『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』レビュー:攻めた解説本
今回は『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』という参考書のレビューをします!
[chat face=”mochioka-trans.png” name=”望岡 慶” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]学習教材について調べてまとめたブログ「もちおスクール」を運営しています。
このブログでは、読者の皆様が自分に合う教材を見つけられるように、教材の特徴を中立の目線で紹介します!![/chat]
『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』はどんな本?
蔭山克秀(2021) 『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』 かんき出版
値段 1,200円
代々木ゼミナール公民科講師である蔭山克秀さんの著書です。
対象レベル
初心者~中級者レベルだと思います。
教科書の内容がまんべんなく、やさしく書かれている
教科書の内容がまんべんなく書かれているので、抜け落ちがなくて良いです。
参考書でありがちなのが、独特の切り口で執筆したがゆえに内容の抜け落ちがあること。この参考書にはそれがないので、教科書の内容をしっかりと学びたい人向けだと思いました。
解説が攻めていて面白い
解説がマジで面白いです。
例えば、「『官僚』って何をする人?」(p.64)では、このような記述があります(旧版)。
官僚は、選挙ではなく「頭脳」でその地位を勝ち取っているため、いってしまえば、国民のための働きをしなくても職を失うことはありません。
そんな彼らがもしも私利私欲に走り、政策執行や監督権限を行使したら大変です。実際彼らは、議員のつくる法律の不備をついて許認可と呼ばれる細かい規則を何個もつくり、それで民間企業を縛り上げ、緩めてほしくば俺が省庁退職後、お前の会社に好条件で再就職させろ(いわゆる天下り)と脅すのです。……というといい過ぎかもしれませんが、実際、かつてはこのようなことがあったのです。
[chat face=”mochioka-trans.png” name=”望岡 慶” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]ものすごく攻めている…でも間違ってはないかも[/chat]
このように、解説が攻めていて面白いです。教科書ではここまで面白く書くことはできませんよね。
他にも、生活の中で「あれ?」って思うことを解説してくれていたり、ぶっちゃけた解説をしてくれていたりして、読んでて笑えます。
証人喚問の説明(p.61)では
ところが証人は「記憶にございません」という魔法の言葉を何度も発してひらりひらりと身をかわし、結局何も解決しないまま終了します。
[chat face=”mochioka-trans.png” name=”望岡 慶” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]これ、ニュースでもよく見るやつですよね。[/chat]
政党の説明(p.54)では
“試合終了政党”も存在します。政治の世界を見ていると、連立への妥協点を探らないまま、居直るように自ら野党宣言し、説得力ある対案も示さず、ただただ与党に難癖つけるだけの政党も見受けられるのです。…(中略)…こうなると、有権者にとって応援メリットはゼロです。
[chat face=”mochioka-trans.png” name=”望岡 慶” align=”left” border=”gray” bg=”none” style=””]攻めすぎ(笑)あの政党のことかなあ…[/chat]教科書だと「つまんない」って思えた公民の勉強が、この『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』を使うと、とても面白く感じると思います。
多忙な学校の先生も、この本を参考に授業をつくると、面白い授業ができるかもしれません。公民の授業って、寝る生徒多いですし
「ここが大切!」というポイントが書かれている
それぞれの項目で「ここが大切!」というポイントが書かれているのが良いです。これは教科書にはない部分。
例えば、「『官僚』って何をする人?」(p.64)では、
ここが大切!
①官僚とは各省庁に配属される国家公務員のこと
②効率的な行政を目指し行政改革が進められている
と、冒頭にポイントが書かれています。
なかなか覚えられない人(テストの点数が低い人)が、勉強する時にやってしまいがちなのが、いきなり細かい部分も覚えようとしてしまうこと。
細かい出来事や人名などを覚えようとするあまり、全体像がつかめなくて、失敗します。
でも、『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』では、「ここが大切!」というポイントが書かれているので、最優先で覚えるべき内容が何なのかが分かります。中学生にとってありがたいかな、と。
※一部、「このまとめ方はイマイチかも…」と思う部分もありました。
学校の先生にとっても使いやすい参考書です。「ここが大切!」というポイントは、授業の「まとめ」に使いやすいですよね。
図が分かりやすい
ところどころに書かれている図がかわいいしわかりやすいです。
問題点
注意点は「特にない」って書こうかなと思ったのですが、あえて書くと、、、
『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』の解説が実際の話し言葉のようでやわらかいので、サクサク読み進めることができるだけに、知識をしっかりと定着させないまま読み進めてしまい、「わかったつもり」になる可能性があります。
この参考書を活かす(テストの得点・しっかりとした理解につなげる)ためにも、問題集で同時に問題演習をすることをオススメします!
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口コミ・評判
かんき出版「中学校の○○が1冊でしっかりわかる本」目次のみ読了。地理・歴史・公民。ちょいちょいツッコミどころあったとはいえ、としとってから中学校の勉強やり直すには良い本かもしれん。お値段お手頃、図表多い、わかりやすいレイアウト、内容詰め込み。山川出版社以前にいいかも。
— junko★ (@jungko_) May 8, 2021
かんき出版「中学校の○○が1冊でしっかりわかる本」目次のみ読了。地理・歴史・公民。ちょいちょいツッコミどころあったとはいえ、としとってから中学校の勉強やり直すには良い本かもしれん。お値段お手頃、図表多い、わかりやすいレイアウト、内容詰め込み。山川出版社以前にいいかも。
『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』を読んだ。このシリーズの歴史本は真面目な解説だったけど、こちらはめっさ皮肉っぽく書かれていて、読み物として面白かった(´▽`)
— doyon (@doyon) January 4, 2021
『中学校の公民が1冊でしっかりわかる本』を読んだ。このシリーズの歴史本は真面目な解説だったけど、こちらはめっさ皮肉っぽく書かれていて、読み物として面白かった(´▽`)
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社会科の本質を解説するブログ・YouTubeはこちら
社会科(歴史・地理・公民)の内容について、本質的な部分をわかりやすく解説するチャンネルです。
【方針】
- 「つまりどういうことなの?」「なんでこれが大事なの?」ってのを解説する(木で例えると、葉っぱの部分じゃなくて幹の部分を説明する感じ)
- 細かい内容は省略する
- 社会科は人間の営みに関する学問なので、当事者のことをちゃんとイメージする(人間の心理も考える)
- 「社会は暗記すればOK!わからなくても覚えりゃいい!」っていう人を減らす
【対象】
- 中学生〜大人(本質的な部分を解説しているので、中学社会にも高校社会にも対応しているはず!)
※細かい内容はあまり扱わないので、細かくてマニアックな内容を求めている人は満足できないと思います。マニアックさを求めている人は、別のチャンネルを観るのがおすすめです。