
こういった疑問に答えます。
こんにちは。もちおです。
今回は、学研プラスの『中学歴史をひとつひとつわかりやすく。』という参考書のレビューをします!

- 学研プラス (2010) 『中学歴史をひとつひとつわかりやすく。』 学研プラス
- 値段 880円
東大卒で元教員の僕が、実際に買ってレビューをします!教師経験者が中学社会の参考書をレビューしているブログはほとんどないので、参考にしていただけたらうれしいです!
目次
口コミ・評判
まず、世間の評価についてです。
調べてみたところ、Twitterであまり口コミが見つかりませんでした(笑)
ひとつひとつわかりやすくシリーズオススメです!
— ⿻ ◌ ͙꙳‧˚ପSuu꙳‧˚✎*.。゜ (@yonyon0007) December 3, 2017
歴史しか持ってないんですけど、地理の方もとてもわかりやすそうでした!
ひとつひとつわかりやすくシリーズオススメです!
歴史しか持ってないんですけど、地理の方もとてもわかりやすそうでした!
これくらい。
なので、頑張って僕がこの本についてお伝えします!
どんな本?
僕はこう思いました。
【子供にとってはこんな本】
「歴史は最低限で良い!100点満点の地理のテストだったら50点で十分!」って思う中学生にオススメな本
【大人にとってはこんな本】
中学の歴史を学び直したい人の1冊目にオススメな本
【教師にとってはこんな本】
自作プリントや板書の参考になるものが欲しい教師にオススメな本
この本の良さ

文字が少ない(イラストが多い)
説明のための文章が圧倒的に少ないのが良いです。
例えば、「明治維新で変わったことは?」(p.78)という、明治維新に関する説明のページでは、
幕府にかわってできた明治新政府は、欧米の強国に対抗できる国をつくるため、経済を発展させ、強い軍隊をもつための改革を行いました。この政策を富国強兵といいます。
【富国強兵のための三大改革 の表】
【地租改正で変わったこと を説明するイラスト】
新しい国づくりが始まると、西洋の文化や生活様式がさかんに取り入れられるようになりました。この動きを文明開化といいます。
【明治時代初期の東京・銀座のようす の絵】
という構成になっていて、説明の文章はたったの4行です。その分、イラストや図を載せています。
たぶん、この参考書は
- 文章を読むのが苦手な子供
- 歴史が本当に苦手な子供
をターゲットにしています。
そういう子供達でも投げ出さずに頑張れるように、なるべく文章の量を少なくしようと努力したんだろうな、と思えて、開発の様子を想像すると泣けてきます(笑)
教科書のように、文章がずらーーーーっと書いてあると、それだけでやる気が出ない人っていますよね。そういった人でも使いやすく設計されています。
集中が続かない人でも使いやすい
この参考書は左側が解説のページ、右側が練習問題のページになっていて、一つの作業を長時間継続しなくて済むので、集中力がない人でも使いやすいです。
例えば、
先ほどの「明治維新で変わったことは?」(p.78)の内容のページの隣には、このような練習問題が載っています。
- 「富国強兵」と答える問題
- 1872年に発布された、すべての国民に小学校教育を受けさせるための制度の名称を答える問題
- 1873年に出された、近代的軍隊をつくるための制度の名称を答える問題
- 1873年から始まった、土地についての税のしくみの改革の名称を答える問題
- 地租改正の納税者、納税方法を、選択肢から選ぶ問題
- 地租改正の効果を、選択肢から選ぶ問題
たぶん、3分もあれば解き終えることが可能な問題の内容・量だと思います。
このような作り方がされた本なので、例えば
- 左側の解説のページを読むのに5分
- 右側の練習問題のページに取り組むのに3分
と、テンポよく学習ができるはずです。
解説を読むのに10分以上かかったり、練習問題がたくさんあって10分以上解き続けなければいけなかったりするだけで、途中で
って集中力が続かない人っていますよね。そういった人でも、一つの作業を長時間継続しなくて済む設計になっているので、使いやすいです。
参考書を使った解説動画がある
この参考書を使った解説動画が、YouTubeにあがっています。
この参考書の一番のウリはこれですね。
https://www.youtube.com/watch?v=_Xnn4yJTUfY
動画で、参考書だけだと理解しづらい部分を説明してくれるので、ありがたいです。
っていう人に、本気でオススメできる参考書です。
学校の先生にとってもありがたいです。動画が、授業の仕方の参考になるので便利です。僕もこの動画を見て、授業での説明の仕方を考えたことがあります。
イラストが手書きタッチなので、自作プリントや板書の参考にしやすい
これは学校の先生向けです。イラストが手書きタッチなので、自作プリントや板書にそのまま使えます。
多忙で授業準備の時間がない教師にはありがたいです。実際、僕もこの参考書をもとにしてプリントを作りました。この参考書をもとにすると、無駄な説明が省かれたシンプルなプリントを作りやすいです。
対象レベル
初心者レベルだと思います。
本当に基礎中の基礎しか書かれていません。
この本の問題点

「納得した理解」になりにくい
解説されている内容が薄いので、歴史学習で重要な「納得した理解」になりにくい点が、問題点です。
例えば、先ほどの「明治維新で変わったことは?」(p.78)では、地租改正についてこのように書かれています。
内容 土地についての税金の負担と集め方を変える。
目的 財政収入を安定させる。
そして、「地租改正で変わったこと」として、イラストを使ってこのような説明がされています。
江戸時代は… 耕作する人「収穫高の一定割合をおさめたよ。」
地租改正後は… 土地を所有する人「地価の3%をお金でおさめたよ。」
このように、
- 文章を読むのが苦手
- 歴史が本当に苦手
な人をターゲットにしているので、説明が少ないです。これがこの参考書の良いところなのですが、問題点でもあります。というのも、
っていう疑問に対して、
って自分で理解できればいいですが、歴史が本当に苦手な人はなかなか難しいと思います。
なので、歴史が本当に苦手な人には、地租改正がなぜ「財政収入を安定させる」ことにつながるのかについて、くわしく説明することが必要だと思いますが、文章を少なくした結果、この参考書ではそれができていないです。
この部分について、動画でくわしく補足説明されているのかな?と思ったら、動画でも「地価の3%を現金で納めさせることによって、不安定だった年貢とは一線を画す改革となります」という説明しかなく、これでちゃんと理解できるのかな?という不安が残ります。
ただ、歴史学習のスタートの段階で、全てを「納得した理解」にしようとする必要もないかなとも思いますので、スタート段階の参考書としては問題ないかもしれません。
まずはこの参考書を使って一通り勉強して、ある程度理解したら次の参考書に移るのが効率的だと思いました。
まとめ
以上、『中学歴史をひとつひとつわかりやすく。』のレビューでした。
もう一度まとめると、この本は
【子供にとってはこんな本】
「歴史は最低限で良い!100点満点の地理のテストだったら50点で十分!」って思う中学生にオススメな本
【大人にとってはこんな本】
中学の歴史を学び直したい人の1冊目にオススメな本
【教師にとってはこんな本】
自作プリントや板書の参考になるものが欲しい教師にオススメな本
です。
- 文章を読むのが苦手な子供
- 歴史が本当に苦手な子供
にとって最高の参考書で、動画と組み合わせることで、歴史学習のはじめの一歩となる本だと思います。
もちおでした。
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