(公民)

立憲主義を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【民主主義との対立?】

疑問を感じている男の子の画像
社会科の勉強をしている人 「立憲主義って何ですか?」

 

こういった疑問に答えます。

 

こんにちは。もちおです。

公民の勉強をしていると、「立憲主義」という言葉が出てきます。

ここ、中高生のつまずきポイントです。

憲法って何のためにあるの?
立憲主義と民主主義って関係あるの?
憲法って何?
こんな感じ。

僕も昔、同じような疑問を持っていて、立憲主義についてよく分かっていなかったので気持ちはよく分かります!そこで、過去の僕と同じような人に向けて、本記事では

立憲主義とは何なのか?

について説明をします。

東大卒の元教員という立場から、なるべく簡単に、わかりやすく説明します!記事を読んだ後もよく理解できなかったら、質問を受け付けます!

立憲主義とは?

立憲主義を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【民主主義との対立?】立憲主義とは

立憲主義

憲法によって政治権力を制限するという考え

です。

政治権力って?
もちお
もちお
これ言葉で説明するのがすごく難しいんですけど、簡単に言うと

政治権力

いろんな考えをもつ人間達をまとめる時の強制力(をもつ人)

です。例えば、

ある国に王様がいて、その王様が思う通りにみんなが動くとしたら、その王様にはものすごい大きな政治権力があると言えます。

いろんな考えをもつ人間達をまとめるために、

  • やぶったら処罰されるルールを作る
  • ルール通りに世の中を動かす
  • ルール通りになっているかチェックし、なっていなかったら処罰する

っていうのも、政治権力ですね。

ちなみに、日本の天皇は政治権力を持たないです。

あと、別に国に限った話ではなくて、例えば、あるテニスサークルに所属している人みんなが、エリカさんっていう超絶美人な人の言う通りにしているんだったら、エリカさんにはものすごい政治権力があるって言えます(笑)

そんな政治権力を憲法によって制限しよう(しばろう)という考え方が、立憲主義です。

うーん、分かったような、分かんないような…
もちお
もちお
そうだと思います。僕もそうでした。

立憲主義について理解するために、憲法とは何なのか?について見ていきましょう。

政治権力をしばる「憲法」とは?

立憲主義を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【民主主義との対立?】憲法とは、

憲法

国の基礎を定める最高法規

です。国のあり方を根っこで決めている法ですね。

で、日本の憲法は「日本国憲法」と言います。

日本国憲法は、103条まであって、文字数は約10,000字もありますが、大きく2つの部分から構成されています。

① 国がやるべきことと、やってはいけないことについて定めたルール

② 国の政治の仕組みについて定めたルール

うーん、まだよく分かんない。
もちお
もちお
憲法について理解するためには、「なんのために憲法を作るのか?」を考えると良いですよ。

なんのために憲法を作るのか?

言いかえると、「憲法は何のためにあるのか?」です。

日本国憲法は

  • ① 国がやるべきことと、やってはいけないことについて定めたルール
  • ② 国の政治の仕組みについて定めたルール

の2つの部分から構成されていますので、さらに細かく言いかえると、

  • (1) なんのために「国がやるべきことと、やってはいけないことについて」ルールを定めるのか?
  • (2) なんのために「国の政治の仕組み」のルールを定めるのか?

ですね。

もちお
もちお
これらが分かれば、憲法と立憲主義について理解できますよ。

 

なんのために「国がやるべきことと、やってはいけないことについて」ルールを定めるのか?

まず大前提として、物事を決めるときの決め方(方法)はいくつかありますよね。決める作業に関わる人数で見ると、

物事を決めるときの決め方(方法)

  • 1人で決める
  • 一部の人で決める
  • 全員で決める

の3パターンがあります。

もちお
もちお
ちなみに、このことは中学校の社会科の公民の教科書の最初の方に書いてくれています!

で、3つ目の「全員で決める」っていうのが、民主主義です。

全員で話し合って決めよう!ってことね。

で、日本では、物事を決めるときに国民全員で決めよう!って考えました。

これが今回の話のスタートで、大前提です(= 近代憲法は民主主義の考えをもとに成り立っています)。

なので、日本国憲法の前文に、このような文章があります。

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。

つまり、国に関する物事を決めるときは、日本国民全員で話し合って決めるぞ、民主主義だぞ!って決めたわけです。

(実際には、全員で話し合うのは無理だから、国民が選んだ代表者(国会議員)が話し合って、多数決で決めることになります)

立憲主義と民主主義の話(超重要)

立憲主義を東大卒がわかりやすく簡単に解説する【民主主義との対立?】

うんうん。そうだね。で、それが立憲主義と何か関係があるの?
もちお
もちお
じゃあ、例えば、「信仰すべき宗教は○○だ!」って話し合いで決めてOK?
うーん。。。。ダメだと思う。
もちお
もちお
国会の議決で「北海道に住む人はディズニーランドには行ってはいけない」っていうルールが話し合いで決まった。どう思う?
絶対おかしい!不平等!
もちお
もちお
ですよね。

このように、「世の中の全ての物事が民主主義で決められるか?」っていうと、人間の感覚的に、「そんなことはないんじゃないか」ってなるんですよ。

では、民主主義では決められないものって何だ?っていうと、

基本的人権に関わること(命や人間らしい生活に関わること)

