勉強したことをちゃんと覚えるにはどうしたらいいの?【精緻的質問】
- 勉強したはずなのにすぐ忘れちゃう
- なんであの人は記憶力が良いんだろう?
- 勉強したことをちゃんと覚えるにはどうしたらいいの?
今回はそんな人の役に立ちそうな、「こうやったら記憶しやすくなるよ」っていうテクニックをお伝えします!
その名も「Elaborative interrogation(精緻的質問)」。
…もっとわかりやすくて誰かに言いやすい名前つけられなかったんか…ってツッコミたくなる名前ですね
Elaborative interrogation(精緻的質問)
どんなテクニック?
新しい情報(知識、学習内容)について、
「それってどうして?」って疑問を抱き、
その答えを「もしかして〜〜だから?」って自分で考えて説明してみる。
こうすると、新しい情報(知識、学習内容)について記憶しやすくなるよ
・・・っていうのが「Elaborative interrogation(精緻的質問)」です。
このテクニックの面白ポイント
新しい情報について丸暗記するよりも、「それってどうして?」「もしかして〜〜だから?」って思考する方が記憶に残りやすい
ってのはなんとなく納得できます。
が、このテクニックで面白いのは、
誰かにくわしく説明してもらう(深掘りしてもらう)よりも、自ら深掘りした方が記憶に定着しやすくなるってこと。
子供が自ら疑問を抱く前に、大人が先回りして「これ不思議に思わない?でもね、これは〜〜だからなんだよー(ドヤっ)」って説明しちゃわない方がいいってこと。いやー、大人にとって耳が痛い話…
具体例
「韓国の大統領が戒厳令を出した」っていう事実を記憶する場合、
- その事実を丸暗記するよりも
- ニュース番組で背景までくわしく説明してもらうよりも
- 「なんで戒厳令を出したの?」
- 「〜〜だから?」
- 「〜〜なのは、韓国が△△だから?」
- って自分で問いを抱いて自分で説明を考える方が効果的だよ
っていうことです。
研究(エビデンス)
ここは読み飛ばしてもOKです
Pressley, McDaniel, Turnure,Wood, and Ahmad (1987)
- 被験者はある男性の行動について書かれた文章を提示される(例:「お腹が空いた男性Aが車に乗った」など)
- 被験者は3つのグループに分けられた
- (1)書かれた行動について、なぜその行動をしたのか?を自分で説明するよう促されるグループ
- (2)書かれた行動について、相手に説明されるグループ(例:「Aはレストランに行くために車に乗ったんですよ」って説明される)
- (3)単に文章を読むだけのグループ
- 男性の行動に関する文章をいくつか提示された後、それぞれの男性がどんな行動をしたのか?をテストする(例:「車に乗ったのは誰?」)
- どのグループの正答率が最も高かったか・・・?
- 1つ目のグループの正答率が高かった!
経験的にもわかる気がする
こういう経験ありません?
飲み会の場で友達に
「今度◯◯しようと思うんだよね。なぜかというとね、〜〜でね、昔自分は△△っていう経験があってね、、、」
ってひたすらマシンガントークされた翌日、
「あれ、今後何をするつもりなんだっけ?」ってド忘れしてしまうのに、
友達に「今度◯◯しようと思うんだよね。」って言われた時に、
「へー、どうして?◯◯だから?」
って相手の行動の背景を自分で考えて質問して、
相手がそれに答えて、
相手の答えに対してさらに
「へー、それって昔△△みたいな経験があったりしたの?」
・・・
・・・
って深掘りをしていく方が記憶に残る
っていう経験。
結果的に得られた情報はどちらも同じなのに、
自分から「なんで?〜〜ってこと?」って深掘りをした場合の方が記憶に残っているっていう経験。
僕の解釈では、これも「Elaborative interrogation(精緻的質問)」の効果なんじゃないかと思います。
たぶんこういうことだと思う
新しい情報について、詳細や理由を説明されるだけでは「自分の外から与えられた知識」のままにとどまってしまう
が、「これって〜〜と似ているな。同じ原理なんだろうな。」「これって・・とは違うよね。」といった具合で、
新しい情報を自分が持っている既存の知識とリンクすることで、
記憶として保持されるし検索しやすくなるってことだと思う
どうやら僕たち人間が「学習」する時には、
- 知識のネットワークを作る
- すでに持っている知識とつなげる
ということが行われているみたいなんですよね。
蜘蛛の巣とか鎖とかのイメージを持つといいかな
• • 疑問を抱き、その説明を考えることで、「木の枝葉末節から木の幹(=本質)の方に迫っていける」ということもあるかもしれません
他の学習テクニック
準備中!