勉強のやり方
PR

音楽を聴きながら勉強しない方がいい

望岡 慶(もちお)
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

「自分の好きな音楽を聴くと勉強がはかどる」と感じる人がいます。

しかし、本当に音楽を聴きながらの勉強は効果的なのでしょうか?また、音楽の種類によって影響は異なるのでしょうか?

この疑問について調べた研究があります。(Perham and Currie, 2014)

スポンサーリンク

研究(エビデンス)

その研究では、異なる年齢層の学生を以下の4つのグループに分け、学習効果を比較しました。

  1. 無音の環境で復習を行ったグループ
  2. 好きな歌詞付きの音楽を聴きながら復習したグループ
  3. 嫌いな歌詞付きの音楽を聴きながら復習したグループ
  4. 歌詞のない音楽を聴きながら復習したグループ

その後、各グループの学生は復習した内容に関するテストを受け、どの環境が最も学習効果が高いのかが調査されました。

テストの結果、正答率は以下のようになりました。

無音の環境61%
歌詞なしの音楽を聴きながら55%
嫌いな歌詞付きの音楽を聴きながら38%
好きな歌詞付きの音楽を聴きながら37%
Perham and Currie(2014)より

この結果から、

  • 静かな環境で勉強するのが最も学習効果が高くなる
  • 逆に、好きな音楽を聴きながら勉強すると学習効果が下がる

らしいということが示唆されました。

経験的にもわかる気がする

この話は経験的にもわかる気がします。

歌詞のある音楽を聴くと、その歌詞が頭に浮かんでしまって無意識のうちにそちらに意識が向いてしまいます。その結果、勉強に使うはずの脳のエネルギーが奪われてしまい、集中しづらくなる感覚があります。

一方で、歌詞のない音楽(特に、これまで聴いたことのない音楽)は、頭に入り込まずに環境音のように流れていくため、気になりません。

また、音楽の聴き方も重要かなと思います。

例えば、イヤホンで音楽を聴くと、それがどんな音楽であっても意識してしまって集中しにくくなる・・・という実感があります。

一方で、イヤホンの音量をかなり小さくすれば、そこまで気にならずに勉強に取り組める。

また、カフェのようにスピーカーから適度な音量で流れている状態であれば十分集中できます。特に、外国語の音楽が流れている環境は、歌詞の意味を理解しようとしないからか、より集中できるような感覚があります。

今回の研究では「無音」の環境が最も学習効率が高いとされていますが、僕の場合は、完全な無音状態だと逆に集中できません。。。

例えば、自習室のようにとても静かな場所では、他の人が鼻をすする音が気になったり、自分の音が周囲に迷惑をかけていないか心配になったりしてしまうんです。

なので、適度に音楽や環境音がある方が、勉強に集中しやすくなります。

歌詞なしの音楽でも無音状態とそこまで学習効果が変わらなかったのは朗報!:Perham and Currie(2014)より

結局のところ、大切なのは「音楽の有無」ではなく、「どれくらい音が脳に入り込むか」なのかもしれません。

少なくとも、好きな音楽を聴きながら勉強すると集中しづらくなる、というのは自分の経験とも一致しています。

どうしても音楽を聴きたいなら

「それでも、どうしても音楽を聴きながら勉強したい!」という場合は、以下のような工夫をすることで、学習への悪影響を減らすことができると思います。

  • 全く知らない歌詞なしの音楽を聴く
  • 外国語の音楽を聴く
  • 音量はできるだけ小さくする
  • 丸つけなどの「作業」時に聴く
  • 休憩中に聴く

他の学習テクニック

勉強法まとめ

参考文献

Perham, N., & Currie, H. (2014). Does listening to preferred music improve reading comprehension performance? Applied Cognitive Psychology, 28(2), 279–284

スポンサーリンク
ABOUT ME
望岡 慶(もちお)
望岡 慶(もちお)
思春期ブロガー
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる → ?
関連記事
こちらの記事もどうぞ
記事URLをコピーしました