地理の勉強法 by東大卒元社会科教員【センター9割・東大地理8割】
地理の勉強って、どうやってやったらいいか分からなかったりしがち。
んで、こういう勉強の仕方をしがち↓
地理の勉強あるある
- やり方が分からないから、とりあえず教科書にマーカーをして赤シートで隠してひたすら暗記…
- そうやって詰め込んだ知識をテストに全投入して、テストが終わったらサッパリ忘れる。
これじゃあんまり意味がない!!!
ってことで僕(もちお)なりの地理の勉強法について説明をします!
そもそも地理とは
まず、そもそも地理ってどんな科目なのか?
ポイントは2つ。
- 「人間の活動とフィールドがどのように関わっているか」を、
- 「いろんな角度から考える」科目
人間の生活と、フィールドがどのように関わっているか
地理は「社会科」の中にふくまれます。で、その「社会科」とは何なのかというと、
社会科=人間の活動(による出来事)について学ぶ科目
です。「人間の活動」について学ぶことで、より良い世の中を作ろう!…という感じ。
※理科は自然環境(自然のしくみ)について学ぶ科目で、社会は人間について学ぶ科目
じゃあ、そんな「社会科」の中の「地理」はどんな科目なのかというと、、、
人間の活動とそのフィールド(舞台)がどう関わっているかについて学ぶ科目
です。
例えば、、、
日本で酪農(という人間の活動)が盛んに行われているのは北海道です。
このことを理解すること自体が地理の学習と言えます。「人間の活動」と「フィールド」の関係を学んでいるので。
そしてさらに、「なんで北海道で酪農が盛んなのだろう?」という問いを考えてみます。
んで、いろいろ調べてみたりすると
北海道で稲作をしたい!(人間の活動)
↓
でも、北海道は寒いから稲作はむずかしい(フィールドの特徴)
↓
じゃあ、寒くてもできる酪農をやろう!(人間の活動)
という意思決定がなされんだなーっていうことがわかります。
これも「人間の活動」と「北海道のフィールドの特徴」の関係を考えた…!という意味で、地理の学習です。
ですが、これだけだと不十分です。気候という角度からしか考えていないからです。
一つの角度から物事を眺めただけで「○○について完璧に理解した!」なんてことにはなりません。
北海道で酪農が行われるようになったのは、気候だけが理由なのでしょうか?
いろんな角度から考える
いろいろ調べてみると、実際には
- 明治時代に、未開発だった北海道にアメリカ式の農業を導入した
- 冷蔵技術の発達により、都市部から遠い北海道からでも乳製品を輸送しやすくなった
- 広大な土地が広がる十勝平野の土は火山灰を多く含み、稲作や畑作に向かなかった
などなど、いろんな理由があることがわかります。
「何か歴史的な背景があったんじゃないか?」
「技術が発展したからじゃないか?」
「土も関係しているのでは?」
って感じでいろんな角度から考えることで、人間の活動とフィールドの関係についての理解をさらに深めることができたわけです。
関連:日本地誌
このように、
- 「人間の活動とフィールドがどのように関わっているか」を、
- 「いろんな角度から考える」
のが地理です!
特に大事なのは「いろんな角度から考える」ということです。
「人間が何かをする時、その理由はたった一つだ!」なんてことは現実にはあまりないからです。
例えば「2020年4月15日に東京ディズニーランドに行く」という行動があった時、その行動をする理由はいろいろあるはず(金銭面、気候面、イベント面などなど)
次は地理の具体的な勉強法について説明します!
地理の勉強法
オリジナル地図作成法
1つ目は、オリジナル地図作成法です。
地理は、人間の活動とフィールドの関わりを学ぶ科目です。
①人間の活動の舞台となるフィールドはどんな特徴を持っているか?
(例)
- 熱帯地域はどんな特徴がある?
- 南アメリカ大陸の気候、地形、文化
②ある現象がどのフィールドに広がっているか?
(例)
- 熱帯地域は地球上のどこにある?
- ポルトガル語を母国語とする地域はどこ?
