公立の教員の何がしんどいって、客を選べないところです。
今回はこのことについて説明しつつ、こうすればいいんじゃない?って考えたことについて話をします。
公立の教員は客を選べないのがしんどい

「客」っていう言い方をしてますが、子供(生徒)じゃなくて保護者(親)のこと。
公立の教員は、学校に来る保護者を選ぶことはできないんです。
もちろん子供も選べないんですよ。でも、どんな子供であれ子供の成長のサポートをするのが教員の仕事ですから、子供は別に大丈夫です。
問題なのは保護者。
ズバリ言っちゃいますが、保護者の中には「この人ヤバすぎ!」っていう人がいるんです。しょーじき。
国会議員を見ても、「この国会議員ヤバすぎ!」って思ったりしますよね。それと同じです。
例えば、子供が部活を休んだ翌日に「うちの子は昨日部活を休んだんです!昨日の連絡事項を先生が我が家に電話してくるのが普通ですよね!?」ってキレたトーンで言ってくる保護者とか。
こっちからしたら「友達に聞くか自分で電話かけてよ!休んだ人全員にこっちから電話なんてしてられないよ!」って感じなのですが、まじでこういうことを真面目に要求してくる保護者がいます。
ちなみにこれは比較的マイルドな例。もっともっとすごい例が他にもたくさんあります(ここでは言えない)。
んで。
相手が“ヤバイ保護者”だったとしても、「あなたとはお話はできません」なんてことは教員は口が裂けても言えません。
先日、堀江貴文さん(ホリエモン)が餃子店でトラブルになって入店拒否になったっていう話がありましたが、ホリエモンが悪いか悪くないかは別として、民間のお仕事ではこんな感じでお客さんを選ぶことができるんです。
入店拒否という形で明確にお客さんを選別するやり方は珍しいとは思いますが、例えば値段を高く設定したり銀座のブランド店みたいに入口をゴージャスにしたりすることによってお客さんを選ぶやり方もあります。

でも。
公立の教員はそういうことができません。
どんな保護者であっても、丁寧に対応する必要があります。
例え毎日電話がかかってきて1時間近く話をしなきゃいけないことになったとしても、電話がかかってきたら電話に出なきゃいけません。
どんな”お客様”に対しても丁寧に仕事をしなきゃいけないのが、公務員である公立教員の務めだからです。
このことと、教員のなり手が最近少なくなってきていることは無関係ではないはず。「やってらんないよ!」っていう。
一方で、
子供・保護者だって教員を選べない
わけです。相手を選べないのは生徒側も同じ。「この人ムリだわ」って人が担任になったら、子供や保護者だってしんどいんです。
じゃあ、この問題=「お互いに相手を選べないことによって生じるしんどさ」を解決する方法はないのでしょうか?
。。
。。。
僕は、
担任制度を廃止すればいいんじゃないの?
って思っています。

どういうことかというと、
”クラスの担任の先生”をはっきり「この人!」って決めるんじゃなくて、学年職員全員で学年の生徒を見るっていうシステムのことです。
クラスはあるんだけど、担任は決まっていないので、クラスで朝の会とか帰りの会とかをする時に教室にいる先生がコロコロと入れ替わるよ、っていう仕組み。
何かトラブルがあった時は、生徒との関係性などを見て最適な教員(学年職員)が対応します。保護者への連絡・面談も同様。
この担任制度の廃止は、麹町中の校長が書いた本でも紹介されていました。
そもそも、クラスの担任を「この人!」って一人に決めてしまうから、相手を選べないことによって生じるしんどさが生まれてしまうわけです。
担任の先生は”自分のクラスのこと”を他の先生に任せることに抵抗を感じて、一人で抱え込んじゃったり。
生徒や保護者は「来年、あの先生のクラスにはしないでください」って学校に電話したり。(→クラス編成の時の悩みの種になる)
だったら、担任制度を廃止すれば、100%解決するのは無理だとしても、ちょっとは解決の方向に進むんじゃないの?って思ったんです。
担任制度を廃止しても、教員側は誰かしらが”ヤバイ保護者”と接しなきゃいけないわけですが、一人でやるよりも何倍もマシになるはずです。
いずれにせよ、何かしら手を打たないと”お客さんを選べなくてしんどい公立教員”を目指す人はもっと減っちゃいます。たぶん。
みなさんだったらどう解決しますか?
じゃ、またね。
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「過去の僕のようになってほしくない」という思いを込めて、元教員の僕の具体的なノウハウをまとめた電子書籍を出版しました。
<目次>
- はじめに
- 第1章 長時間労働の理由
- 第2章 生産性を意識する
- 第3章 教員の仕事との向き合い方
- 第4章 スケジュール管理・タスク管理
- 第5章 作業環境を整える
- 第6章 教室環境を整える
- 第7章 メンタルを整える
- おわりに
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