なぜ勉強ができる人は、自分のノートを作っているのか?
これまで、「理解するってどういうこと?」という話をしてきました。
キーワードは「結びつける」。
つまり、新しく学んだことを、自分の頭の中にある知識や言葉とつなげることで、はじめて「なるほど!わかった!」という感覚が生まれます。
今回は、理解を深めるための勉強法をひとつ紹介します!
それが、自分だけのオリジナルノートを作るという方法です。
オリジナルまとめノートを作る!
これは僕が中1〜高3まで、テスト前によくやっていた勉強法です。
(「ただの経験談でしょ」と思ったかもですが、この方法、学習科学の理論でも効果があると言われています…!)
文房具屋さんで分厚い100枚綴じのノートを買ってきて、そのノートに教科書や授業内容(テスト範囲の内容)を自分の言葉でまとめ直します。
たとえば、
- 主要5教科には15ページずつ
- 実技教科には7ページずつ
みたいにざっくりページを割り振って、教科書や授業ノートを見ながら、1ページ1ページ自分なりにまとめていく。
イメージとしては、「自分専用の参考書を作る」という感じです。
授業ノートは「その場の記録」
「え、ノートっていつも授業中に取ってるけど?」と思うかもしれません。
でも、ここで言っている「まとめノート」は、授業ノートとはまったく別の役割を持っています。
授業ノートは、たとえばこんな感じ
- 黒板の板書を写す
- 先生の話を聞きながらメモをとる
- 思いついたことや「なるほど!」と思ったことをちょこっと書く
- たまに落書きをする
つまり、授業中の気づきや情報をどんどんメモしていく場所です。
だから、どうしてもページはごちゃごちゃしがち。
まとめノートは「自分専用の参考書」
それに対して、まとめノートはこうです
- 教科書や授業の内容をいったん自分の頭で理解して
- 「これってこういうことだよね?」と自分の言葉で整理して
- 必要になら図や絵も使って
- 自分にとってわかりやすい形に作り直す
つまり、ただ写すだけじゃなくて「自分の理解をまとめたノート」です。
言いかえると、参考書や教科書の中の特に大事なところだけをぎゅっとまとめて、自分オリジナルの「ミニ参考書」を作るような感覚です。
テスト期間中は、このノートをメインに使って勉強します。あとから気づいたことがあれば、どんどん追記していってOK!
そうやって、ノートが自分の理解と一緒にどんどん成長していきます。
なぜ効果があるの?
まとめノートを作るとき、自然と「理解するための頭の使い方」になります。
たとえば、こういう経験ありませんか?
授業では「わかった!」と思ったのに、あとで思い出そうとしたら「あれ?なんだっけ…?」ってなる。
そんなふうに曖昧なままだと、まとめノートを作ろうとしても手が止まってしまいます。
そこで、どうするか?
- 教科書をもう一度読んでみる
- 先生が授業で言っていたことを思い出す
- 似ていることと比べて考えてみる
- 自分なりにたとえてみる
といった感じで、頭の中にある知識や言葉をフル活用して、整理して、紙にまとめていくことになります。
図を描いたり、自分の言葉で説明を書いたりしながら、「これはこういうことだったんだな」と気づいていく。
教科書の説明と教員の話をうまく組み合わせて、自分の言葉でまとめ直す。
こういう作業をしているとき、まさに頭の中で「つながる」感覚が生まれます。
これが、理解が深まる瞬間なんです。
つまり、まとめノートを作るということは、新しく学んだことを、すでに持っている知識とつなげる作業なんです。
だからこそ、深い理解につながるわけです。
自己生成効果
このように、自分で何かをまとめる・作り出す学習には、「自己生成効果」と呼ばれる学習効果があることがわかっています。
簡単に言うと、
ただ読む・聞くよりも、自分で考えて・作り出す方が、記憶にも理解にも効果が高い!
ということ。
だから、下手でもいい。時間がかかってもいい。自分で作るということが何よりも大事です!
他人のノートや参考書じゃダメなの?
人のノートを見せてもらったり、参考書を読んだりした方が効率よく見えるかもしれません。
- 「勉強ができる人がまとめたキレイなノートをもらって、それを写せばいいじゃん」
- 「参考書を買えば、すでに整理された内容が載ってるんだから、自分でまとめ直すなんてムダじゃない?」
そう思う人もいると思います。
でも、それでは理解は深まりません。自分の頭が動いていないからです。
ノートの見た目がきれいでも、内容がすごくまとまっていても、それを自分で考えて作っていないなら理解は深まりません。
まとめ:理解を深めたければ、自分で作ろう
まとめノートを作るのは、たしかに時間も手間もかかります。
でも、その手間こそが「なんとなくわかった気がする」から「本当に理解できた!」に変わる一番の近道なんです。
ぜひ一度、試してみてください!