このブログ記事は、そんな方々向けです。
こんにちは。元教師のもちお(@softenisuke)です。
世の中について、なるべく分かりやすく解説してみなさんの役に立てるよう、ブログなどをがんばっております!
学校で教員不足が問題になっています。
平成30年8月に文部科学省が出した調査結果では、このようなデータが示されています。
以下11の都道府県・指定都市の協力を得て、アンケートを実施した。
<都道府県> 北海道、茨城県、埼玉県、千葉県、愛知県、福岡県、大分県、鹿児島県
<政令指定都市> 大阪市、北九州市、福岡市
※「教員の不足」とは、学校に配置されている教員の数が、各自治体において学校に配置することとしている教員の数を満たしていない状態を指す。
そこで本記事では
教員不足
について解説をします。
- なぜ教員不足が起きてしまうのでしょうか?
- どうすれば教員不足は解決できるのでしょうか?
「教員不足」には2つの意味があると思う
TwitterなどのSNSでも「#教員不足」というハッシュタグで教員不足が話題になっていますが、僕は
「教員不足」が問題であると語られるとき、2つの側面がある
ように思います。
1つ目が、単純な「数の問題」です。
実際に教員を配置できていない、という問題です。
記事の冒頭で示したデータがあつかっているのは、まさにこの「数の問題」です。
実際の現場レベルの話をすると、
教員免許を持っていて、学校現場で働いてくれそうな知り合いがいたら、声をかけてください。
と、校長が職員会議で語る学校がある…
とネットなどでも聞いたことがあります。
2つ目が、「負担感の問題」です。
一人一人の教員がやらなければいけない業務の量が増えていて、人手が足りないと感じる、という問題です。
実際に僕も教師として働いていましたが、
と思える仕事量でした。
このように、「教員不足」には
- 「数の問題」
- 「負担感の問題」
の2つの側面があると思います。
(数が足りていなかったとしても負担感がなければ、ここまで問題化されていないはずだから)
教員不足の原因は?
「数の問題」と「負担感の問題」の2つの側面から考えると分かりやすいです。
まず、「数の問題」の方の原因です。
「教員不足」の原因① 少子化を見越して、正規採用数をおさえている
日本社会は少子化が進んでいて、これからも続くことが予想されています。
ですので、単純に考えれば、
教員の絶対数を減らしてもOK
ということになります。
教員の採用数を減らせば、人件費(教員の給与)を減らすこともできて財源を確保できますので、
少子化の進展のなかで教員の採用数をしぼっているはずです。
「教員不足」の原因② 臨時的任用講師を確保しづらくなっている
正規採用の数をしぼるということは、当面はその分を非正規の教員でまかなうということになります。
が、大きく2つの理由で非正規(臨時的任用講師)を確保しづらくなっていると考えられます。
1つ目が、教員免許更新制です。
教員免許に10年間の有効期間が設けられましたので、
昔、教員免許をとっていて、学校現場で働きたいと思っている人
が、
学校現場で働きたくても働けない
という状況が生まれることになります。
学校に戻りたい
と思っても戻れなくなります。
(戻りたいと思わない気がしますし、30時間以上の更新講習を受講すれば免許を再授与してもらうことはできますが)
教員免許更新制があるために、臨時的任用講師を確保しづらくなると考えられます。
2つ目が、「学校はブラック」というイメージです。
(イメージというか事実だとは思いますが、)「学校はブラック」ということが世間に知れ渡った結果、学校で働きたいと思う人が減少しているはずです。
実際、教員採用試験の倍率が近年、下がってきている傾向にあるようです。
「学校はブラック」というイメージがあるために、臨時的任用講師の確保がむずかしくなっていると考えられます。
以上の2つの理由で、本来、非正規の教員でまかなわなければいけなかった分の教員が不足することになります。
「教員不足」の原因③ 教員が現場から離れる
- 産休や育休
- 精神を病んだ
などの理由で、現場から離れてしまうことが増加しているようです(いわゆる「教員不足」について より)。
次に、「負担感の問題」の方の原因です。
「教員不足」の原因④ 業務の膨大化
学校や教員に対する期待の高まりなどによって、学校に求められる業務が増えています。
また、教員自身が「子どものために」という考えのもと、業務を削減せずに増やしてきたのもあります。
実際、教員として働いてみると
- 「そんなの親が中心になって教育すべき内容じゃないの?」
- 「そこまで教師がやるの?子供自身にやらせればいいんじゃないのかな?」
と思うことが少なくありません。
詳細は省きますが、一人一人の教員がやらなければいけない業務の量が多いのは事実だと思います。
勤務時間内に仕事を終わらせるのは困難です。
https://softtennis-blog.com/teacher-overtime-matome
そのため、「人手が足りない」という印象をいだき、「教員不足」を問題視することにつながるのだと考えられます。
「教員不足」の解決策
大きく3つの方向性があると思います。
- 教員の正規採用数を増やす
- 学校の業務量を減らす
- 少ない教員数でもできる教育に切り替える
「①教員の正規採用数を増やす」は、ダイレクトに教員不足を解決するための方法です。
が、実際には財源の問題もあると思いますので、この解決策は困難なはずです。
「②学校の業務量を減らす」は、負担感を減らすための方法です。
業務量さえ減れば、教員不足は問題にならないはずです。
具体的にどのような業務を削減するのかは、ここではくわしくは書きませんが、今の学校現場の状況を考えるに、「②学校の業務量を減らす」は必須です。
そして、「③少ない教員数でもできる教育に切り替える」です。
①も②も必要だとは思いますが、僕としては、「③少ない教員数でもできる教育に切り替える」のが一番大事だと思っています。
具体的には、授業での動画教材の導入などです。
少ない人手で、誰でもできる(代替可能な)教育
が、今後は重要になるはずです。
教員不足のまとめ
以上、
教員不足
について解説をしました。
教員不足は、必ず解決しなければいけない問題ですが、財源の問題などもあって、教員数を増やすのはなかなか難しそうです。
となると、
- 学校の業務量を減らす
- 少ない教員数でもできる教員に切り替える
というソフト面での対策が重要。
日本の未来のために、学校教育をなんとかしなければいけません。
以上、もちお(@softenisuke)でした。
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