地理はこのようなことを学ぶ科目なので、地図が不可欠。
なので、オリジナル地図作成法を使って勉強します。
オリジナル地図作成法
- 地図に、学んだことを書き込んでいく勉強法
- この方法を使うことで、人間の活動とフィールドを結びつけて理解することができる。
僕は、無料でダウンロードできる白地図をあらかじめ全地域の分プリントアウトして、クリップでまとめておきました。(プリントアウトするのが面倒な人は地図帳に書き込むのでもOKだと思う。ちょっと見にくいけど)
で、こんな感じで、勉強したことをその地域のところにどんどん書き込んでいきます。
学校の授業を受けながら、もしくは問題集を解きながら、「これは知らなかった」って思ったことは、白地図にそのつど書き込んでいく感じ。
そうすると、その地域の特徴が1枚の地図にまとまることになるので、知識が散らばらずに済みます(「あれ、これ前やった気がするな・・・どこにメモったんだっけな・・・」ってのがなくなる)。
ちなみに、地図に書き込む際の手助けとして使える参考書が、『地図と地名による地理攻略』です。
地形や都市について、細かくなりすぎない程度に解説してくれる地図帳で、僕は大学受験の時に愛用していました。
教養も身につく気がするのでおすすめです!!!
※かなり古い参考書ですので、現時点ではあまり役に立たないかもしれません。(2024年12月現在)
問題集でインプット法
2つ目は、問題集でインプット法です。
学校の授業や教科書で一通りざっくりと勉強したら、問題集を解きながら知識をさらにインプットしていきます(テーマごとでもOK)。
問題集でインプット法
- 問題集を解きながら、新たな知識をインプットしていく勉強法(←解説をしっかり読むべし)
- この方法を使うことで、問題演習をしながら効率的に知識を吸収することができる。
地理って教科書をひたすら読んでいてもよく分からなかったりするので、さっさと問題集をやった方が良いと思っています。
大学受験生であればセンター試験(共通テスト)の問題集を1冊しっかりとやるべし。僕が受験生の頃は河合塾が出しているセンター試験の問題集がいい感じでした。
高校受験生は『全国高校入試問題正解 分野別過去問』が良いかな、と思います。
分野別になっているので、取り組みやすいのでおすすめ。
問題集をやって間違えた問題や「これはメモっておこう」っていうものに出会ったら、オリジナル地図にどんどん書き込んでいきましょう!
論述オリジナル解答作成法
3つ目は、論述オリジナル解答作成法です。
問題集の論述問題や自分なりに作った予想問題に対するオリジナル解答を作ります。
論述オリジナル解答作成法
- 論述問題に対して、絶対に満点だと思えるオリジナル解答を作ってノートにまとめる勉強法
- この方法を使うことで、論述問題対策になるだけでなく、いろんな角度から物事を考えるクセをつけることができる。
例えば「アフリカでの飢餓の背景(理由)は何か?」という問題があったとします。
この問題に対して、このようなオリジナル解答を作って、ノートにまとめます。
人口急増の中、内戦や干ばつによる農業の不振、砂漠化などによる農地不足、財政赤字による農地の整備の遅れにより食料供給が不足し、流通網や商品経済の未発達により食料配分が不均衡である。(89字)
大学受験生だった時の僕が実際に作ったオリジナル解答で、当時、「これだったら絶対満点だ!」と思って作りました。
一応、いろんな角度から考えているつもりです(供給面での問題と、配分面での問題)
こんな感じで論述オリジナル解答作成法を使うと、論述問題対策にもなるしいろんな角度から物事を見る力や論述力もアップします。
やるのは大変だけど力が結構つくのでおすすめです!!!
まとめ
地理とは
- ①「人間の活動とフィールドがどのように関わっているか」を、
- ②「いろんな角度から考える」科目。
なので、
- ①オリジナル地図作成法
- ②問題集でインプット法
- ③論述オリジナル解答作成法
をやってみるといいかも!
地理のおすすめ参考書・問題集はこちら
地理の記事一覧はこちら
高校地理まとめサイト【東大卒元社会科教員がわかりやすく解説】
社会科の本質を解説するYouTubeはこちら
社会科(歴史・地理・公民)の内容について、本質的な部分をわかりやすく解説するチャンネルです。
【方針】
- 「つまりどういうことなの?」「なんでこれが大事なの?」ってのを解説する(木で例えると、葉っぱの部分じゃなくて幹の部分を説明する感じ)
- 細かい内容は省略する
- 社会科は人間の営みに関する学問なので、当事者のことをちゃんとイメージする(人間の心理も考える)
- 「社会は暗記すればOK!わからなくても覚えりゃいい!」っていう人を減らす
【対象】
- 中学生〜大人(本質的な部分を解説しているので、中学社会にも高校社会にも対応しているはず!)
※細かい内容はあまり扱わないので、細かくてマニアックな内容を求めている人は満足できないと思います。マニアックさを求めている人は、別のチャンネルを観るのがおすすめです。