【角川まんが 世界の歴史レビュー】読み応えがある。大人の学び直しにいい
2021年2月、角川(KADOKAWA)からも世界史の学習マンガが発売された。
ライバルの集英社・小学館よりも値段は高いけれど、その分、情報量の多さで勝負しているという印象。大人の学び直しを強く意識していて、集英社・小学館とは違う戦略で勝負していると思う。
ということで角川の世界史マンガの紹介をする。
『角川まんがシリーズ 世界の歴史』は情報量で勝負している
文字が多くて読みごたえがある(良くも悪くも)

実際に読んでみて真っ先に思ったのが「結構、文字が多いなあ…」ってこと。漫画を読んでいるっていうより、「絵付きの文章」を読んでいる感覚だった。
おそらく「とにかく情報量を多くして、大人でも読み応えがあるようにしよう…!」って意識して作ったんだと思う。ライバルの集英社・小学館と比べて濃密。だから「内容がスカスカの漫画だったわ…」って後悔することはほぼない。
ただこれはデメリットでもあって、世界史を全く勉強したことない人がいきなり読んだらシンドイとは思う。それくらい詳しく書かれている。良くも悪くも。
ナレーション多め

その内容の濃密さを支えているのが、たくさん盛り込まれているナレーション。
登場人物の会話でストーリーが展開されている…っていうよりは、ナレーション中心に物語が進んでいく。これって漫画じゃなくて、ただの「絵付きの文章」じゃない?っていう。
とはいえ、『HUNTER×HUNTER』のようなトチ狂った文章量ってわけではない。そこまで身構える必要もない。

対象年齢は高めだと思う
たぶん角川の学習漫画は、「世界の歴史っていう膨大な内容をなるべく省略せず20巻にギュッとまとめよう!」っていう方針で作られた漫画なんだと思う。
良くも悪くも教科書っぽくて、文章量が多い。だから、たしかに読むのは結構大変。

あと、登場人物の表情・心情・発言の微妙なニュアンスについての描写がぶっちゃけイマイチで、人間自体の面白さが丁寧に描かれているわけではないので、漫画として面白いか?っていうと正直微妙ではある。
ただ、そういうデメリットはあるけれど、登場人物の(言葉足らずになりがちな)会話ではなく、丁寧なナレーションで世界の歴史について解説してくれているので、そういう意味では「理解しやすい学習教材」に仕上がっているかなという感じ。

角川は対象年齢を「小学校高学年から」にしている。たしかに小学校低学年・中学年には難しいと思う。高学年でもキツそう。漢字にはふりがな(ルビ)が振ってあるから、読めなくはないけど。
僕の印象では、角川の世界史漫画のメインターゲットは高校生と大人。特に、大人の学び直しニーズを狙いに行ったんだと思う。

というライバルがいる中で、角川は大人向けというポジションを取りに行った。

そういう視点で見ると、表紙のデザインも少し大人っぽい。集英社・小学館に比べて落ち着いていて、淡い色合いでおしゃれ。角川が大人を強く意識しているのは間違いないと思う。
大学受験の勉強用にも使える
もちろん高校生でも使える。角川のマンガは内容が濃密で、大学受験の勉強用としても十分使える。


巻頭と巻末の資料や図解、解説ページはかなり便利。

世界史はいわゆる「横のつながり」の理解が重要。「イギリスで◯◯が起きていた時、フランスでは・・・?」っていう勉強をすることが大事なんだけど、この角川のマンガは、1つの話の中でいろんな国のことを意識的に同時に描いている。
内容が濃密なうえに、場面転換が多くて複雑なので、「1回読んで終了!わかった!」とはならない漫画。教科書や参考書を用意して、
- 教科書・参考書を読む
- →漫画でイメージをふくらませる
- →また教科書・参考書を読む
- →漫画を読む
って感じで、マンガと教科書・参考書と一緒に読む!っていう使い方がおすすめ。こうやって漫画をうまく活用すれば、間違いなく世界史の力がつくと思う。
値段は高い
情報量の多さに比例しているのか、値段は高め。20巻+別巻2冊の全22巻セットで28,280円(税込)。集英社や小学館よりも高い。しかも昨今のインフレでどんどん値段が上がっている。
とはいえ世界の歴史の学習漫画としてはまあこれくらいの値段になるよね仕方ないよね、っていう価格。
ちなみに1冊ずつ購入することもできる。ただ、バラで買う場合はセット特典はつかないので要注意。


角川版は内容が濃くて悪くない。大人向け

情報量が多いから読み通すのは結構大変だけれど、「内容がスカスカの漫画だったわ…」って後悔することはほぼない、すばらしい漫画だと思う。売れているのも納得。









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