です。これらは、民主主義で答えを出すのはふさわしくないです。

 

例えば、極端な例ですけど、

話し合いに参加する人が100人いて、そのうち80人が「ポニーテールはダメだ!三つ編みが至高!」って考えていたとします(笑)

このような集団で話し合って多数決をとったら、

「三つ編み以外は認めない。特に、ポニーテールの人は死刑だ!!」

っていうルールができてもおかしくないです。

でも、これっておかしいですよね?人間の自由を奪っているからです。

つまり、民主主義って万能ではない(いつも正しいわけではない)んです。

 

じゃあ、民主主義で決めるのにはふさわしくない

基本的人権に関わること(命や人間らしい生活に関わること)

について、どうするべきでしょうか。

最初から憲法に書いておく…?
もちお
もちお
そうです。

まとめると、

基本的人権(=命や人間らしい生活を保障すること)に関わることは、民主主義で解決するのにふさわしくないから、あらかじめ

  • 国は、基本的人権を保障するべき
  • 国は、基本的人権を侵してはいけない

と憲法に定めた

ということです。

これが、なんのために「国がやるべきことと、やってはいけないことについて」ルールを定めるのか?

に対する答えです。

 

なんのために「国の政治の仕組み」のルールを定めるのか?

しかし、そのようなルールがあったとしても、「基本的人権の保障」の実現の仕方(誰がリーダーシップをとって行うか、など)のルールがなかったら

  • 混乱するし、
  • 最悪の場合、保障されない可能性も出てくる

ことになります。

また、基本的人権とは直接的な関係のない物事(例えば、○○地区に道路を作るかどうか?など)を民主主義に基づいて考えるとき、

  • 誰が話し合いに参加するか?
  • 話し合いをするときはどうやって行うか?
  • 話し合いで決まったことは誰が実現させていくか?
  • 話し合いで決まったことが守られていなかったら、どうするか?

なども決めておかないと、結局うまくいかない可能性がありますよね。

そうならないように、国の政治の仕組みのルールを憲法で定めておく必要があるんです。

 

例えば、日本国憲法には、このようなルールがあります。

第四十二条 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

第四十三条 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。

もちお
もちお
このルールが書かれていなかったら、内閣総理大臣が自由に国会議員を選んでも良いことになるかもしれない。

他にも、このようなルールがあります。

第六十七条 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

もちお
もちお
このルールが書かれていなかったら、僕(もちお)が首相官邸に乗り込んで「内閣総理大臣に!!!  おれはなるっ!!!!」

って宣言して仲間を作れば、本当になれちゃう可能性があります。そして、話し合いで決まったことを僕(もちお)の思うままに実現させていくこともできてしまうかもしれない。

このようなワケわからない出来事が起きないようにするために、国の政治の仕組みのルールを憲法で定めておく必要があるんです。

まとめると、

基本的人権を保障しつつ、民主主義の考えを実行していくために、

国の政治の仕組みのルールを憲法に定めた

ということです。

これが、なんのために「国の政治の仕組み」のルールを定めるのか?

に対する答えです。

まとめ

今までの話を全てまとめると、

憲法とは

基本的人権を保障しつつ、民主主義の考えを実行していくために

  • ① 国がやるべきことと、やってはいけないことについて定めたルール
  • ② 国の政治の仕組みについて定めたルール

が書かれた、国の基礎を定める最高法規

で、

立憲主義とは

そのような憲法によって、

  • 基本的人権を保障しつつ、
  • 民主主義の考えを実行していく

方向に向けて、政治権力を制限する(しばる)という考え

です。

もちお
もちお
だから、憲法は国民をしばるためのルールではなくて、政治権力をしばるためのルールなんです。
憲法がなくて、王様の人格だけに政治をゆだねると

  • その王様が良い人だったら、良い政治をしてくれるかもしれないけど
  • その王様が悪い人だったら、大変なことになっちゃうもんね。

これが「人の支配」ってやつだよね。

でも、近代はそういう不安定なやり方(「人の支配」)じゃなくて、憲法による「法の支配」っていう安定したやり方をしようって思った、ってことだよね。

もちお
もちお
その通りだけど、急にどうした!?すごいな!
ちなみに、憲法改正が話題になってるけど、どうやったら改正できるの?
もちお
もちお
日本国憲法は、

① 衆議院と参議院の両方で、総議員の3分の2以上が「改正すべき!」って賛成する

 ↓

② 国民投票で、有効投票の過半数が「改正すべき!」って賛成する

と、改正されます。

つまり、民主主義に基づいて改正するってことです。

結局、民主主義なんですね。
もちお
もちお
で、

  • 国会議員を選ぶのも、
  • 国民投票で投票するのも、

私たち国民。

私たち国民の多数派が「三つ編み以外は認めない。特に、ポニーテールの人は死刑だ!!」って考えてしまったら、それが認められる憲法へと改正させることも、決して不可能ではないんです。

つまり、民主主義によって、基本的人権を侵害するような憲法に変更されてしまう可能性もゼロではないんです。

だから、そんなことが起きないように、私たち国民は勉強しなきゃいけないし、考えて判断する力を持たなきゃいけないってことなんです。

キマりましたね

 

おしまい!

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