【勉強する気はなぜ起こらないのか レビュー】いい本だけどガッカリする人もいると思う

教育心理学の研究者、外山美樹さんの『勉強する気はなぜ起こらないのか』を読んだ。
「やる気」について科学的に解説した本で、中学生向けに書かれているから平易でわかりやすいし、内容的にもすごく面白い。おすすめできる本。
でも一方で、読んでガッカリする人もそれなりにいそうだなあ・・・と思った。
忖度なくレビューしたいと思う。
「やる気」について科学的に解説した本

この本は、「やる気」を出すための実践的なハウツー本ではなく、「やる気」について現在、科学的にわかっていることについてわかりやすくまとめた本。
例えば、「やる気」を自律性の段階に応じて分類して説明してくれている。これがわかりやすかった。ってか、心理学の世界では1970年頃まで「やる気は外からの力でしか生まれない」と考えられていたらしい。マジで?衝撃なんですけど
あと、「なぜ目標を立てることが重要なのか?」「どのように目標を立てるべきなのか?」も書かれている。「レベルの高い高校とレベルの高くない高校、どちらに入るべきか?」という話も面白い。
勉強のやる気について知りたい人が最初に読む本としておすすめ。ちゃんと科学に基づいて書かれているので、信頼できる。
「学問の楽しさ」を知るための本だと思う
ただ、僕はこの本を「学問の面白さを知ることができる本」だと思った。
この本には、「やる気」という漠然としたものを、科学的に(=実験で)明らかにしようとアタックする研究者の取り組みが書かれている。こうやって「よくわからないこと」「まだわかっていないこと」を解明するのが学問なんだよ、勉強の延長線上にこの学問があるんだよ、ってことを子供に伝えようとしている本なんじゃないかな。
子どもに学問の楽しさに気づいてほしい!っていう願いを込めて、親が子供にプレゼントするといいんじゃないかな。中学生でも十分読めるように書かれているので、学校で行われている朝読書のための本として、親が子供にプレゼントするとか。子供が素直に読むかは知らんけど。
ハウツー本を求めている人には物足りないと思う

著者は心理学のちゃんとした研究者なので、「こうやるといいよ!」って、個人的な経験・体験にしか基づいていないアドバイスを無責任には書く・・・なんてことはしていない。
だから、「具体的で、実践的で、手っ取り早くてわかりやすいやり方を教えてほしいっ!」っていう、ハウツー大好き読者には物足りないと思う。
まあ確かにその気持ちはわかる。具体的に「こうやればやる気が出る!」っていう方法が知りたい!って読者は期待しているはずだから。でも、具体的な対処法はこの本にはあまり書かれていない。やる気に関する大枠のメカニズム的な話がメイン。
・・・万人に当てはまる「こうやればやる気が出る!」という方法は明らかになっていない、ってかそんな万人に当てはまる方法はないってことなのかな。まあ確かに、そんな奇跡的な方法があったらみんなやる気満々になっているはずだよね。
一人一人、性格も好き嫌いも異なる以上、「やる気」が起きるメカニズムは個人差が大きくて、「やる気」を引き出すためにはその人に合ったアプローチが必要ってことかも?このあたりについてはよくわからなかった。
とにかくこの本は、「やる気」を出すための実践的なハウツー本ではなく、あくまで「やる気」について現在、科学的にわかっていることについてわかりやすくまとめた本。普通に面白いし参考になる。いい本だと思う。ハウツー本ではないから注意してね。
「勉強のやり方を知りたい」人向けの本は別にある
勉強の効果的なやり方について具体的な方法を知りたい人は、『科学的根拠に基づく最高の勉強法』を読むのがおすすめ。


