【角川まんが 日本の歴史レビュー】大人の学び直しにも使える。東大教授が監修したのも納得の読み応え

2015年に角川から発売された日本史の学習マンガが、2025年秋にアップデートされた。
角川はライバルの集英社・小学館よりも値段は高いけれど、その分、情報量の多さで勝負しているという印象。大人の学び直しを強く意識していて、集英社・小学館とは違う戦略で勝負していると思う。
ということで角川の日本史マンガの紹介をする。
『角川まんがシリーズ 日本の歴史』は情報量で勝負している

文字が多くて読みごたえがある(良くも悪くも)

実際に読んでみて真っ先に思ったのが「結構、文字が多いなあ…」ってこと。漫画を読んでいるっていうより、「絵付きの文章」を読んでいる感覚だった。
おそらく「とにかく情報量を多くして、大人でも読み応えがあるようにしよう…!」って意識して作ったんだと思う。角川の漫画からは、製作陣の「情報を詰め込むぞ」感をヒシヒシと感じた。

だから、「内容がスカスカの漫画だったわ…」って後悔することはほぼない漫画だと思う。でも一方で、日本史を全く勉強したことない人がいきなり読んだらシンドイとも思う。それくらい詳しく書かれている。良くも悪くも。
とはいえ、ライバルの集英社・小学館もテキスト量は結構多い。なんとなく角川は情報量が多い気がするなあ、程度の違い。
東京大学の教授陣が監修している

なんか内容が濃密じゃない?っていう感覚を抱いたのは、角川の漫画が、東京大学の教授陣の監修をガッツリ入れて作られているからだと思う。
歴史学の最前線で活躍している研究のプロが、最新の研究成果に基づく歴史の解釈をちゃんと伝えようとしてくれたがゆえに、あれも書いた方がいい、これも書いた方がいい…って感じで、テキスト量が膨張していったんじゃないかと。
よくわかっている理知的な人ほど説明が長くなる、っていうあるあるなやつ。これが僕の仮説。
最新の学説に基づいている
でもこれは完全に善意からの結果で、悪いことではない。たしかに「情報量が多い漫画だなあ、読むのが結構大変だなあ」とは思うけれど、歴史学のプロが大事だと思っていること、新しく発見してくれたことを詰め込んでくれた結果の産物。
角川の漫画は、最新の学説に基づいた「今の歴史」を詳しく学びたい人にとっては、これ以上ない学習漫画と言える。
実際、2025年秋に内容のアップデートが入った。最新の研究に合わせて、たくさんの箇所で記述が変更されたらしい。
ちなみに岸田内閣の成立や安倍元首相銃撃事件まで収録した第16巻も追加された。
対象年齢は高めだと思う

ということで、角川の学習漫画は良くも悪くも教科書っぽくて、情報量が多い。
角川は対象年齢を「小学生から」にしているけれど、小学生が読みこなすのはなかなか大変だとは思う。漢字にはふりがな(ルビ)が振ってあるから、読めなくはないけど。

僕の印象では、角川の日本史漫画のメインターゲットは中学生〜高校生と大人。特に、大人の学び直しニーズを狙いに行ったんだと思う。
というライバルがいる中で、角川は大人向けというポジションを取りに行った。

そういう視点で見ると、表紙のデザインも少し大人っぽい。集英社・小学館に比べて落ち着いていて、淡い色合いでおしゃれ。角川が大人を強く意識しているのは間違いないと思う。

日本の歴史の学習漫画の中で一番売れている漫画ってのも納得。大人が結構買ってるんじゃないかな。
大学受験の勉強用にも使える

もちろん中学生・高校生でも使える。角川のマンガは内容が濃密で、大学受験の勉強用としても十分使える。


巻頭と巻末の資料や図解、解説ページはかなり便利。
内容が濃密なので、「1回読んで終了!わかった!」とはならない漫画。教科書や参考書を用意して、
- 教科書・参考書を読む
- →漫画でイメージをふくらませる
- →また教科書・参考書を読む
- →漫画を読む
って感じで、マンガと教科書・参考書と一緒に読む!っていう使い方がおすすめ。こうやって漫画をうまく活用すれば、間違いなく日本史の力がつくと思う。
- 『歴史まるわかり図鑑』の中身



値段は高い

情報量の多さに比例しているのか、値段は高め。16巻+別巻5冊の全21巻セットで23,760円(税込)。集英社や小学館よりも高い。しかも昨今のインフレでどんどん値段が上がっている。
とはいえ日本の歴史の学習漫画としてはまあこれくらいの値段になるよね仕方ないよね、っていう価格。
ちなみに1冊ずつ購入することもできる。ただ、バラで買う場合はセット特典はつかないので要注意。

角川版は内容が濃くて悪くない。大人向け

情報量が多いから読み通すのは結構大変だけれど、「内容がスカスカの漫画だったわ…」って後悔することはほぼない、すばらしい漫画だと思う。売れているのも納得。
最新の学説に基づいた「今の歴史」を詳しく学びたい人にとっては、これ以上ない学習漫画と言える。
- 第1巻 日本のはじまり ●旧石器~縄文・弥生~古墳時代
- 第2巻 飛鳥朝廷と仏教 ●飛鳥~奈良時代
- 第3巻 雅なる平安貴族 ●平安時代前期
- 第4巻 武士の目覚め ●平安時代後期
- 第5巻 いざ、鎌倉 ●鎌倉時代
- 第6巻 二つの朝廷 ●南北朝~室町時代前期
- 第7巻 戦国大名の登場 ●室町時代中期~戦国時代
- 第8巻 天下統一の戦い ●安土桃山時代
- 第9巻 江戸幕府、始動 ●江戸時代前期
- 第10巻 花咲く町人文化 ●江戸時代中期
- 第11巻 黒船と開国 ●江戸時代後期
- 第12巻 明治維新と新政府 ●明治時代前期
- 第13巻 近代国家への道 ●明治時代後期
- 第14巻 大正デモクラシー ●大正時代~昭和時代初期
- 第15巻 戦争、そして現代へ ●昭和時代~平成
- 第16巻 多様化する社会 ●平成時代~令和
- よくわかる近現代史1(大正から激動の昭和へ)
- よくわかる近現代史2(戦中・戦後の日本)
- よくわかる近現代史3(現代日本と世界)
- 歴史まるわかり図鑑
- まんが人物事典
電子書籍(Kindle)でも読める



ちなみに、電子書籍(Kindle)で購入することもできる。Kindle版の方がちょっと安い。
【日本の歴史まんが】集英社と角川の違い























