勉強のやり方
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勉強したことを覚えやすくする方法【自己説明】

望岡 慶(もちお)
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「この前勉強した時は理解したつもりだったけど、全然理解できてなかった・・・」

「勉強したはずなのにすぐ忘れちゃう」

「勉強したことをちゃんと理解して記憶するにはどうしたらいいの?」

今回はそんな人の役に立ちそうな、「こうやったら記憶しやすくなるよ」っていうテクニックをお伝えします!

その名も「Self-explanation(自己説明)」。

モチオカ
モチオカ

前回紹介した「Elaborative interrogation(精緻的質問)」と少し似ているテクニックです。

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Self-explanation(自己説明)

どんなテクニック?

新しい情報(知識、学習内容)について、

自分の言葉で説明してみる。

こうすると、新しい情報(知識、学習内容)について記憶しやすくなるよーっていうのが「Self-explanation(自己説明)」です。

例えば

例えば、日清戦争について記憶する場合、その事実をただただ覚えようとするよりも、

  • 「日清戦争が起こった背景は〜」と自分の言葉で説明してみたり、
  • 「台湾に日本っぽさを感じるのは日清戦争で〜」と新しい知識と既存の知識の関係を説明してみたり

といった感じで、自分の言葉で説明してみる方が学習効果が高いのです。

他にも、例えば数学で言うと

  • 数学の問題を解くときに、答えや計算式だけでなく「どのように考え、なんでそのやり方を使うのか」も書いてみたり、
  • 問題を解くときの手順や理由を友達に説明してみたり

といった感じで、自分の言葉で説明してみる方が学習効果が高いのです。

東大模試の数学の解答用紙(満点)の画像
東大入試の数学は解く手順や思考の過程をしっかり説明することが求められます。

研究(エビデンス)

モチオカ
モチオカ

「Self-explanation(自己説明)」に関するベリーさんの研究を紹介します。

読み飛ばしてもらっても大丈夫です!

※わかりやすさを優先したいので、超ざっくり説明します

【実験内容】

ベリーさんは、実験に参加する人にウェイソンの選択課題をやってもらいました。論理的思考が求められる課題です。

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「片面に偶数があれば、もう片面は赤色」という仮説を確かめるには、どれを裏返すべきか?(Wikipediaより

参加者はにやり方・解法を学んだ後、難しめな(より抽象度の高い)ウェイソンの選択課題に取り組んでもらいます。

難しめな(より抽象度の高い)課題に取り組む準備段階において、参加者は3つのグループに分けられ、それぞれ異なるアプローチを求められました。

(1)問題を解きながら、自分がどのように問題を解いたかを説明するグループ

(2)全ての問題を解いた後、自分がどのように問題を解いたかを説明するグループ

(3)自分がどのように問題を解いたかを一切説明しないグループ

【結果】

どのように問題を解いたかを説明したグループ=(1)(2)は、より正確に問題を解決できるようになりました。

ここでは左のグラフは無視で大丈夫です。右のグラフを見ると、問題を解きながら自己説明するグループ(Concurrent〜)のパフォーマンスが高いことがわかります。(図はレビュー論文より引用

この研究から、どうやら

学ぶ内容について自分の言葉で説明してみると、学習効果が高くなる

らしいということが示唆されたのです。

経験的にもわかる気がする

この話は経験的にもわかる気がします。

中学校で社会科教員をしていたとき、「授業を通して一番成長しているのは生徒じゃなくて、実は自分(教員)なんじゃないか?」と感じたことがあります。

今思えば、これは「Self-explanation(自己説明)」の効果だったのかもしれません。

授業前

授業の準備では、教科書の内容を自分の言葉で噛み砕き、わかりやすく説明できるように準備します。これ自体がまさに自己説明。

授業中

さらに、当時は5クラスを受け持っていたので、同じ内容を5回も繰り返して説明することになります。これも自己説明。

授業後

実際に授業を進めてみると、「準備はしたけど、この部分はうまく説明できなかったな」と気づくことがあります。その際は不十分な部分を自分の言葉で説明し直すことになります。これまた自己説明。

こうして自己説明を何度も繰り返した結果、教科書の内容がしっかり理解できて、記憶にも深く刻まれた実感がありました。

モチオカ
モチオカ

生徒たちは授業で一度説明を聞くだけですが、教員である僕は何度も何度も自己説明を繰り返しているわけです。

そりゃあ自分の方が力がつくのも当然ですよね。

他にも、東大合格に向けて受験勉強している時にものすごく力がついた実感がありましたが、これも「Self-explanation(自己説明)」の効果だったのかなと思っています。

東大入試は論述問題ばかりで、「自分の言葉で説明する」ことや「思考の過程を伝える」ことが求められます。

東大模試の数学の解答用紙(満点)の画像
東大入試の数学は解く手順や思考の過程をしっかり説明することが求められます。

選択肢の問題(=誰かに解答を用意してもらっている問題)はほとんどありません。

受験勉強の中で何度も何度も「自分の言葉で説明する」「思考の過程を伝える」ことになります。

モチオカ
モチオカ

論述問題に取り組まずに選択肢問題ばかり解いていたら、

学力がついた実感はさほど得られなかったかもしれません。

たぶんこういうことだと思う

おそらくこういうことでしょう。

新しい情報について、詳細や理由を説明されるだけでは「自分の外から与えられた知識」のままにとどまってしまう

けれど、

新しい情報(知識、学習内容)について、自分の言葉で説明してみることで、

新しい情報が「自分の脳の中にあるもの」とリンクされることになり、

記憶として保持されるし検索しやすくなる。

どうやら僕たち人間が「学習」する時には、

  • 知識のネットワークを作る
  • すでに持っている知識とつなげる

ということが行われているみたいなんですよね。

モチオカ
モチオカ

蜘蛛の巣とか鎖とかのイメージを持つといいかな

あと、自分の言葉で説明してみることで、「うまく説明できない箇所」を発見することができるというメリットもあると思います。

何か新しいことを勉強したら、ちょっと時間を置いた後に(1日の終わりでもいいかな)「今日勉強したこと」を自分の言葉で説明することを習慣づけると良さそうです。

自己説明することで理解・記憶を促進しつつ、「うまく説明できない箇所」について翌日復習する。もしくは誰かに相談・質問する。

こうすればかなり効率的に力をつけられそうですね。すっっっごく面倒だし疲れそうですが。

他の学習テクニック

勉強法まとめ

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ABOUT ME
望岡 慶(もちお)
望岡 慶(もちお)
思春期ブロガー
関東で生まれる → 公立中学校 → 公立高校 → 1年間浪人 → 東大(教育学部) → 東大院(教育学研究科) → 修士課程修了(教育学) → 公立中学校の教員に → 退職 → ブログをがんばる → ?
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