
こういった疑問に答えます。
こんにちは。もちお(@softenisuke)です。
今回は、『日本史の論点 論述力を鍛えるトピック60』という日本史の参考書(問題集)のレビューをします!

- 塚原哲也ほか(2018) 『日本史の論点 論述力を鍛えるトピック60』 駿台文庫
- 値段 920円
東大卒で元教員の僕が、
国立大学受験者や早慶受験者が持っておくべきだと思う本
をレビューします。教師経験者がレビューしているブログはほとんどないと思うので、子供、教師、保護者とわず参考にしていただけたらうれしいです。
タップできる目次
『日本史の論点』の口コミ・評判
まず、世間の評価についてです。
同じタイトルの新書『日本史の論点 邪馬台国から象徴天皇制まで』(中公新書)があって、Twitterでの評価を見つけるのが少し大変でした。
が、やっぱり評価が高いです。
京都駅前の大垣書店に複数刷陳列されていましたので、受験生の皆さんのお邪魔にならないかと心配しつつも、1冊いただいてまいりました。『日本史の論点』は歴史の勉強をしつつ、知らず知らずのうちに読解力まで身についてしまう、恐ろしい学習参考書です。 pic.twitter.com/VqFhc3ld0O
— 田中健一/ある英語講師 (@TNK_KNCH) April 26, 2018
京都駅前の大垣書店に複数刷陳列されていましたので、受験生の皆さんのお邪魔にならないかと心配しつつも、1冊いただいてまいりました。『日本史の論点』は歴史の勉強をしつつ、知らず知らずのうちに読解力まで身についてしまう、恐ろしい学習参考書です。
日本史の論点市販化とか、普通に高校日本史教育を活性化する
— お く ゐ (@paraokwi) April 19, 2018
日本史の論点市販化とか、普通に高校日本史教育を活性化する
『日本史の論点』はどんな本?
『日本史の論点』は、昔は学校関係者しか手に入らなかった参考書で、市販されるのを待望する声が多かった(僕もその一人)のですが、とうとう2018年に市販化されたんです。
『日本史の論点』の対象レベル
この本を買おうか悩む前に、まず
日本史で、どれだけ実力をつけたいのか?
を考えてみましょう。
逆に、「しっかりと日本の歴史について理解したい」って思った人には、役立つ参考書になるはずです。
論述問題が出なかったとしても、『日本史の論点』をやることで日本史の理解が深まりますので、十分役に立ちます。
じゃあ、実際どんな本なの?
ざっくりとまとめると、こんな感じです。
【子供にとって】
- 物事のとらえ方が身につき、日本史の知識だけでなく思考力・記述力も身に付く本
【大人にとって】
- 特になし
【教師にとって】
- 定期テストでの論述問題作成に役立つ本
『日本史の論点』は表面的な理解から本質的な理解へと導いてくれる本
日本史の出来事を様々な角度からとらえて解説してくれるので、本質的な理解につながります。
「高度経済成長」について、3つの角度から考える構成になっています。
論点1)1950年代半ばに高度経済成長が始まったおもな要因は何か
論点2)高度経済成長期における重化学工業の発達を1930年代と対比せよ
論点3)高度経済成長にともなって国民生活はどのように変化したか
基礎をしっかりと身につけるのは、大変なんです。でも、しっかりと理解して身につければ、応用のきく武器になります。
論点1)高度経済成長が始まった理由
論点2)高度経済成長の特徴(内容)
論点3)高度経済成長の影響(結果)
ということです。
- 理由
- 内容
- 結果
って、出来事をとらえる時に普通に考える内容ですよね。
- ●●さんのことを好きになった理由
- 告白の内容
- 告白した結果、どうなったか
教科書をただ読むだけだったり、問題集をただ解くだけだったりして、特に意識せずに勉強すると、出来事を一つの見方でしかとらえない、ということが起こりがちです。
例えば「高度経済成長」なら、
- 「特徴(内容)」は理解したけど
- 「理由」と「結果」は理解していない
ということが起こりがちです。
ですが、『日本史の論点』は60個の項目(トピック)それぞれに対して、2つ以上の角度から解説してくれるので、本質的な理解に導いてくれます。
ですが、『日本史の論点』は、日本史の理解を深めるために必要な「論点」(角度)を整理して示してくれているので、スゴイ本なんです!
『日本史の論点』は物事のとらえ方を学べる本
もし、「もう試験直前で丸暗記に頼るしかない」っていう状況だったら、たしかに『日本史の論点』は消化不良で終わってしまう可能性があります。
物事をとらえる時は、いろんな角度からとらえようとする姿勢が大事です。
- 部活をやっている時
- 授業を受けている時
- 男友達と話している時
- 女友達と話している時
- 一人でいる時
もし、●●さんについて知りたい時に、
「●●さんは男友達と話をしている時、いつも笑顔だ!
だから、●●さんはすごく良い人なはずだ!」
と、一つの角度からだけで(一面的に)とらえてしまうと、
女友達といる時は悪口を言いまくっている
という●●さんの側面を理解しないまま、●●さんについて勘違いしてしまう可能性があります。
いろんな角度から物事をとらえる訓練をしてくれる本
だと思う、ということです。
でも、時間がない人にはおすすめできなさそう。
でも、「いろんな角度から物事をとらえる姿勢」は受験に限らず、生活する時に役に立ちますので、僕は『日本史の論点』に真剣に取り組んでほしいと思います。
ちなみに、東大や京大の入試問題を突破するためには、「いろんな角度から物事をとらえる」ということが必須ですので、東大・京大受験者は『日本史の論点』が必需品になるはずです。
『日本史の論点』は論述力を高めてくれる本
『日本史の論点』は、論述力を高めてくれる本です。
全部で、145個の論点(問題)が載っています。
選択肢で答える問題ではなく、全て記述式なので、時間をかけてしっかりと取り組めば文章を書く力が圧倒的に伸びると思います。
「要約せよ」という課題まであるので、本気で取り組んだらかなりの実力がつくはずです。
『日本史の論点』の使い方
受験本番まで時間があるなら、下記のようにじっくりやると、かなり実力がつくと思います。
1周目
- ①目次(トピック一覧)の「論点」に対して、何も見ないで論述してみる。
- ②教科書などで調べて、論述を修正して、自分なりの答案を完成させる。
- ③解説と別冊の解答例を見て、自分の答案の良かった部分・足りなかった部分を確認する。
- ④「課題」に取り組む。
2周目以降(①~④を、ひたすらくり返す)
ただ、実力がつく反面、ものすごく時間がかかるので、時間があまりない人は下記のようにやると良いと思います。
1周目
- ①『日本史の論点』を最初から最後まで読む(教科書と見比べながら)。
2周目
- ②目次(トピック一覧)の「論点」に対して、頭の中で答案を考える。
- ③解説と別冊の解答例を見て、自分の答案の良かった部分・足りなかった部分を確認する。
3周目
- ④目次(トピック一覧)の「論点」に対して、何も見ないで論述してみる。
- ⑤解説と別冊の解答例を見て、自分の答案の良かった部分・足りなかった部分を確認する。
ただ読むだけでは不十分
です。
「目次(トピック一覧)」を見て、論述してみる
ことが大切だと思います。
高校日本史のおすすめ参考書・問題集まとめ記事はこちら
通信教育を比較
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【対象】
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※細かい内容はあまり扱わないので、細かくてマニアックな内容を求めている人は満足できないと思います。マニアックさを求めている人は、別のチャンネルを観るのがおすすめです。