
オンラインライブ授業テスト前のわからない部分を専任スタッフに質問できる
赤ペン先生の添削個別に添削してくれる
わかりやすい教材イラストやアニメーションの講義

※ただ、これらのサービスは「通信教育」の基本的な機能。Z会もスマイルゼミも似たようなサービスを提供している。

個別プラン・学習分析

教科書・理解度に応じてAIがおすすめ学習内容を提案。(※タブレットを使うスタイルのみ)

テストの日程・目標点に応じて学習計画を自動作成。(※タブレットを使うスタイルのみ)

「授業カルテ」で中1から中3までの英数国理社すべての学習内容に取り組める。(※タブレットを使うスタイルのみ)

解き直し

できるようになるまでやり直し。(※タブレットを使うスタイルのみ)

質問回答サービス

生成AIを使った「スピード疑問解消チャット」でいつでも質問可能。

オンラインライブ授業

テスト前にわからない部分を聞く場所がある(ギモン解消クラス)。チャットで質問専任スタッフに質問できる。

赤ペン先生の添削

個別に添削してくれる。

わかりやすい教材

イラストやアニメーションの講義。(※タブレットを使うスタイルのみ)

受験対策

中学3年生になると、より高校受験を意識したサービスにグレードアップする。

努力賞制度

これはただの子供騙し感が強い。本質的ではない。廃止していいサービスだと正直思う。

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入会の価値はあるのか?

このように、進研ゼミはさまざまな選択肢を用意している。サービス・機能を絞って「こうやって勉強してください」って指定するのではなく、「いろんな教材・サービスがあるから、自分に合うものを見つけてね」って拡散する方向。

では、進研ゼミ中学講座に入会の価値はあるのか?

9教科セットで、月額約8,000円。進研ゼミ中学講座に、この値段分の価値があるのか?

そもそも通信教育とは

そもそも通信教育の価値は「適切な教材を適切なタイミングで生徒に届ける」ことにより、「いま最も取り組むべき学習内容・教材を選ぶ手間がかからなくなる」ことにある。

授業を受ける(=サービスを利用する)ためにわざわざ通学したり、教材を選ぶためにわざわざ比較検討したりする手間をかける必要がないのが通信教育のいいところ。

月額8,000円というお金は、この手間の削減に対して支払うもの。

もちろん提供される教材の質はどうか?という点も重要だけど、全国の生徒向けに展開するサービスの授業動画・教材なので、一定のクオリティは担保されているはず。教育業界最大手のベネッセのサービスだし。

少なくとも、学校の教員の授業よりは品質のブレが少ないはず。学校の教員は忙しいし、正直言って当たり外れがある。わかりにくい授業も多い。僕自身、教員の時に「今回の授業むっちゃわかりにくかったなあ・・・生徒に申し訳ないわ・・・」って思っていたから間違いない。

通信教育としては十分

進研ゼミ中学講座に申し込むと、月額8,000円の対価として、ベネッセが用意した一定のクオリティが担保された質の担保された学習コンテンツを利用できる。もちろん、超難関校を目指す人向けのトップレベルの講師の授業のような超高品質なものではないかもしれないけれど、十分にわかりやすい授業が提供されているだろう。

今はYouTubeで無料で授業動画を見られるじゃないか、と思うかもしれない。

でも、YouTubeに投稿されている動画は玉石混交。再生数が多いからと言って、クオリティが高いわけでもないし。いい授業動画を探すのは本当に大変。

一定のクオリティが担保された授業動画・教材を見つける手間がかからない、というところに(特に大手の)通信教育の価値がある。そして進研ゼミはその価値を十分に提供できている。イマイチな部分があったら、教育業界を牛耳っているその莫大な資金力で素早く改善してくれるはず。この安心感も大手のサービスのいいところ。

進研ゼミ中学講座は全教科セットで月額8,000円。この値段は他社の通信教育よりも安い。適正価格。

「自分で一切選びたくない人」には向かない

とはいえ、進研ゼミは「こうやってください」って完全に管理してくるタイプの通信教育ではない。「自分で選びたくない」「全部決めてほしい」っていう人にとっては、サービスが多く選択の余地がある進研ゼミは合わないと思う。

そういう人はもっとシンプルな設計のスマイルゼミか、ガッツリ管理してくれる塾に通う方がいいと思う。全部管理してもらうのでいいの?とは正直思うけど。

【スマイルゼミ中学】勉強をシンプルにしてくれる。紙の教材管理が苦手な人に刺さる
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「ハイレベルな問題を解きたい人」はZ会がいいと思う

自分で勉強に向かうことのできる人、自分で教材を探したり方法を見つけたりできる人には、進研ゼミはそもそも必要のないサービス。

もう学習習慣と学力がかなり身についていて、「とにかく良問をたくさん解いて、自分の力を試したい!」「難関校の受験対策をしたい!」っていう人は、Z会の方が合うと思う。

Z会は「難関校向けの良問」を作ることにものすごく力を入れている会社。専門業者に任せた方がいい。

【Z会中学】思考を導く「良問」を提供してくれる。難関志望なら迷わずZ会
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「自分で学ぶ練習ができる」ことに価値がある

まだ学習習慣が身についていない人「自分なりの勉強スタイル」が見つかっていない人にとっては、進研ゼミ中学講座は入会する価値のあるサービスだと思う。

進研ゼミは子供に任せつつ、適度なサポートをする絶妙な教材。進研ゼミ中学講座はサービスの種類が多く、勉強のやり方の選択肢をたくさん用意している。子供が自分なりの勉強法を試行錯誤できる環境を提供してくれる。

そもそも10代の思春期(中学・高校の時期)は、自分で学ぶ力を身につけるための大事な準備期間

ってかそう思う人(=「中学生は自分で学ぶ練習をする時期」って考える人)がもっと増えてほしいなって思ってる。親に塾に強制的に行かされて、「大人が考えた合格ルート」に沿って勉強させられる子供がこれ以上増えないでほしい。

単に「成績さえ伸びればなんでもいい!」ではなく、「成績も大事だけど、自分で学ぶ力の方が大事だよね、将来的に」って落ち着いてどっしりと構える親御さんに、特に利用してほしいサービスだなって思う。

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望岡 慶(モチオカ)
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関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる
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